毎日雨です
運動会が終わったらすぐに梅雨に入りました。
雨のせいで登下校が歩きです。
自転車使えないの、ツラい。時間かかるから、その分早く家を出ないと行けない。だからその分早く準備をする、ために、早起きをしないといけない。
……地味にツラい。
「雨ばっかりだね~」
「そうだね。型紙がへにゃへにゃになって、やりにくい」
部活の時間。
木内君は向かい側で型紙を布に当てています。
私はウサギが出来上がったので、ネコを作り始めています。
「晶子ちゃん、木内君、ちょっと手伝ってもらっても良いかな?」
「いいよ~。しなちゃん何作るの?」
「布を持てばいい?」
「布の端をキッチリ合わせて、ピンと張って持ってくれる? 真ん中にまち針刺していきたいの」
部活仲間の川口椎奈ちゃん。しなちゃんって呼んでるのです。
しなちゃんの広げていた赤地に花が散らばる布を、言われた通りに畳んで、端を合わせてピンと張る。
結構大きい布だなぁ。何作るんだろう?
「エプロンを作るんだけど、友達とお揃いにしたいから、二枚分一緒に切りたいの」
「へぇ~、可愛い柄だよねこれ!」
「裾にフリルもつけるんだ~」
ホルターネックにして、腰切り替えでギャザーを寄せるんだって。
簡易なエプロンドレスになるのかな? きっと可愛いのが出来るね。
「晶子ちゃんは縫いぐるみだったよね。服は着せないの?」
「服かぁ。そうだね、そういうのも出来るよね~」
でも、小さな縫いぐるみの服って難しそうだなぁ。
木内君は赤ちゃんのよだれ掛けを大量生産しようとしてるんだよね。部活として、アリなのかな? とは、疑問に思う。
先輩達は、木内君の赤ちゃん小物に対して色々、良い意味で色々言ってくる。
そのせいで木内君が暴走し始めてる気もしますけど。
「木内君、その本って……」
「これ、先輩が貸してくれたんだ……」
しなちゃんが、木内君の荷物と一緒に置いてあった本を見つけてしまった。
そう! レース編みの上手い先輩である、飯塚聡史先輩からの、貸本です。
「飯塚先輩によれば、赤ちゃん小物にレースは必需品なんだそうです」
「……頑張れ…」
「えっ、どういう意味? ちょ、神代さんまでそんな憐れむ目で見ないで!?」
しなちゃんと一緒に、木内君の肩を叩いておいた。
絶対飯塚先輩に目をつけられたよね。手先器用だしね。
……ガンバレ。
クラスの女の子達には、早苗ちゃんとかなちゃんのせいで、またしても亮くんと私が付き合ってるという認識をされてしまいました。
あと、運動会で亮くんが私の世話を焼いていたのを見た亮くんのクラスの女の子達や他クラスの子達から、微妙に注目されている気がします。
「なんかね~、たまーに睨んでくる子もいるの」
ウサギの腕に綿をぎゅうぎゅうに詰めながら、しなちゃんと木内君に近況を話す。
毎日毎日誰かしらにじっと見られたり睨まれたりしてると、流石にイラッとしてくるのです。
そんなわけで、亮くん関係についてスルー状態、むしろ だから? 的な部活の皆の前でなら愚痴も言いやすい。
「あ~、桑崎君モテるらしいから」
「運動会で二、三年生からも少なからず人気を獲得したらしいね」
「晶子ちゃん、運動会でいちゃいちゃしてたから…」
「いちゃいちゃ!? なにそれ!?」
聞き捨てならない言葉が聞こえた!
しなちゃんを見れば、呆れたため息を吐かれた。あれ、デジャヴ?




