表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/127

イイ性格だね

お昼御飯を家族でーー亮くんも勿論一緒にーー食べて、しばらく休んだら出発です。


「いってきま~す」

「まーすっ!」

「いってきます」


光希を真ん中にして、三人で手を繋いで行くことになりました。

亮くんに手を引かれるよりは、ましかな?


商店街を通り、はしっこにある本屋さんに到着する。

ちゃんと見れば、高柳書店って書いてあるわ。見落としてたのね。


「こんにちは」

「こんにちわー!」


カラカラと引き戸を開いて声を掛ければ、奥から早苗ちゃんが顔を出した。


「晶子ちゃん、いらっしゃいませっ」

「いらっしゃい」


早苗ちゃんは若草色のエプロンをして、にっこり笑っておじぎをした。

その後ろから店主さんも出てきて、私達を見て笑顔を深めた。


二人に光希を紹介して、手土産のカステラを渡す。

店主さんがちょっと困った顔をしたから、早苗ちゃんに皆で一緒に食べよ。と話を逸らした。遠慮されても困るしね。


「はい、じゃあこれがご注文の本だよ」

「ありがとうございます!」

「お姉ちゃん、僕も読むー!」

「うん。一緒に読もうね」


今回はお母さんにお金を両替してもらってきたから、百円玉ばっかりではないよ。

紙袋に入れて貰った本を受け取り、光希と読む約束をする。


早苗ちゃんに促され、カウンターの奥の部屋へ上がる。

そこから、店からは死角になる位置に階段があって、二階に向かうと広いリビングになっていた。

システムキッチンが似合わない…ギャップがすごいね。


「それでね、お姉ちゃんがねっ」


早苗ちゃんが光希に、私のことを聞いた瞬間から、かれこれ15分くらい。

ずっと喋り続けてます。しかもシスコンっぽい自慢話になってるよ。お姉ちゃんの顔真っ赤だよ。光希よ、気付いて……


「ふふ。光希くんは、晶子ちゃんが大好きなんだね」

「うん!」

「もうやめて………早苗ちゃん、わざとよね」


恥ずかしすぎる。と顔を覆って見悶えれば、早苗ちゃんがクスクス笑う。

睨むまねをすれば、吹き出すように笑った。光希は私達を見比べてきょとんとしてる。

早苗ちゃんはなかなかイイ性格をしているらしい。


「いーなぁ、兄弟。私一人っ子だからうらやましい」

「だからってからかうことはないと思うの」


早苗ちゃんの家は隣の地区にあって、お母さんと二人暮らし。お父さんは単身赴任で大阪なんだって。

店主さんーお爺さんの店には、お母さんがパートが終わるまでいつもいるのだそうだ。

小学校も私達とは違うみたい。


「ね~ぇ、晶子ちゃん」

「ん? なぁに?」


光希が亮くんと遊び始めたのを横目に、早苗ちゃんが小さな声で話しかけてきた。内緒話かな?

店主さんが出してくれた、持ってきたカステラをモグモグしながら早苗ちゃんを見れば、ニヤニヤしてた。やな予感。


「晶子ちゃんと桑崎くんは、いつから付き合ってるの?」

「ぐふっ!」


やな予感的中!

つか、噎せて変なところにカステラがっ! 鼻っ、鼻痛いっ!


「やだ、大丈夫!?」

「晶子!?」

「お姉ちゃんっ?」


ゲホゲホ咳き込む私に、早苗ちゃんが慌てて背中をさすってくれる。

亮くんと光希も、慌てて私の顔を覗き混んでくる。

やめて。覗き込むな。今絶対酷い顔してる自信あるから。


というか、やっぱりそういう誤解があるのね。

何でだろう? 早苗ちゃんとは、二回しか会ってないのに、なんでそんな風に思われるの?

やっぱり、私が亮くんに世話を焼かれてるからかなぁ?

………解せぬ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ