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回避したよね!?

前の人生で光希を殺した男が私の前に現れ。

光希ではなく私が殺されそうになった。

必死に家から飛び出して防犯ブザーで助けを呼んだら、何故か亮くんと少年に助けられた。

あ、少年はやっぱり亮くんのお兄さんでした。高校二年生なんだって。

私が少年って言うとおかしいわね。私今小四だったわ。


「晶子~っ!!」

「おね゛ーち"ゃ"~んっ!!」


防犯ブザーのおかげか、事件に気付いた近所の人が警察と救急車を呼んでくれて、私は病院へ。

一通りの診察と手当て、その後の警察に話を聞かれ終わった後。連絡がいって駆けつけたお母さんと光希が大変なことになっています。


「お母さん、大丈夫だよ。ちょっと背中が痣になっただけだって。光希もほら、お姉ちゃん元気よ?」


笑って言えば、光希はすんすん鼻をすすりながら顔をあげてくれた。

お母さんはずっと私の頭や肩を撫でてる。


「失礼します」


病室、というか、処置室? のドアがノックされ、亮くんとお兄さんが入ってきた。

今まで警察に話を聞かれていたんだって。


「晶子」

「亮くん」


亮くんはすぐに私の所まで来てくれる。

お母さんはお兄さんに頭下げてお礼を言ってる。お母さん、そんな深々頭下げて…お兄さんが困ってるよ~。


「亮くんのお兄さん、ありがとうございました」

「ありがとーっ!」


ベッドに座ったままだけど、私もお礼を言えば、光希も叫ぶように言った。

光希は何故か亮くんに抱き着いて、というか、しがみついています。


「いや、無事で良かったよ。改めてはじめまして、亮太の兄の桑崎敦あつしです」

「神代晶子です」

「こうきですっ」


簡単に自己紹介をしてたら、お医者さんが来て帰っても良いと言われた。

しばらくは毎日通院になるんだって。

調子崩したり痛みがでたら夜中でも早朝でもすぐにくるように。無茶や我慢はしないように。と厳命されました。




亮くんと敦さんと、五人でタクシーを使い帰宅。

家の前には顔を真っ青にしたお父さんがうろうろしてました。


「お父さん」

「あなた」

「晶子!! 無事かっ!? 怪我は!?」


タクシーを降りて声を掛けたら、タックルの勢いで抱き締められ何度も確かめられた。

大丈夫だよ。と何度も答えて笑って見せれば、お父さんはへたりと座り込んでしまった。

ちょっ、地面はやめようよ。汚いし汚れるよ?


亮くん達はそのままタクシーで帰宅。

料金はお母さんが前払い済みです。素敵ですお母さんの心遣い。

家の中はお父さんが先に掃除と片付けをしておいたのか、男が居たという形跡が全く無くなっていてほっとした。

無意識に力が入っていたみたい。安堵感? が凄かった。


「…光希、起きてる?」

「んぅ…お姉ちゃん?」


夜、さぁ寝ようって時。

どうしても堪えられなくて光希のベッドに静かに近寄る。

寝始めだったのか目を擦る光希に申し訳ないと思いつつ、一緒に寝ても良いか聞く。

こくりと頷いてくれたので、そそっと光希の隣へ入り込む。


「ありがとう、お休み光希」

「おやすみ、おねぇちゃ、」


すぐにすやすやと寝息を立てた光希を、間近で見つめる。


良かった。守れた、っていうのとは違うけど、光希は生きてる。私も、生きてる。

嬉しい。良かった。光希はこれからも一緒。生きてる、生きていく。


「…光希、おやすみ。また明日…」


光希にぴたりと寄り添い、その温かさに、私は少しだけ、涙を零した。

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