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日常です

亮くんに買って貰ったペンギンの子供の縫いぐるみキーホルダーは、学校のカバンに付けました。

手のひらサイズの、ちょっと大きめのキーホルダーだけど、可愛いからオッケーです。

関さん達に、何故か騒がれましたけど。

良いなぁ、と言われたので水族館の場所を教えたんだけど、そうじゃない。と言われました。じゃあどういうことなんだろう?


あ、ちなみに私は携帯ストラップを亮くんへプレゼントしました。親ペンギンのついた小さなやつです。

ちんあなごがにょろって生えてるように見えるイヤホンジャックが可愛かったんだけど、私達の携帯、イヤホンつけれないタイプなんだよね。残念。


「神代さーん、行くよー」

「はぁい! ちょっと待って」


新しく友達になった小山さんに声を掛けられ、慌てて教科書を取り出す。

選択授業が一緒なのです。仲良くなれて良かった。一人で教室移動とか寂しいからね!


「小山さん準備早いよ」

「おトイレ行ってた神代さんが悪いよー」

「いや、トイレは行かせて。あれ?」


他愛ない話をしながら廊下を歩いていると、はなちゃんが居るのに気づきました。

一人で廊下の窓から外を見ています。

どうしたんだろう?


「はなちゃ…」

「くふっ…くふふっ」


うん。スルーしよう。

見なかった! 何かニヤニヤしながら含み笑いしてるはなちゃんなんか見てません!

あれはよく解らないことをもうそ…空想してる時の表情だもの。

というか、はなちゃん、女の子があんなにやけた笑顔してて大丈夫なの?


「は~なちゃんっ」

「んぁ、しーなちゃん! 見てみて、あそこ!」

「へ? ……ぉお~…」


……見てない。

しなちゃんが更ににやけた表情しだしたなんて、見てないもん。

小山さんを促してそそくさと移動しました。





進路調査が配られた時、若干張り詰めたというか、ピリピリした雰囲気になったのだけれど、一月も過ぎればまったりした雰囲気に戻りました。

まぁ定期テスト前は皆焦るのは当たり前なんですけどね。


さてさて、そんな感じの日常をかなちゃんに電話で話せば、かなちゃんが黙ってしまいました。どうかしたのでしょうか?


「かなちゃん?」

『……この間、小テストがあったの。抜き打ちのやつ……。長谷部に負けた……っ!』

「………」


くだら、……まぁうん。二人っていうか、かなちゃんは真面目に勝負してたみたいだね。

普段も割りとちゃんと授業聞いてるし、ノートもまとめてて、部活のない日だけだけど復習もしていたのに、授業中ほとんど寝てる筈の長谷部君に抜き打ちテストで負けてしまったのが、信じられなかったみたいです。

というか、今年は二人同じクラスなんですね。


『でね! 問い詰めたら、なんと! 由紀乃ちゃんに勉強教えて貰ってるとか言いやがったのっ!』

「言いやがったって…」


荒ぶってる…。

かなちゃん的には、由紀乃ちゃんと長谷部君の勉強デート (?)を邪魔はしたくない。けど、一人で由紀乃ちゃんに勉強を教えて貰っていたのは抜け駆け! ずるいっ! なんだそうです。

まぁ解らなくはないですが、そんなに怒ること?


「かなちゃんって、由紀乃ちゃん大好きだよねー」

『当たり前じゃない! あ、もちろん晶子ちゃんも早苗ちゃんも大好きよ~』

「ありがとー、私も好きよ~」


電話越しで何を言い合ってるんでしょうね。

暫くお互いの近況とかを話してから電話を終えました。

後半がほとんど長谷部君への愚痴だったのは何時も通りです。

かなちゃんは去年の夏休み明けから本当に彼氏を作ろうとしているのです。

が、ことごとく長谷部君に阻止されるというか、男子と喋っていると長谷部君が現れるというか……

頑張れ、かなちゃん。

だけどごめんね。その話は、大半亮くんと光希への報告案件になってしまうのです。

仕方無いよね、かなちゃんが変な男子に捕まらないためだもの。


「……、ということで、かなちゃんとよく話すのは今のところクラスメイトの三人、部活の先輩の彼氏さんと、その友達さん二人、男子テニス部の一年二人だそうです」

「クラスメイトの方は長谷部に聞いていたが…部活関係はノーマークだったな」

「先輩の彼氏ってのは除外で良いとしても、その友達二人が厄介かな?」


私の部屋で、私、亮くん、光希の三人で、何故か正座で膝を付き合わせて報告会です。

二人とも真剣な表情で何か対策を練っているもよう。

長谷部君は部活を終えてから合流します。ちなみに今日は平日です。

無駄に行動力があるなぁ。と感心してしまうのは、私だけでしょうかね?


「かなちゃん可愛いし、人懐っこくて分け隔てないし、素直だし。まぁ、普通にモテるよね、本人気付いてないみたいだけど」

「由紀乃姉と一緒にいることが多かったからね。由紀乃姉は美人だから、大体初見はそっちに目が行っちゃうし」

「野崎の方は、内面に触れて堕ちる奴等ばかりだからな」


段々話がずれて行き、長谷部君が来るまで三人で延々とかなちゃんの長所と短所を挙げて、かなちゃんの考察をしてしまいました。

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