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文化祭当日です。

と、言うわけで、文化祭当日です。

金田さん達の圧やらタルト作成やら、何故かやる気を消失してた男子やら、諸々すっ飛ばして、当日です。


「さ~、頑張りましょ~」

「そーだねぇ」


やる気のない掛け声で始まりました。

私は初日午前の裏方になりました。

林さんと、内装を作っていた数人の女子・男子と一緒です。

初日の最初なので、クッキーやらの在庫は沢山あります。つまり、飲み物を用意する以外にやることが無いです。

ゆったり皆でお喋りしていたら、持ち時間が終了しました。


「何か、殆ど何にもやらずに終わったね~」

「まだ午前だし、うちのクラスは三時過ぎたら人多くなりそうだね」

「まぁまぁ。とにかく終わったし、後は文化祭楽しみましょ~!」


午後の前半の裏方の子達と入れ替わり、皆で写真を撮り合ってから、私は着替えます。

皆はそのままの格好で文化祭を楽しむそうです。ノリが良いですね。

私は、今日は光希が来るのでさっさと着替えましたよ。


光希との待ち合わせは正門です。

下手な場所だと人混みで会えなくなっちゃうからね。

ちょっと急ぎ足で、人にぶつからないよう気を付けながら正門へ行けば、既に光希が待っていました。

……うちの学校の女子にナンパされながら……


「…弟よ…」

「あ、姉ちゃん」


他人のふりをしたいけど、この後早苗ちゃんのクラスへ行くので、仕方なく声を掛けます。

もちろん、名前を呼ばないのは諸々の予防線ですね。察してください。

一言声を掛けたら直ぐに反応する光希。

そしてするりと女子の包囲網をすり抜けてくる。光希…いつの間にそんなスキルを……


と、まぁ、冗談はそこら辺で置いといて。

さっそく早苗ちゃんのクラスへ行きましょう。

早苗ちゃんには光希が来ることは言ってないのです。光希も言ってない。早苗ちゃんには一緒に回ろうとしか約束してないのです。

サプライズですね。


「で? 弟よ。なんだい、その微妙に残念そうな顔と、高そうなカメラは……」

「だって姉ちゃんがコスプレするって言ってたから。亮太兄に写真…」

「しょんぼりしない。………はぁ~、分かった分かった。亮くんには後日家で披露するってことで、ね?」


何で光希ががっかりしてんのよ? 姉のコスプレをそんなに笑いたいかい?

早くそのカメラを仕舞いなさい。早苗ちゃんはコスプレしてませんよ。





「早苗ちゃん!」

「あ、晶子ちゃん……ぇ、光希君?」

「来ちゃった」

「連れてきちゃった」


早苗ちゃんは教室の中で、友達とお喋りしていました。

呼べば笑顔で振り向き、私の隣に立っている光希を見付けて、目をまんまるにしました。

光希と二人でちょっとふざけててへ、と笑えば、ハッとした表情になって、ささっとこちらに来ます。

そして無言で私と光希を掴み、廊下を早足で歩き始めました。

何処へ行くんでしょうか?


「早苗ちゃん、どこ行くの?」

「というか、私は一緒に行くの? 別に二人で遊んでも良いんじゃない?」


多分光希も二人で回りたいだろうし、周りへの牽制的な? 二人で練り歩けば良いんじゃないかなぁ?


早苗ちゃんはズンズンと校舎裏の方へ歩いていきます。

こっち側は流石に何もないから、人気ひとけもありませんね。

暫く歩いて、周りに人がいないのを確認した早苗ちゃんはようやく私達の腕を離して、深々とため息を吐きました。


「もぅ~、ビックリしたじゃない」

「え、ビックリしたからこんなとこまで連れてきたの? その場で驚いて終わっとこうよ」


そしてこっちの方へ来たのは、特に意味は無いそうです。

ビックリしたからって理由に私がビックリですよ。


早苗ちゃんへのプチサプライズも成功 (?)したし、二人で回るのかと思ったら、光希に私も一緒だから。と言い切られてしまいました。

亮くんに頼まれたって…何を頼まれたんだろう?

まぁ、三人で遊びましたけどね。

楽しかったです。




二日目は、日曜日と言うこともあって一般のお客さんが昨日とは打ってかわって、とても多いです。

今日は私は当番がないので一日文化祭を満喫できます。


「しょーこちゃーんっ、ひさしぶりぃ~!」

「ひさしぶり、かなちゃん。長谷部君も」

「よう。今日はよろしくな」


今日はかなちゃんと長谷部君と一緒です。

かなちゃんのテンションが高いのはまぁいつものことですが、長谷部君が普通だ…。

いや、何時もがおかしいとか変だとかじゃなくて、こう…もっとかなちゃんみたいにはっちゃけテンションで来るかと思ったのに、落ち着いてるね?


「今日は由紀乃ちゃんがいないからね~」


不思議に思ったのが顔に出たのか、かなちゃんがクスクス笑いながら教えてくれました。

学校ではむしろ落ち着いていて大人っぽくて格好良い。と評判なんだとか。

信じられない…いや、でも亮くんと一緒にいた光希の成長を見るに、長谷部君もそんな風になるのは、必然…なのか?

男の子って解らない…。


「とりあえず、かなちゃん、どこ行きたい?」

「えっとねー」


分からないことは置いておいて。

パンフレットを広げてかなちゃんに見せます。

今日も沢山満喫しましょう。

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