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夏の風物詩?


「しょーこちゃーんっ早苗ちゃーん!」

「かなちゃん、久しぶり~」

「久しぶりぃ~! いい天気だね!」


駅前で待っていれば、かなちゃんが手を振りながら駆けて来ました。


今日はプールへ行く日です。

なんとか、全員の予定を抉じ開けて、お盆の二日目に時間が作れました。


「かなちゃん、益々焼けたね~」

「早苗ちゃんは真っ白だね。晶子ちゃんも白いわぁ~」

「私達は仕方ないよね、ずっと室内だし」

「お外暑いから出たくないしね」


でもプールには行く。遊びと部活は別物ですからね!

因みに、亮くんや光希も適度に日焼けしてます。

かなちゃんは勿論、長谷部君も由紀乃ちゃんも多分小麦色ですよね。

私と早苗ちゃんだけ白いので、何か違和感がありますね。


「由紀乃ちゃんと長谷部君は?」

「さっき電話来たよ。ちょっと遅れるって」

「何かあったのかなぁ?」

「迷子を見つけちゃったから、家まで送ってから来るってさ」

「なにそれ漫画?」


いやいや、事実です。

蟻の行列じっとみてたら、いつの間にか家から離れてしまった子供が半泣きでしゃがんでいたそうです。

由紀乃ちゃん達がそんな子を無視して来るとか、あり得ないからね。

当然のように宥めて家聞き出して連れていくよね。


しばらくお喋りしていれば、由紀乃ちゃん達が来ました。

全員揃ったので、早速プールへ出発です。





お盆期間とは言っても、今日も暑いのでプールには人が沢山いますね。はぐれないように気をつけなければね。


男女別れて着替えをして、あらかじめざっくり決めておいた集合場所へいきます。


「あの~、三人で来たんですかぁ~?」

「私達も~、三人なんですけど~」

「一緒に遊びませんかぁ?」

「「「………」」」


「わぁ~、ナンパされてるよ、どうする?」

「ねぇ、あの女の子達って、私達より年上っぽくない? 大学生?」

「大学生が高校生をナンパ……っていうか、光希君中学生だよ? え、ショタコン?」

「ショタコンっていうか…犯罪?」


集合場所には亮くん達が立っていました。

ナンパされながらね!


話しかけてる女の子達をガン無視して、視線も合わせない三人が凄いですね。

そして無視されてるのにめげずに話し続ける女の子達も凄い。勇者だ。


「あの中に入っていくの? 気まずくない?」

「でも早くしないと、光希君達の機嫌が…」

「三人とも表情がヤバイよ?」


私、早苗ちゃん、かなちゃんがヒソヒソ話し合っていたら、由紀乃ちゃんが動き出してしまいました。


「長谷部」

「お! ……ちょっと露出多すぎねぇか、その水着…」


わぁ~、由紀乃ちゃんに声掛けられた瞬間の長谷部君の変わりよう……。

そして、長谷部君は由紀乃ちゃんの水着に眉をしかめました。

由紀乃ちゃんの水着は、白地に大判の花がプリントされたビキニです。

スタイル良いし、胸もあるから、めっちゃ綺麗。似合うんですが、長谷部君は気に入らないようです。

布面積少ないからね、ビキニって。

長谷部君は着ていたパーカーを脱いで由紀乃ちゃんに着せました。

太股まで隠れたけど、それはそれで、えろいよ。


「早苗ちゃんは短パンなんだね、可愛いよ」

「ありがとう光希君」


おっと、我が弟ながら賛辞がスルッと出てきますね。まぁ、可愛いのは否定しない。

早苗ちゃんは赤と白のボーダーのビキニなんだけど、胸部分はセーラー服のリボンみたいに結ばれたボリュームがある布があるし、下は短パンがセットになってるから、由紀乃ちゃんより全然隠れてます。


「晶子、荷物は四人分でそれだけか?」

「あ、うん。纏めておっきいのにいれてきたよ」


四人のタオル、小銭入れをA3サイズが楽に入るビニールバッグに纏めて放り込んできたのです。

亮くんに当たり前のように荷物を持たれたけど、気にしない。

因みに、私の水着はパッと見ワンピースです。

ビキニの上から、パレオをワンショルダーのワンピみたいに巻いてるのです。

水着店の店員さんから巻き方を教わりました。


「うぐぐ……私も彼氏つくろっかなぁ」


かなちゃんが何か唸ってます。

言っておくが、私達の中に正真正銘付き合っているカップル居ないよ?


「野崎、彼氏出来たらまず俺と桑崎と光希に会わせろよ」

「そうだな。野崎を任せられるか確かめないといけないしな」

「かな姉、俺、チャラ男と弱い奴は認めないからね」

「ちょっ、三人とも目が怖いわっ!」


かなちゃんの呟きに、三人が真顔になりました。

かなちゃん、多分並大抵の人では無理だよ。

最低でも光希に勝つくらいって……え、光希最近腹筋も、腕も足もカッチカチ何だけど…。


「~~~っ!! ちょっと!! 私達のこと無視してんじゃないわよっ!」

「わっ、ビックリした…」

「…あ、忘れてた…」

「何よそれ!」


すっかり存在を忘れていました、大学生 (仮)の人達。

とっても怒ってます。激おこってやつですね。……古いか、そっか。

大学生 (仮)さん達は、亮くん達が自分達を無視したことより、私達が亮くん達の連れってことが許せないらしいです。


「こんな子達より私達のが可愛いじゃない!」

「そうよ。色気のない子達より、私達と遊んだ方が楽しいわよ」

「ていうか~、もしかして何か脅されてるんじゃない?」

「え~マジで? なにそれサイテーじゃん」

「こんな子達に付き合うことないって~、うちらと遊ぼうよ、ね!」


わぁ~、意味不明な超理論ですね。

亮くん達を脅すとか、どうやってやるのさ?

こんな、一目で鍛えてるのが判る男子に、女子が脅しを掛けるって無理じゃない?

というか、会話聞いてなかったのかな?

皆同じことを考えたのか、ちょっと微妙な空気になりました。

だけど、止まらない大学生 (仮)さん達の声。

段々、野次馬的な人達が集まってきましたよ。


「さっきから聞いていれば、どこをどうしたらそういう考えになるんだ?」

「つーか、南川達のが普通に可愛いぞ? 」

「まぁ、早苗ちゃん達は化粧を塗りたくったりしなくても綺麗だしね」

「まず、公共施設であるプールに化粧をしたまま入るとか、他人に迷惑じゃないか?」

「亮くん、最近は水でも平気な、ウォータープルーフという化粧品もあってね、」

「香水もつけすぎ、臭い」

「ベタベタ触ろうとしてくるのが、単純に気持ち悪いな」


ぅわぁ…ハッキリキッパリ言いますね、三人とも。

そして台詞を遮られたってか、スルーされたよ。

周りで様子を見ていた野次馬さんたちが、クスクス笑いだしました。

大学生 (仮)さんは、顔を真っ赤にして、更衣室に走って行ってしまいました。

プールサイドは走ると危ないですよ。とは、流石に空気を読んで言いませんでした。

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