期末テストです
かなちゃん達と女子会したり、亮くんの高校に行ってみたり、早苗ちゃんに光希の近況 (家にまで押し掛けて告白した子がいた‐バッサリ断られてたけど)を報告してみたり。
ドタバタワイワイしていたら、いつの間にか期末テストの時期ですね。
「晶子ちゃん、中間テストの記憶は?」
「いやだって~、中間ってほとんど中学の復習だったじゃない? それほど勉強してなかったんだよね~」
「晶子ちゃんと早苗ちゃんは、教科担当がほぼ一緒だからいーよね~。うちら違うから、同じテスト対策じゃ意味がない…」
「私はどう転んでも、理数系が死んだわ…」
放課後の図書室。私と早苗ちゃん、しなちゃんとはなちゃんの四人で、テスト勉強です。
はなちゃんは完全に文系だからなぁ。
現国や世界史、日本史はほぼ完璧だし‐妄想が入らなければ、だけど‐古文や英語も、最近解ってきて楽しいって言ってたしね。
しなちゃんは言うほど頭悪くはないのよ。ただ、テスト前っていう雰囲気のせいかな?
早苗ちゃんだって平均より出来るよね。
私は、何時ものように頑張りますよ。
お喋りも程々にノートを開いて問題をひたすら解いていく。
解らないところはお互いに聞いたり、教えたりしながら勉強していれば、最終下校時間まですぐでした。
「わ、やばっ! うちに電話しないと!」
「あ~…私もしておこう…」
「私んちは近いから平気」
「うわぁ…お母さんとよーちゃんからのメールが凄いことになってた…」
ノート類を片づけて四人で廊下にでる。
歩きながらだけど、サクッと電話してしまいましょう。
早苗ちゃんも家に電話をするようです。
『はい、神代です』
「あ、お母さん? 私、晶子だけど。勉強してたらこんな時間になっちゃってさー」
『あらあら、じゃあまだ学校なの?』
「そうだよ。今から帰るから、んー……早苗ちゃんと一緒に帰るよ」
電話しながら早苗ちゃんと目配せして、二人で帰ることにする。
早苗ちゃんも電話しながら頷いてるし、同じこと言ってるのが聞こえました。
「さなちゃん、しよーちゃん、ばいばーい」
「早苗ちゃん、晶子ちゃん、また明日ね~」
「「しなちゃん、はなちゃん、ばいばーい」」
校門で二人と別れます。
二人は少し先まで同じ道だそうです。
私と早苗ちゃんは自転車に乗り、商店街へ向けて出発です。
期末テストまでは何度か四人で勉強をしました。
その度…ではないけれど、結構気づけば最終下校時間ってことがありました。
勿論、亮くんに告げ口 (笑、えない…)されて、お迎えが来るようになりました。光希は流石にいなかったけどね。
そういえば、しなちゃんも、初日以来遊木君が迎えに来てたな。
亮くんと軽く話してたけど、友達になったのかな?
期末テストの結果? 中の上ってとこですかね。
二回目なのに、とか思うけど、勉強ばっかりは、仕方ないよね。
勉強好きでもなかったしなぁ。
「しよーちゃん……」
「わぁっ! ビックリした。どうしたのはなちゃん…廊下と掃除道具入れに挟まって…」
廊下を歩いていたら、はなちゃんが階段の踊り場の隅にある掃除道具用のロッカーと廊下の壁の間に挟まっていました。
普通に怖いよ。
「夏休みが…半分潰れ…だうぅ……」
どうやら、期末テストで赤点があったようです。
「え~でも、夏休み初日の追試テストパスすれば、」
「そんな頭脳は持ち合わせておらぬ…」
「いやでも、問題一緒のはず…」
「数字とはお友達になれないでござる」
「………」
はなちゃん、口調がおかしくなっちゃってるよ?
追試テストって言っても、うちの学校は大分ゆるくて、期末と同じテストをもう一度受けて、及第点を取れればオッケーのはず。
確かに問題用紙は先生が回収したけど、大体の傾向は解ったはずだよね?
そう聞いてみたら、はなちゃんはテストが終わった瞬間に忘れた! と胸を張りました。
「威張ることじゃないし、なら誰かに教えて貰えば?」
「担任から、甘やかしになるから手伝わないようにって…」
ありゃあ…。
ていうか、そんなに悪かったの?
「文系は九十点台なんだけど…数学と科学が、じゅっ…」
「ぇ…」
なんと、数学が十一点、科学が十八点という、歴代最低点を叩き出してしまったらしい。
流石になにも言えなくなりました。
あれ、一緒に勉強してたよね?
早苗ちゃんに数学の公式を呪文のように囁かれてたよね?
「…はなちゃん…」
「うぅ…おれをみるなぁ~…」
はなちゃんは壁に引っ付くように、奥へ行こうともがいてますが、そんなにスペースないからね?
あと、それは何かの漫画の台詞だね? 割りとまだ余裕があるな?
とりあえず、無理矢理引っ張り出して五組に届けました。
制服が埃で真っ白だよ、はなちゃん。
因みに作者は、科学とは犬猿の仲です。