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練習しましょう

土曜日です。

お父さんからオッケーを貰えたので、かなちゃんの家まで送ってもらう。

光希がちょっと拗ねたみたいだけど、亮くんのところに遊びに行けることになって瞬時に機嫌が直った。お姉ちゃんは少し淋しいぞ。


「あんまり遅くなるようだったら家に電話しなさい、迎えに来るから。歩いて帰るにしても、あまり寄り道しないようにな」

「分かった。ありがとうお父さん」

「じゃあ、いってらっしゃい」


いってきます。と車を降り、かなちゃんちのインターフォン……は、背が足りなくて押せないから、大きな声でかなちゃんを呼ぶ。

一度家を出る前に電話をしてあるから、このやり方でオッケーだそうです。


「晶子ちゃん、いらっしゃ~い」

「かなちゃん! 外に居たの?」


もしかして待っていてくれたのかな? と思ったら、顔に出たのか、笑って犬と遊んでいたのだと庭に案内してくれた。


「わぁ、大きい犬だねっ」

「ケンタくんだよ。ラブラドール? っていうの」


真っ黒なラブラドールレトリバーです。

とても人懐こいらしく、さっきからしっぽブンブン。リードが首絞まりそうなくらいピンッと張ってる。

触りたいけど、大きすぎてちょっと腰がひけるわ。


ビビる私に、かなちゃんは噛まないよ、と言ってくれたけど、今日は遠慮しておきます。うん、真正面からは結構な迫力ですね、ケンタくん。


「晶子ちゃん! いらっしゃい!」

「おばさん、こんにちは。おじゃましまーす」

「はいこんにちは。ゆっくりしていってね」


犬にビビっていたらリビングの窓が開いてかなちゃんのお母さんが出て手招きしてくれた。

そのまま、ちょっと行儀が悪いけど窓から入って挨拶。ちゃんと手を洗ってうがいもしました。


お昼ご飯を食べてきたばかりなので、かなちゃんとピアノの前に陣取り、早速楽譜を広げる。


「えっとね、ここ。このクレッシェンドから手がこんがらがるの」

「あ~、ここ速いよね。ケンバンいったりきたりするから、別の音ひきそうだね~」

「ドシソレラミ…まではなんとか…。でもここ左も…ね?」


ゆっくり弾いて、徐々に速くしていっても、左手の方も難しい。

かなちゃんとあーでこうだから、といろいろ試していく。


因みに、かなちゃんと私のやってる楽譜はシリーズが違うので同じ曲がない。

ピアノ教室は一緒なのに不思議だけど、一冊終わったら楽譜交換しようと約束している。先生もオッケーをくれているのです。


「はいはい、そろそろおやつの時間よ? 手を洗ってきなさいな二人とも」


なんとか形になってきたのでゆっくり目に弾いてみて。とりあえず納得の出来。

それからは、気分転換にかなちゃんと簡単な曲を連弾したり、かなちゃんの課題曲を聞かせてもらったりしてたらおばさんに声を掛けられた。

時計を見ればもう三時。おやつの時間ぴったりですね。


「は~い。晶子ちゃん、行こう」

「うんっ」


おやつはカステラでした。そしてリンゴジュース。美味しかったです。

かなちゃんとお喋りしつつもう数回練習して、最後におばさんにピアノを聞いてもらい、あまり遅くならないうちに、と4時前にはかなちゃんちを出た。


お父さんに電話もちょっと考えたけど、まだまだ明るいし、歩いて帰ることにします。

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