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光希の態度は開けっぴろげです。

では何故、早苗ちゃんと光希は付き合っていないのか。

単純に、光希が言葉で告白してないからです。


「え~、何で? 何でそこまでしておいて告白しないの?」

「ん~、何でだろ? ……あ、光希の高校卒業時にプロポーズ?」

「段階飛ばしすぎでしょう」


いやでも由紀乃ちゃん、光希ならありだと思う。

早苗ちゃんのお母さんにもしっかりがっちり会ってるし、早苗ちゃんの周囲の男子は私が追い払って (?)いるし。


「早苗ちゃんから告白しちゃえば?」

「というか、早苗は光希君のこと、どう思っているのよ?」

「へっぇ!?」

「この反応が全てです」


由紀乃ちゃんの問いかけに、ボンッと音がしそうなくらい真っ赤になった早苗ちゃん。アワアワしだしたよ。可愛い。

何も言わずに見守ろうか、と生暖かい目になりました。


「そーいえばー、今日皆と遊ぶって言ったら、長谷部君が凄く騒いでね?」

「あー、かなちゃんとクラスも一緒って言ってたね」

「二人揃うとか……先生可哀想…」

「晶子ちゃん? …まぁでも、今日は女子会だからって言っておいたんだけど~…」


かなちゃんはちら、と由紀乃ちゃんを見て、ちょっと悩んで、また口を開きました。


「由紀乃ちゃんさ、男子に告白されたって、風の噂できいたんですが…?」

「「えっ!?」」

「どんな風よそれ…」


かなちゃんのお友達のお兄さんが、由紀乃ちゃんと同じ高校で、今年の一年生に凄く綺麗な子がいると話題になっているそうです。

それで、お兄さんからの噂話を、同じ一年だから知ってる奴が居ないかって、お兄さんに聞かれたのだと、お友達が言っていたんだって。


「名前聞いたらさ、由紀乃ちゃんだったから、ビックリしたよー。で? 告白されたのは、マジですか?」

「嫌な風の噂ね…。確かに、付き合ってとは言われたけど、」

「え、マジで!?」

「それで!? どんな人だった?」

「返事は? もうしたの!?」


口々に問う私達に、由紀乃ちゃんがちょっとヒイタのが分かりました。というか、物理的に後ろに下がったよね、今。


「声が大きいわ。……断ったわよ、だって知らない人だし、入学してまだ二ヶ月くらいよ? それなのに、私の何を知って、何処を好きだなんて言うのよ?」

「何処をって……顔?」

「まぁ、確かに二ヶ月しか経ってないんじゃ、中身知らないよね~」


冷静な由紀乃ちゃんの言葉に、私達も頷く。

クラスも違ったらしいし、それだと性格分かんないよね。


「じゃあ由紀乃ちゃんには彼氏は居ないってことでいーんだよね」


かなちゃんが、よかった~。と呟きました。

多分、長谷部君にも噂が聞こえたんでしょう。かなちゃん、確かめて、とか言われてたんだろうなぁ。


その後は、まだ気が早い気もするけど、夏休みをどうしようか? とか、次に遊ぶときは亮くん達も呼ばないと拗ねるよね。とか、バイトをしてみたいとか勉強が解らないとか、ころころ話題が移っていく。

話は尽きません。

女三人寄れば……、って言うものね。四人もいるし。






「っと、ごめん……」


カフェを出て、お喋りしながら最寄り駅まで帰ってきたら、改札を出た所で携帯が鳴りました。

バイブにしてスカートのポケットに入れてたから、ビクッとしちゃった。


取り出して確認したら、亮くんからの電話です。

皆に言って通話ボタンを押す。


「もしもし、亮くん? どうしたの?」

『晶子、そろそろ帰ってくる頃かと思ったんだが』

「お~、凄いね亮くん。今改札出たところだよ~」

『分かった。三人も一緒だよな』


亮くんの勘凄いね。

何故か四人で駅前のコンビニにいろ。と言われました。


「私達も?」

「桑崎が晶子を迎えに来るのは想定内として、私達もって言うのがわからないわね」

「想定内って…まぁ自分でも来るだろうなとは思ってたけどさ」


由紀乃ちゃんの言い切りが酷いと思う。一人だったとしてもちゃんと帰れるわよ。

四人で首を傾げながらも、亮くんに言われた通りにコンビニで待つこと十分。

雑誌コーナーで立ち読みしていたら、ガラスを隔てた真正面に亮くんが来ました。

登場の仕方が漫画みたいだよ、亮くん。


「あ、亮くん」

「光希君?」

「長谷部まで…」

「あれ、もしかして私だけお迎えが無いっ!?」


かなちゃん、注目すべきはそこではないです。あと声が大きいよ。

とにかく、お迎えが来たのでコンビニを出ましょう。

わりと長居したので、飴と紅茶を買いました。皆もそれぞれ、ちょっとしたものを買いましたよ勿論。


「どうしたの? 光希と長谷部君まで」

「こいつが迎えに行くって五月蝿くてな。仕方ないから連れてきた」

「五月蝿くてって、ひでぇなっ! だって四人だけでなんて、危ないじゃねぇか」

「帰ってくるのは夕方だって言ってたから、そんなに心配することでもないと思うんだけどね。…恵太兄の気持ちも解らなくはないけどさ」


光希、解らなくはないって、私は分からないよ? まだまだ明るいし、人通りも多いし、どこら辺に心配する要素があるの?


「…まぁ、とりあえず、帰りましょうか?」

「そうだね、ほらかなちゃん、ここでお菓子開けないで」


早苗ちゃんに宥められながらも、コンビニで買ったばかりのお菓子を食べ始めるかなちゃん。

お菓子っていうか、ジャーキーだよね? それ、おつまみだよね?


「かな、仕舞いなさい。帰るわよ」

「はぁい」


あ、どうやらかなちゃんは由紀乃ちゃんと帰るみたいです。

いつの間にか由紀乃ちゃんとかなちゃんの荷物を長谷部君が纏めて持ってます。

私と早苗ちゃんの荷物は、コンビニを出た時に既に亮くんと光希に奪われてますが、何か?

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