表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/127

高校、入学です

高校で出会った、私の親友。

一年の半ばに図書室で、同じ本を取ろうとして手がぶつかった、ベタな物語みたいな出会い方でした。


親友は、漫画や小説、物語が大好きな子で、いつも何か読んでいるような子。

そのせいか、中学生の頃からオタクだと言われ、無視されたり仲間はずれにされていたそうです。


ーしょうちゃんが、初めての友達、かもー


笑いながら、でも少し淋しそうにそう言っていた親友。

小、中学は別の学校だったし、どこら辺に住んでいるかとか、聞いたことがなかったから、高校でやっと会えるのです。

直ぐにでも出会いたい。小説の話とか、語り合いたい。

`前´の時に親友に教えて貰った本は、だいたい買い揃えているのです。


……一年の時はクラス違うから、どうやって出会おうかなぁ。

半年待つとか、ちょっと長いよね。





「早苗ちゃん、しなちゃん!」

「「晶子ちゃん、こっちー!」」


入学式です。

正門で待ち合わせをしていたのですが、私が一番最後だったみたいですね。

二人とも、もう新入生が貰う造花を胸に付けています。

私も直ぐに受け付けに行って、造花を付けて貰い、クラス分けのプリントを貰いました。


「私のクラスは……確か、三組だったよね」


呟きながら、最初に三組の名簿に目を通せば、すぐに見つかりました。

こういう、ちょっとしたことは、便利だなって思っちゃう。


「しなちゃーん、早苗ちゃーん、なん組だった?」

「私は五組~」

「私は二組だったよ、晶子ちゃんは?」

「三組。バラバラになっちゃったね~」

「早苗ちゃんと晶子ちゃんは隣のクラスだから、まだいいよ~。五組って、地味に遠くない?」


しょんもりしたしなちゃん。

だけど、そういえば幼馴染みさんは? と聞いた瞬間、めっちゃ笑顔になりました。

どうやら同じクラスになれたようです。


「しなちゃん、幼馴染みいるんだね。名前は?」

「よーちゃん、遊木羊平ゆきようへいっていうの」

「早苗ちゃん、後で顔見に行こ」

「うん」


早苗ちゃんとニヤリと笑いあって、写真を撮りまくって、それぞれの教室に向かいます。

式が終わったら、五組へ行きますよ。


さて、教室にはまだ半数くらいしか人がいません。

黒板に席順が書いてあるので、とりあえず荷物を置きましょう。そして友達作りしなくちゃね。


「窓際のまん中だね」


うん。朝日が眩しいんだよね、ここら辺の席。

まだなにも入ってない鞄を机の横に掛けて座る。

机の上にはプリントだとか、生徒手帳、名札なんかが置いてあります。

一応名前を確認しましたよ。人の席に座っちゃったらダメですからね。


プリントに目を通していれば、徐々に生徒も増えて、隣や前後にも人が来たようです。

顔を上げたら丁度目があったので、そのまま自己紹介してお喋りです。

初日から友達ができました。これでボッチ回避です。


形式的な入学式をして、教室で自己紹介やら一年の行事についてや委員会や部活についての話を聞いて、初日は終わりです。

どうやら、携帯電話は持ってきても良いようです。

ただし、校内では基本使用禁止。授業中だけじゃなく、休憩時間もダメらしいです。

放課後や、帰り道なんかに、親に迎えに来て貰うとかで使うのはオッケーって感じらしい。

ぼやかし気味なのは、察しろって事ですね、解ります。


「晶子ちゃん、行くよ~」

「あ、はーい! 待って~」


今日は解散ってことで、先生が出ていってしばらくすると、早苗ちゃんが急いだ感じで私を呼びに来ました。

そんなに`よーちゃん´が見たいのかい?


早苗ちゃんと一緒に五組へ行き、開いてた扉から中を覗きます。

しなちゃんは、真ん中の席に居ますね。

あ、あれかな?

しなちゃんとお喋りしてる男の子が一人います。

後ろ姿しか判りませんね。声を掛けるしか無いみたい。


「しなちゃ~ん」

「ん? あ、晶子ちゃん、早苗ちゃん!」


軽く呼べばすぐに気付いてくれました。

しなちゃんは鞄を持って私達のところへ来てくれました。

あ、男の子もついてきた。


「椎奈、友達か?」

「うん。話したことあるでしょ? 神代晶子ちゃんと、高柳早苗ちゃん。二人とも、こっちがよーちゃんです」

「よーちゃん言うな。遊木羊平だ、ヨロシク」

「「よろしくね」」


遊木君は、見た目がかなり…その…、怖いッス。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ