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中学生も、終わりです

さて、あっという間に、卒業式です!

受験の話? 楽しくないし特に何もなく終わったので割愛です。

ただ、やっぱり受験後に高校の校門に光希と亮くんが待ってました。

早苗ちゃんと、思わず脱力しました。一気に受験の緊張感が霧散したわぁ。


亮くんは、予想通りというか、宣言通りというか、バッチリしっかり推薦取ってました。いつの間にか。

だって一言も教えてくれなかったのよ? 勉強に支障が出ると困るからって言ってたけどね。


あ、勿論皆も受かりました。

私と早苗ちゃん、由紀乃ちゃんもかなちゃんも、長谷部君も第一志望に受かったため、遠慮なく笑って卒業です。


「晶子ちゃーんっ写真撮ろ~」

「良いよ~」


クラスの子達と、教室や廊下で色々な写真を撮り合います。

しなちゃんが不思議なポーズを披露しているのは…スルーの方向で。


そういえば、長谷部君は結局、サッカーの強豪ではなく、サッカー部で仲が良かった先輩のいる高校にしたそうです。

……かなちゃんと一緒の高校なんだよね。二人でおバカな騒ぎ起こさなきゃいいけど…。


「神代さん、ちょっと、いいかなぁ?」

「うん? 水沢君?」


クラスの子達と一通り写真を撮って、かなちゃん達や由紀乃ちゃんのクラスに行こうと廊下に出たら、水沢君に声を掛けられました。

二年の時のクラスメイトです。そんなに話したことは無いんだけど、何かあったかしら?


「あの、ちょっと場所変えない?」

「? あ、じゃあちょっと亮くんに言って、」

「待って!」

「っ! …どうしたの?」


亮くんには由紀乃ちゃん達のとこに行くとしか言ってなかったから、と教室に戻ろうとしたら、腕を掴まれて止められました。

転けそうになったよ、ビックリした。

水沢君を見れば、なんか焦ってる? どうしたんだろう?

視線をうろうろさせたり、口をぱくぱくさせたりしてるけど、何も言ってくれません。

とりあえず、掴んだ腕を離して欲しいなぁ。ちょっと力入ってるよ、少し痛いです。


「あ、しょー…っ!」

「あ、」


どうしようか。と考えていたら、かなちゃんと早苗ちゃんがデジカメ持ってやって来ました。

かなちゃんが私の名前を呼びながら、何かに気づいたように目を見開きました。

早苗ちゃんも目がまんまるになってるよ。ちょっと可愛い。

あ、二人してにやって笑って、うちのクラスに入っていった。


「……………」

「…………………」


何かかなちゃん達が話してるのは判るんだけど、ざわざわしてるし、ガラス窓とはいえ一枚挟んでるから、よく聞こえないですね。

というか、二人はきっと写真撮りに来たんだよね?

私も一緒に撮りたいから、そろそろ行きたいんだけど、水沢君? 話があるならちゃちゃっとしようよ。


「水沢君? とりあえず腕、」

「好きです!」


腕を離して。と言おうとしたら、遮られて叫ばれました。


「……へ、?」


……うん。我ながら間抜けな声が出ましたね。

スキデス? ナニガ?

んん? 私の聞き間違い…でも無さそうだね。


顔を真っ赤にしてる水沢君とか、廊下で叫ばれたから人がいっぱいいるとか、何か男子がヒューヒュー囃し立ててるとか、色々言いたいことはあるけどね。


「…とりあえず水沢君、腕離してくれない?」


叫んだからなのか、めっちゃ握りしめてるから。私の腕、ギリギリいってるから。


「神代さんが、好きなんだ。俺と付き合ってくれないか?」

「いや、水沢君? 聞いてる?」

「神代さん…」


ちょ、人の話聞こうよ。

いや、私も水沢君の言ってることに答えてはないんだけどね?

だって腕痛い。

何かジリジリ近寄ってくるんだけど。目が怖いよ?

そして腕を離しておくれ。マジ痛くなってきた。力入れすぎだよ。


「ぇ、っと……り、亮くんっ!」

「離せ」


近寄られて、後退ろうとしたけど、がっちり腕捕まれてるから動けない。

困った時の。ではないけど、亮くんを呼んだ私は悪くないと思う。


そして一瞬で水沢君から離され、亮くんの腕の中にいる私。

色々ビックリしたからか、亮くんの腕に囲まれたこの状態が安心します。


「桑崎…何だよ」

「告白するくらいなら、邪魔をする気はなかったが、晶子が痛がっていた」

「っ、だけどお前は関係ないだろ」

「晶子が俺を呼んだのが聴こえなかったのか? ずいぶん耳が悪いんだな」


おお? 何か険悪なムードですね。

って、私のせいですね。


「えーっと、亮くん亮くん。ちょっと良い?」

「どうした、晶子」


がっちり抱き締められたような格好で、亮くんの胸元しか見えなかったので、亮くんに声を掛けてモゾモゾと腕の中で体勢を変えます。

よし、水沢君に向き合うように向きを変えて……うん、後ろから抱き締められてる格好に変わりました。

……まぁ、いいや。いつものことだし。


「えー、水沢君? 好きっていってくれたのは、ありがとう。嬉しいわ。でも、ごめんなさい」

「っ、……わかった。ごめん」


水沢君は一言だけ言うと、俯いたまま行ってしまいました。

別に水沢君が嫌いとかではないけどね。付き合えるほど、水沢君のこと知らないし。

水沢君と個人的なお喋りとかしたことないよ? 授業のこととか、文化祭のこととか、ちょっと事務連絡をしたくらいです。

なので、好きと言われても、困ります。


「晶子ちゃんモテモテですなぁ」

「かなちゃん……わざとでしょ」

「えー、何がぁ?」


かなちゃんがにやにやしながらやって来た。

その顔は確信犯でしょ。水沢君がなに言うか分かってて、亮くんを引き留めたんでしょ。

おかしいと思ったんだよ、何時もなら、私がちょっとでも痛がってたり嫌がってたりしたらすぐに止めに入るはずなのに、呼ぶまで声すら聞こえなかったもの。


ジトッとかなちゃんを見て言えば、ちょっとばつが悪そうな顔で苦笑されました。


「いや~、だって卒業式だもん。最後くらいはチャンスあげないと、可哀想じゃない?」

「だからって……どうするのよ、コレ」


かなちゃんが来て、野次馬さん達が解散した後、そして廊下の隅に寄って話している今現在も、亮くんは私を抱き締めたままの体勢のままです。

しかも、無言。後ろにいるので表情が判らないから、無言って余計怖い。どんな感情でいるのか、判らないから怖い。


いつも無表情だから見ても変わらないって?

小一から一緒にいるんだもん、表情くらい判るわよ。

私と光希は、亮くんの表情を百パー読めます。由紀乃ちゃんは八割、かなちゃんと早苗ちゃん、長谷部君は六割くらいかな?


「亮くん、とりあえずもうすぐ式始まるし、かなちゃん達とも写真撮ろう? って、早苗ちゃん? この体勢は撮らなくて良くない?」

「記念だからっ!」


早苗ちゃん、静かだと思ったら……。

今の騒動 (?)を一部始終撮っていたらしい。どや顔しない! 胸を張らない!


しばらく騒いだあと、由紀乃ちゃんと長谷部君も来たので、皆で写真を撮りました。

晶子の恋愛観もろもろは、小学生時代にチラリと書きましたが、高校に入ってから、改めてがっつり書く…予定…です。

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