ピアノを始めました
日常編が長くなっていく…
どうやってキリをつけたらいいの?
小一では桑崎くんと光希が交流を深め、桑崎くんの両親とも面識を持ち、家族ぐるみで仲良くなりました。
ところで、私はいつからピアノを習い始めたんだろうか? と思っていたら、二年生に上がった春にかなちゃんに誘われました。
由紀乃ちゃんは別の習い事を始めちゃったらしく、習い事の日が被っていて断念。
光希が死んでしまう悪夢は相変わらず。でも、大体の日にちを絞り込めてきた。
まぁ、凄く嫌な気分なんだけどね。なんで弟が死んでる場面を見続けなくちゃいけないんだ。
一度、精神的にキツくなりすぎて鬱々としていた時があった。
その時に、桑崎くんが気付いてくれてなんとか持ち直したけど、あのままなら私は壊れていたんでしょうね。
詳しくは言わないよ? 今思い返すともんどり打つほど恥ずかしいの。
「晶子ちゃん、いっしょに帰ろう?」
「いいよ~。帰ろっ」
ランドセルを背負ってかなちゃんと歩き出す。
今日の授業のこととか、テレビのこと、ピアノ教室のことなんかをお喋りしながら歩いていれば、すぐに分かれ道になってしまう。
「かなちゃん、土曜日ひま? 一緒にピアノの練習しよ?」
「じゃあうちにおいでよ。お母さんに言っておくね」
「うん。じゃあお昼ご飯食べたら行くね~」
今練習してる課題曲がちょっと難しくて、一度誰かに見て(聞いて? )貰いたいからと約束を取り付ければ、笑ってオッケーをだしてくれた。
かなちゃん優しい。
手を振って別れ、家までちょっと急ぎ足。忘れないうちにお母さんに言っておかないと。
「ただいま~。お母さぁん!」
玄関の鍵を開けて声を張れば、奥からパタパタとスリッパの音がする。
掃除中だったかな? お母さんは手を拭きながら出てきた。
「おかえり、晶子。おやつあるわよ」
「うん、食べる~! あのね、土曜日にかなちゃんち行ってもいい? ピアノの練習したいの」
「土曜日ね、良いわよ。お父さんに聞いて、車で送ってもらいなさいな」
リビングに入ってランドセルをソファの横に置いておいて、手を洗う。
ランドセルは後で片付けるよ。おやつが先です。
土曜日はお父さんに一度聞いてみて、ダメなら歩いて行きます。
自転車? まだ買ってもらってません。乗れそうな気はするけど、身長的に足がつかなそうだなぁ。
「そういえば、光希は?」
おやつのプリンをウマウマと頬張りつつふと気がついて聞けば、幼稚園のお友達のところに遊びに行ってると返事が来た。
帰りもあちらの親が送ってくれるみたい。
光希も友達増えたのよね。最近お姉ちゃんと遊んでくれる頻度が減ってるわ。
プリンを完食してジュースを飲み干し、早速ピアノの練習を始めようと思います。あんまり下手な演奏はかなちゃんに聞かせられませんよ。
お母さんに聞いてもらいつつ練習したけれど、やっぱり躓く場所がある。
ぐぬぬ…あとちょっとで弾けそうな気はするんだけど……くやしい。
必死に弾いてたら、いつの間にか帰ってきていた光希に同じ曲つまらない、と言われ、帰ってきたお父さんと二人で他の曲をリクエストされた。
弾きましたよ、もちろん。
光希はねこふんじゃったが気に入ったらしいです。