表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

終章 親愛なる君へ


 これで僕のお話はおしまいだ。

 どうだった?

 うん、もちろんおじさんは僕のせいで死んだってわけじゃないよ。

 それでもね、たまに思っちゃうんだ。

 僕が帰ってきたから、おじさんが死んだんじゃないかってね。

 まあ、そんな昔のことはいいんだよ。

 あれからかい?

 いいや、アンくんにも、アマさんにも、パティにも、カラス君にも、当然ジョニーさんにもあの男の子と女の子にも会ってはいないよ。

 アンちゃんは、家族に認められたかもしれないし、認められなかったかもしれない。

 アマさんも、合唱大会で、大切な仲間たちと優勝できたかもしれないし、できなかったかもしれない。

 パティも、あれからも女の人に閉じ込められて暮らしているかもしれないし、逃げてどこかで暮らしているかもしれない。

 カラス君も、あれからもみんなに優しくしているかもしれないし、もしかしたら、一匹でどこかに行ってしまったかもしれない。

 ジョニーさんも、あれから海で誰かに道案内をしているかもしれないし、もしかしたら寿命で死んでしまったかもしれない。

 男の子と女の子も、あれからも仲良くしているかもしれないし、お互い離れ離れになってしまったかもしれない。

 でもいいんだよ。

 僕が、みんなに会えた事そのものに、意味があったんだから。

 そりゃね、女の子が始まりだったさ。だからって女の子との出会いだけでよかったってわけじゃないんだ。

 誰か一人でも、一匹でも、一羽でも欠けていたら、僕は答えを見つけられなかったかもしれないからね。

 誰か一人のおかげなんて言うのは、他のものを否定しているみたいで、好きじゃないんだ。

 だから、君に出会えたのも、大切な要素なんだよ。

 心残り?

 やっぱり、おじさんに伝えられなかった事かな。それが理由だったからね、あの頃は。

 前置きが長くなったね。

 実はこの話をしだしたのは、卵を温めている君の気を紛らわすためだけじゃないんだ。

 君にあることを伝えるためだったんだ。

 え?今卵が動いたって?

 なら急いで伝えなきゃね。子供たちが生まれる前に君に伝えとかなきゃいけないんだ。

 それが、僕が答えを見つけた意味かも知れないからね。

 恥ずかしいけど、言うね。

 心して聞いてくれよ。

 えっとね





































 




















「      」





















































おしまい


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ