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きらきらの指輪とおばあちゃんのおくりもの

作者: ひとひら
掲載日:2025/12/29

りこは小学三年生の女の子です。

去年の冬、大好きなおばあちゃんが天国へ行ってしまいました。

りこは今でも、おばあちゃんのことを思い出すと胸がきゅっと痛くなります。


ある日、お母さんがりこに小さな箱を渡しました。


「おばあちゃんが、りこに渡してほしいって言っていたのよ」


箱を開けると、中には小さな指輪が入っていました。

銀色の指輪に、透明な石がひとつ付いています。


「これ、ダイヤモンドじゃないのよ。ただのガラス玉なの」


お母さんは優しく笑いました。


「おばあちゃんが子どもの頃、川で拾った石なんですって。それを大事にとっておいて、大人になってから指輪にしてもらったの」


りこは指輪を窓際に持っていきました。

冬の光が指輪に当たると、きらきらと虹色に輝きました。


その夜、りこは不思議な夢を見ました。

小さな女の子が川で何かを見つけて、嬉しそうに笑っています。

女の子は石を拾い上げて、太陽にかざしました。石がきらきらと光ります。


「わあ、きれい!」


女の子の声が聞こえました。

その子は、子どもの頃のおばあちゃんでした。


朝、目が覚めたりこは、指輪をもう一度見つめました。

おばあちゃんも子どもの頃、りこと同じように「きらきら」が好きだったんだ。

そう思うと、なんだか嬉しくなりました。


りこは学校へ行く前に、指輪をそっとポケットに入れました。


重いランドセルを背負って玄関を出ると、雪がちらちら降り始めていました。


学校への道で、りこは転んでしまった小さな男の子を見つけました。

男の子は泣いていて、膝から血が出ています。


「大丈夫?」


りこは男の子を起こして、ハンカチで膝をそっと拭いてあげました。


「ありがとう」


男の子は涙を拭いて、にっこり笑いました。

その笑顔が、朝日に照らされてきらきらしているように見えました。

りこはポケットの中の指輪に触れました。

指輪が温かく感じます。

その時、りこにはわかりました。


おばあちゃんがこの指輪を大切にしていたのは、石がきれいだからだけじゃない。

子どもの頃の嬉しかった気持ちや、誰かに優しくしたい気持ちを忘れないようにするためだったんだ、と。  


教室に着くと、窓から冬の太陽が差し込んでいました。

りこは机の引き出しに指輪をそっとしまいました。 

もう、おばあちゃんに会うことはできません。

でも、おばあちゃんの優しい心は、この指輪と一緒にりこのそばにあります。


それからりこは、誰かを笑顔にできる人になろうと思いました。

おばあちゃんみたいに。


放課後、また雪が降り始めました。

白い雪が校庭をきらきらと光らせています。

りこは指輪をもう一度手に取りました。

ただのガラス玉だけど、世界中のどんな宝石よりも大切な宝物です。 


「おばあちゃん、ありがとう」


りこは小さく呟きました。

冬の風が優しく頬を撫でて、まるでおばあちゃんが「がんばってね」と言ってくれているようでした。

指輪はりこの手の中で、きらきらと光り続けていました。


おわり

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― 新着の感想 ―
素晴らしい作品をありがとうございます! 読んでいる最中に精神力が回復する感覚は久々でした
自分の経験から、おばあちゃんの気持ちに気づけたりこちゃん。 きっと、おばあちゃんのような素敵な女性に成長していくんだろうなと思いました☺️
短い作品なのに、ぽっと温かな明かりを貰ったような、そんなお話でした。 大事に石をとっておいて、それを指輪にした若い頃のおばあちゃんも、そして、りこちゃんにその指輪をあげたいと思った歳をとった後のおばあ…
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