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◎新発声法の五大原則

 この新発声法…もといユージー法を習得するにあたり、抑えておかねばならない点が五点存在します。これらは男声を出すにあたって基本的な要点ともなりますので、習得前にしっかりと把握しておくと良いでしょう。それが…


①全身の脱力

②鼻と口と喉の空間を最大限広げる

③強くて短い息

④仮声帯を振動させる

⑤適度な水分補給


 …となります。

 また大前提として、ユージー法は「地声」→「風邪声(ガラガラ声)」→「男声(ダンディ声)」とアプローチして行きます。ユージー法に則った方法で男声を習得する為には、事前に「風邪声」を挟むのを原則としておりますので、それを踏まえた上で下を見ていただければと思います。


※余談、態々間に風邪声を挟む理由について。

 実はこの「風邪声」は「低音域の開発に必要不可欠な「仮声帯」のみを震わせて出す音」に該当し、体感男声を出すのに必要なポイントを全て押さえた状態で出せる「音」になります(これをある方法で意図的に「声」に変換すると「ダンディ声」になります)。極端な話「風邪声」を習得するだけで、男声を出すためのノウハウやコツを粗方習得したと言っても過言ではないと思われる代物です。

 そして一見遠回りに見えるとは思いますが、多分直接「声」を出そうとするよりも何倍も簡単に習得に至れる可能性が高いです。また一度この「音」を出せるようになっておく事でより男声に関心を持った上で練習が出来る他、仮声帯を振るわせるコツをいち早くつかむ事が出来、最終的にこの風邪声を出せるようになっておくだけで男声そのものに安定性が増すとも思われます。無論、風邪声を介さずとも男声が出せないと言う事はありません。しかし男声を安定させる為にも、コツを掴むためにも、私は風邪声を事前に習得しておく事をオススメしています。



①全身の脱力

……これが出来て居ないと、そもそも風邪声を出す事が出来ません。

 力みは風邪声を出すのに最も邪魔になる要素の一つと言えます。しっかりと肩の力を抜いた状態で、リラックスして習得に臨むようにしましょう(とは言えやはり局所に力を入れる必要はあるので、完全に全身の力を全て抜くという訳には行きません。しかし習得前の段階でこれを意識する必要はありません、全身の脱力だけ意識して臨んで下さい)。


②鼻と口と喉の空間を最大限広げる

……これが出来て居ないと、そもそも声が低くなりません。

 これまでの男声アプローチでは「喉を下げる」、「胸で声を響かせる」等の理論が飛び交っていましたが(無論間違ってはいません)、ここに関しては正直な所、私の中では「口内及びその周辺の空間をなるだけ広くとる」と言うイメージだけで構わないと思っています。その際に「鼻と口と喉の三箇所の空間を等しく広くとる」感覚で居るのですが、これを脱力した状態で体現出来るかどうかが運命の分かれ道となります(こう脅してこそいますが、コツさえ掴めば然程難しくない筈です)。後はこれに加えて①③④の三要素を押さえてさえ居れば、難しく考えずとも男声習得に行き着くことは可能だと思っています。

 しかしこれに関しては、やはり他の三要素と比べてみても一番体現するのが難しい項目であると言えるでしょう。第一イメージがイマイチ湧きづらいかもしれません。後程アプローチ方法を記述しますが、その通りにやってさえ頂ければ意識せずとも自然とこれを体現出来るようになりますので、あまり深く考えること無く、気楽に習得に臨んで頂ければと思います。

 ちなみに私のイメージでは「口腔内を立方体に捉え、鼻腔から下方向に向かって空間を押し広げる、或いは落とし広げる」ようにしています。腔内の左右は壁があって広がりませんし、前後は息の通り道な為そもそも押し引きが出来ない。故に上下いずれかの方向に広げるわけですが、地球には重力がありますから上に向かって押し広げるよりも、下にストンと落とす方がより脱力して口腔内の空間を広く確保する事が出来ます。少しばかり力を入れる箇所もありはしますが、やはり脱力がキーワードですね。これ大事、テストに出ます。

※なお、ナチュボを出す際には話が少々変わってきます。飽くまでもここでは「風邪声」の習得について重要な項目となるので、「ダンディ声」以降については後述をご覧ください。


③強くて短い息

……これが無いと、そもそも「音」が上手く鳴りません。

 これは一応、「風邪声」に限った話です(男声を出す場合は太くて長い息を意識する事になります)。

 風邪声は体感地声とは全く別のメカニズムで出している「音」であり、一回の息で長い時間出し続ける事はそもそも不可能だったりします(私の場合、持って一秒)。この音をしっかりと出す為には「ハッ!ハッ!」と言うような「豊富且つ強い息」が欠かせないので、躊躇せず「強くて短い息」と言うものを心掛けるようにして下さい。

 そして態々風邪声を挟む理由にも繋がるのですが、男声は女性が普段使わないような身体の部位を用いた呼吸方法(俗に言う腹式呼吸?)を用いる必要があります。普段から使い慣れていないであろう出し方をするにあたってその呼吸方法の練習に風邪声が最適であり、この強くて短い息で音を鳴らし続ける事によって呼吸の感覚を掴める他、同時に男声を出すのに必要な局所の筋肉を鍛える事ができます。風邪声を出しながらここをしっかりと鍛えておく事で男声の出しやすさが格段に上がるので、やはりこの風邪声に関しては端折る事無く習得しておくのが最善だと思われます。

 尚、息遣いが風邪声と男声で異なる旨を先述しましたが、この息遣いについては習得の過程の中で自然と移り変わるものなので、あまり気にしなくても構わないと思います。


④仮声帯を振動させる

……これが風邪声における根幹となるポイントです。

 口述しますが、チェストボイス異常に低音域を広げるのに欠かせないのが「仮声帯の振動」になります。これは声帯の上部に位置する粘膜のひだで、普段の発生時に振動する事は無い部位になります。正式名称は余剰声帯よじょうせいたいとも呼ばれるようで、主に「発声時の空気の量を調整する」、「喉の保護」、「腹圧上昇」などの役割があるようです。

 理論としては、この「仮声帯の振動」と「声帯の振動」を上手くミックスする事で低音域を拡張させる事が出来ます。その方法の一つにカルグラと言う特殊な発声法がありますが、男声はこれとは違った方法で発声を行う事で実践できる訳ですね。

 ユージー法の習得以前に仮声帯の振動を体験した事のある人は多くないと思いますし、その振動のさせ方もコツを掴むまでは難しいと思われます。いきなり「声帯の振動とミックス?」なんて言われても大半の人がちんぷんかんぷんになっている事でしょう。しかし仮声帯だけを振動させる技術?である風邪声をいち早く習得しておけば、それも解消される事と思います。

 ここでは一度難しい話は無しにして、感覚的に風邪声を習得しておくと良いでしょう。それに慣れさえすれば後はどうにでもなります。何れ理論的な理解が必要になる時は来ると思われますが、それはその時に学習するでいいと思うんです。何せ風邪声を習得するのにやり方さえ知っておけば、その段階では理論的な理解は必要ない訳ですからね。


⑤適度な水分補給

……これをしないと音が掠れて綺麗に出なくなります(一度に大量の息を吐く為、喉の乾きにはくれぐれも要注意)。

 別にこの発生方法に限った話ではありませんが、喉は乾燥に非常に弱い器官です。今回紹介する方法は「発声法」なので必要以上に喉を痛めると言う事はありませんが、それでも何処かしらには、声を出すのと同じ位の負担はかけるものだと思っておいた方が宜しいと思います。そしてこのユージー法の練習をする際にも、こまめな水分補給は欠かさないように気を付けてください。

 私も喉を強く鳴らし過ぎると、喉付近が痒くなる感覚があります。出している音の割には軽い負担ですが、全くのゼロと言うわけにはいかないので悪しからず。何事も無理は禁物なのです。

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