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オネェと……シリーズ サシ版  作者: E縞パンだ
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居酒屋編

オネェと…… シリーズ


第一話 オネェの友達に介抱される


登場人物 上演時間5〜10分程度


男 台詞数24 過去に色々とありファッションとしてオネェ口調で喋る。女にベタ惚れだが奥手な為数年片想いしたままだったが、勢いで色々言ってしまう。女は酔うと結構忘れる為、まぁ大丈夫だろうとたかをくくっている。


女 台詞数24 所謂出来る女な為、元彼はそういう所に引け目を感じ浮気に至った様だがカスである事に違いはなし。

 結構鈍感で男からの気持ちには気付いていなかった。普段は酔うと大体記憶が飛ぶタイプなのだが、今日は一旦寝た事もありはっきりと記憶に残っていたりする。

 


男「ねぇ、ねぇちょっと大丈夫? 大分うなされてたみたいだけど」


女「うん? うぅ〜ん? 何がぁ? だいじょび、だいじょび〜」


男「あっそ、なら早く起きてくれないかしら。こちとらあんたの為に酒も飲まずに二時間ずっと待ってたんだから」


女「えぇ〜、なんで〜?飲めば良かったのに〜。あれ、てか他の皆は? もしかしてわざわざ一人で待ってたの? 置いてってくれて良かったのに〜」


男「はぁ!? このあたしが甲斐甲斐しく待ってあげたってのに出てくる言葉がそれ!? はぁ……、本当に置いてってやろうかしら」


女「うそうそ、ごめん、待っててくれてありがとう〜!」


男「はいはい、知ってるわよ。本心じゃ無いくらい。で、どうなの、まだ暫く動けそうに無いの?」


女「う〜んちょっちまだ頭ぐわんぐわんするけど、まぁだいじょぶ〜」


男「頭ぐわんぐわんて……どうしてこの娘はそんなになるまで飲んじゃうのかしらねぇ……」


女「ふっふっふ、それはねぇ、こんなになるまで飲めちゃう美味しいお酒が悪いのです〜」


男「お酒が美味しいのが悪いって……。心配して損した。じゃあもうそのまま酒に溺れてなさいな」


女「後ねぇ……。いや、なんでもない」


男「ん? 後何よ? 言わなきゃわかんないでしょ」


女「いやぁ〜それがその、ねぇ? ……実は彼氏と別れまして」


男「別れたの!? あんなに仲良くしてたじゃない、一体何があったのよ」


女「……浮気。勿論相手がね」


(男口調でドスを効かせて)

男「はぁ!? 浮気!? こんな可愛い娘差し置いて浮気たぁ良い度胸してんなぁおい、あの野郎。今度あったらただじゃ済まさねぇぞ……!」


女「ちょいちょいちょい、なんか不穏な言葉が聞こえるって! 口調も! 戻ってるよ!」


男「あぁ、ごめんなさい、ついポロッと本音が、ね?」


女「久し振りにキミがそんなキレてるとこみたよ。まぁ、ありがとね。私なんかの為にそんな怒ってくれて」


男「あんたの事だからこんなに怒ってるのよ、なんかとか言わない! しっかし今日は妙にペース早いと思ったらそういう事だったのね……。ごめんなさいね、気付いてあげられなくて」


女「いやいや、キミが謝ることなんて何にも無いって! ……ごめんね、ついつい飛ばしちゃった」


男「因みにいつ別れたの?」


女「昨日、正にこれくらいの時間……」


男「昨日!? あぁ、でもそれならこうなるのも納得がいくわ。でもそういう事なら無碍にするわけにもいかないわねぇ。……いいわ、あんたの気の済むまで今日は付き合うわよ」


女「うぇ〜ん、ありがと〜! あたしの愚痴に付き合ってくれるのはキミぐらいだよぉ〜!」


男「にしても本当に見る目の無い男ねぇ。あんたみたいないい娘そうそういないわよぉ?」


女「お、おぉ。そう? じゃあ具体的には? 具体的にはどんなとこがいいとこ〜?」


男「具体的にはって……。はぁ……、うん。じゃあ言ってやろうじゃないの。耳の穴かっぽじってよぉく聞きなさいよ」


女「お、おぉ。か、かかってこい!」


男「先ず、気配り上手。上下関係なく浮いてる人がいればすぐそこに行って話題を振ってあげる。でもそれを望んでない相手なら決して無理に話題には引っ張り出さない。そこら辺の塩梅というか、空気の読み方上手いわよねぇ。

それから料理上手、前に家にお邪魔した時御馳走してもらったあれ、凄く美味しかったわー。また食べたいから作ってよ」


女「えー、お店で食べた方がもっと美味しいよ〜」


男「……やーよ、あたしはあんたの作った料理が食べたいの」


女「お、おぉ……」


男「それに家にお邪魔した時思ったけどあんた綺麗好きよねー。バリバリのキャリアウーマンでガッツリ働いてるのに、家事も完璧にこなして、その上浮気したくs……ゴホン。元カレの家にもちょこちょこ通って家事とかしてあげてたんでしょう?」


女「ま、まぁ。頼まれたし、家事嫌いじゃ無いしね」


(ボソッと呟くように怒り心頭で)

男「だのにそれを差し置いて他の女に現を抜かすなんざ男の風上にもおけねぇな……マジで覚悟しとけよ……」


女「え、なに?」


男「え、あぁ、何でも無いわよ。そう、それからあんたの良い所ね。気風が良くて誰とでも仲良くなれるし、悪い事にはちゃんと駄目だって言える。気にして無い風に見せかけてるけど、人一倍美容に気を使ってるのも女の子らしくて可愛いじゃない。趣味も色々あって良いわよねぇ、色んな事に興味が持ててその上それを実行に移す行動力。あたしにも少し分けて欲しいもんだわ。それから……あら、どうしたの顔真っ赤にして。さっきより赤くなってなぁい? ほら、お水飲みなさい」


女「な、なんでもない……。う、うん」


男「ねぇ、今日はここらでお開きにしましょ。少しは酔いも覚めたでしょ?」


女「ちょ、ちょっとは……。ね、ねぇ今ので良いとこ全部?」


男「え? 今ので全部かって? まぁ言おうと思えばまだまだ沢山あるけど、取り敢えず今日はもう良いじゃない?

 次の機会に幾らでも言ってあげるわよ」


女「お、おぉそっか……。じゃあまあ、うん……」


男「あ、そうそう。一番大事な事言うの忘れてたわ。あたし好みですっごく可愛い。

 もっと近くでもっと色んな事を知りたくなっちゃう」


女「え!? はぁ!? えぇ!?」


男「……なんてね、さ、お会計済ませてさっさと帰るわよ。

 あらやだもうこんな時間じゃない、早く寝ないと美容の敵だわ〜。

 あたし先にお会計してくるから、あんたはその水飲んで、ゆっくり来るのよ。急がなくて良いからね」


女「え、あ、あぁ、うん。わかった。お願い。……え、ちょっと待ってあたし今なんて言われた? え? ちょいちょちょい待って待って待って、あー駄目だ頭回んない…………!!」


男「(小声で)フフッ、あたしにもようやくチャンスが巡って来たかしら? あ、店員さーん。はいコレ、お会計お願いします。……はい、はい、ご馳走様でした。あ、後から女の子が一人来ますけど連れなんで通してあげてくださいね」


 店の外に出て、深呼吸する。

男「んぅ〜、良い空気! さーて、あたしも頑張るわよぉ〜!」

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