本編4【フードを被った集団】
パレットは、ダークリアでゼルスと平和な日々を過ごしていた。そんな幸せな日々もある出来事によって崩れ去ろうとしていた。パレットがいたダークリアにある集団が向かっていた。パレットは、そんな事を知らずに自分の部屋で過ごしていると外がいつもとは違う雰囲気に包まれていた。外から悲鳴が聞こえてきた。パレットは、その悲鳴を聞いて部屋で震えながら隠れていた。隠れてしばらくして部屋の扉が開いて扉の方を見るとゼルスが心配になったのか来てくれた。ゼルスが、自分がいた部屋に来てから一緒に外で起こっている何かが収まるまでいたその時、何者かの足音が部屋まで近づいていた。近づいていた足音が部屋の扉の前で止まった。そしてそれと同時に部屋の扉がバタンと開いてフードを被った集団が部屋の中に入ってきた。フードを被った集団は、パレットとゼルスを見て何かを確信したのかパレットの方に向かってきて手を掴み連れて行こうとしていた。パレットは、向かってきたフードを被った集団から逃れようと振り払おうとしたが、全く振り払う事が出来なかった。パレットは、フードを被った集団によって連れて行かれそうになっていた。ゼルスは、そのパレットを掴んでいた手を振り解こうと動いたが、ゼルスの力では振り解く事は出来ずパレットはダークリアから連れ去られた。
パレットが連れ去られる少し前、集落の長老からパレット達を監視していた集団は、魔王城に入って行く怪しい集団を見つけていた。何かの不安に駆られた集落の集団は、魔王城の異変を集落に伝える為に一人の人間を集落へと向かわせた。そして残りの人間で怪しい集団が入った魔王城の内部へと入っていった。魔王城の内部に入ると奥からパレットを連れた怪しい集団が向かってきていた。集落の集団は、向かって来る怪しい集団の何かに震えだした。そして咄嗟に物影に隠れて様子を見ていたが、その怪しい集団はパレットを連れてその場を去って行った。それから震えを抑えた後怪しい集団の後を追ったが追いつく事が出来なかった。
それからしばらくして、魔王城の異変を集落に伝えに行った人間は、集落の長老の元に辿り着いていた。長老は、その事実を知ると集落の人間に魔王城に向かうように指示をした。魔王城に向かうように長老から指示をされた集落の人間の足取りは、かなり急いで魔王城に向かっていた。集落の人間が魔王城に着いたのはパレットが連れ去られてから二日以上経っていた。集落の人間は、パレットを監視していた人間に会って話を聞いた。集落の人間は、話を聞いてパレットがもう魔王城にいない事がわかっていたが、魔王城の中へと入って行った。魔王城の中に集落の人間が入って最初に向かったのは、パレットを託したあの魔族の人間が今どうなっているのか?を確認する為にその人間を探していった。魔王城は、パレットを連れて行った人間達によって少し壊されていた。魔王城の奥に行くと、あの時パレットを託した魔族の人間が倒れ込んでいた。その人間に近づいて見てみると怪我とかはしていないものの意識を失っていた。集落の人間は、その事を確認すると魔王城を後にして二手に分かれてパレットを探す人間と集落の長老に報告しに行く人間に分けて行動していった。集落の長老に報告しに行く人間は、来た道を引き返して集落へと向かった。パレットを探す人間は、魔王城からパレットを連れ去っていった集団の情報を集める為に、魔王城の周りの場所に散らばって情報を集めようとした。だがパレットと連れ去った人間達の情報は入ってくる事はなかった。
一方その頃、フードを被った怪しい集団に連れて去られたパレットは、何日も何日も歩かされて足が棒のようになって疲れ始めていた。疲れ始めていたパレットは、さらに険しい山道を登らされていく。何処に連れて行かれるのか分からない状況になってもゼルスの事を思い続けていた。その状態から逃げ出そうにも自分の周りにはフードを被った怪しい集団が守っていて逃げ出す事が出来なかった。険しい山脈を越えると次は、木々が密集している樹海と言われる所に連れてこられた。樹海の中フードを被った集団に連れまわされて進んでいると洞窟が現れた。その洞窟の前まで来るとフードを被った集団はパレットを洞窟の中に閉じこめた。洞窟の入口は、フードを被った集団が見張っていて逃げる事が出来ず、パレットは洞窟の中を見回って他の入口があるかを確認した。だがその洞窟は、他の入口が無く仕方なく元の入口から出ようと試みた。洞窟の入口まで来ると入口にいた人間はいなくなっていた。「抜け出せる!!」そう思ったパレットは、次の瞬間絶望に落とされる。見た感じは何もないように見えていた。だが、確かにある目には見えない結界のようなものが張られていて出る事が出来なかった。パレットは、それからもなんとか出られないかを考え始めた。そして七年の時が過ぎていった。