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僕は満月の夜に月に帰ります。

作者: 七瀬




僕の名前は、『プクプクサイバーミンティアードル・ムーン』

・・・という名前なんだよ!


そう、僕は月から来た月の王子様なんだ、、、!


月ではね、、、?

みんな美味しい物がたくさんあるから、プクプクに太っているんだよ。

むっちりふっくらの丸みのある体型。


僕のパパやママも、ふっくらプクプク体型なんだよ!


月では、丸みのある豊満な体型の人がモテるんだよ。

僕も月にいる時は、女の子達にモテにモテまくっていたんだよ。


地球に、住むようになってからは、、、?

全然! モテないけどね!


いや? 数は少ないけど、、、?

僕みたいなふっくらした人が好きな人達もいるんだ!

その人たちは、こう呼ばれているよ。『デブ専。』


僕たちみたいなぽっちゃりの人が好きな人達は、、、?

僕たちに、いろいろと食べさせたいみたいで、、、。


好きなだけ! 食べ物を与えてくれるんだよ、、、!

僕たちが、ほとんど動かないように何でもしてくれるんだよ。


『ねえねえ、ムーンちゃん! 美味しい物、用意したから、、、!

全部、食べて~!』

『えぇ!? 本当にこれ? 全部食べていいの、、、?』

『いいの~いいの~さあさあ~食べて~食べて~』

『ありがとう~! 僕嬉しいよ~』

『さあ~いっぱい食べてねぇ~』

『うん!』



僕は、この“至れり尽くせり”の生活がやめられなくなってしまったんだ、、、!


僕が月にいた時でも、、、?

ここまで、してくれる人達はいなかったし、、、!

こんなに、好きなだけ食べていいなんて言われた事がなかったんだよね!


毎日毎日が、最高の気分だよ!





でもね、、、?

僕が地球に来て1年半が過ぎた頃、、、。


月では大騒ぎになっていたんだよ!


『王子様は、地球であんなにも人間に甘やかされてブクブクと太っています!

残念ですが、もう月には戻れないかと、、、?』

『王様! ご決断を!!!』

『あなた、』

『仕方あるまい! わたしの子供だからと言って! 甘い事は言えん!!!

もう、あの子を月には戻れないようにしよう! 追放だ!!!』

『・・・そんな、』

『・・・ミンティアードル、』



僕はそんな事も知らず、、、。

デブ専の彼女から、今まで以上に甘やかされて調子に乗って食べまくって

いたんだ、、、!


僕が月にいた時から150キロほど体重が増えている!

それでも、僕は食べる事をやめなかったんだ、、、!


何故なら、、、?

僕が食べる事で、彼女が喜んでくれたから、、、。

彼女の喜ぶ姿が嬉しくて! 僕は食べ続けたんだよ!




でも、、、?

そんな時に、彼女が病気で亡くなってしまった、、、。


僕の面倒を見てくれる人がいなくなったんだよ!

ベットから、動けなくなった僕の面倒を見てくれる人なんか、、、!

一人もいなかったんだ、、、!


僕は、仕方がなく、、、!

ダイエットする事にしたんだけど、、、?


なかなか? 食べる事をやめられなかった...。


そしてそんな時に、月から連絡が入って、、、!


『僕は、月から追放されたと...!』 


僕はその事を知って、毎日泣いたんだよ!

ベットの上で、食べては泣いて、また食べて泣いて、、、。


その繰り返しで、結局また太ったんだ、、、!


いくら、、、?

ぽっちゃりがモテるからと言っても、、、。

想定外の太り方は、誰にもモテないと悟ったよ。


月から地球に行く時は、、、?

僕は、お父さんとお母さんにこう言ったんだよ!

【僕は満月の夜に月に帰ります。】ってね!



あぁ、あの頃が懐かしい...。

・・・戻れることなら、月に戻りたいな...。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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