僕は満月の夜に月に帰ります。
僕の名前は、『プクプクサイバーミンティアードル・ムーン』
・・・という名前なんだよ!
そう、僕は月から来た月の王子様なんだ、、、!
月ではね、、、?
みんな美味しい物がたくさんあるから、プクプクに太っているんだよ。
むっちりふっくらの丸みのある体型。
僕のパパやママも、ふっくらプクプク体型なんだよ!
月では、丸みのある豊満な体型の人がモテるんだよ。
僕も月にいる時は、女の子達にモテにモテまくっていたんだよ。
地球に、住むようになってからは、、、?
全然! モテないけどね!
いや? 数は少ないけど、、、?
僕みたいなふっくらした人が好きな人達もいるんだ!
その人たちは、こう呼ばれているよ。『デブ専。』
僕たちみたいなぽっちゃりの人が好きな人達は、、、?
僕たちに、いろいろと食べさせたいみたいで、、、。
好きなだけ! 食べ物を与えてくれるんだよ、、、!
僕たちが、ほとんど動かないように何でもしてくれるんだよ。
『ねえねえ、ムーンちゃん! 美味しい物、用意したから、、、!
全部、食べて~!』
『えぇ!? 本当にこれ? 全部食べていいの、、、?』
『いいの~いいの~さあさあ~食べて~食べて~』
『ありがとう~! 僕嬉しいよ~』
『さあ~いっぱい食べてねぇ~』
『うん!』
▼
僕は、この“至れり尽くせり”の生活がやめられなくなってしまったんだ、、、!
僕が月にいた時でも、、、?
ここまで、してくれる人達はいなかったし、、、!
こんなに、好きなだけ食べていいなんて言われた事がなかったんだよね!
毎日毎日が、最高の気分だよ!
*
でもね、、、?
僕が地球に来て1年半が過ぎた頃、、、。
月では大騒ぎになっていたんだよ!
『王子様は、地球であんなにも人間に甘やかされてブクブクと太っています!
残念ですが、もう月には戻れないかと、、、?』
『王様! ご決断を!!!』
『あなた、』
『仕方あるまい! わたしの子供だからと言って! 甘い事は言えん!!!
もう、あの子を月には戻れないようにしよう! 追放だ!!!』
『・・・そんな、』
『・・・ミンティアードル、』
▽
僕はそんな事も知らず、、、。
デブ専の彼女から、今まで以上に甘やかされて調子に乗って食べまくって
いたんだ、、、!
僕が月にいた時から150キロほど体重が増えている!
それでも、僕は食べる事をやめなかったんだ、、、!
何故なら、、、?
僕が食べる事で、彼女が喜んでくれたから、、、。
彼女の喜ぶ姿が嬉しくて! 僕は食べ続けたんだよ!
*
でも、、、?
そんな時に、彼女が病気で亡くなってしまった、、、。
僕の面倒を見てくれる人がいなくなったんだよ!
ベットから、動けなくなった僕の面倒を見てくれる人なんか、、、!
一人もいなかったんだ、、、!
僕は、仕方がなく、、、!
ダイエットする事にしたんだけど、、、?
なかなか? 食べる事をやめられなかった...。
そしてそんな時に、月から連絡が入って、、、!
『僕は、月から追放されたと...!』
僕はその事を知って、毎日泣いたんだよ!
ベットの上で、食べては泣いて、また食べて泣いて、、、。
その繰り返しで、結局また太ったんだ、、、!
いくら、、、?
ぽっちゃりがモテるからと言っても、、、。
想定外の太り方は、誰にもモテないと悟ったよ。
月から地球に行く時は、、、?
僕は、お父さんとお母さんにこう言ったんだよ!
【僕は満月の夜に月に帰ります。】ってね!
あぁ、あの頃が懐かしい...。
・・・戻れることなら、月に戻りたいな...。
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