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一日一詩  作者:
71/367

おじいさんのゴミ箱

『おじいさんのゴミ箱』


幼い頃

同じマンションに住んでいたおじいさん

気さくで出会えば話しかけてくれて

戦争で片足を悪くしたらしく

いつも不便そうに歩いていた


僕たちマンションの子どもは

素行が悪く

地域で話題になることもあった

厳しい目の中

そのおじいさんは違った


僕たちが駄菓子のゴミを

そこらに捨てるのを

見かねたおじいさんは

怒ることなく

今度からはここに捨てるんだよと

ゴミ箱を置いてくれた

おじいさんがゴミを回収する

姿を見て

罪悪感が

僕たちにゴミをきちんと捨てさせた


数年後

おじいさんが亡くなった

他人だった僕に残ったのは

ゴミ箱だけだった

悲しいより寂しくて

幼い僕は

理由も分からないで

ゴミ箱を見つめていた


どれだけ経っても

回収されないゴミ


僕の心に

未だに

回収されずにある

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