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日の出
『日の出』
ふと
日の出を見ようと
夜明け前の山を登る
ひんやり湿った空気と
生々しい自然の匂い
不気味さの裏に高揚を抱えながら
昼とは違う山を登る
空を見上げれば
星の輝きは弱って
夜と朝の境目
頂上には
自由に書けるノートがある
家族で来た人達
友達と来た中学生
たまたま登ってみた人
登るのが日課の人
そこに紛れて
数年前の私もいた
日の出が見たくなって来ました
覚えていないが
無理に思い出そうとはしない
自分だから分かる
来たくなる時もあるよ
なぁ
昔の自分よ
ほどなくして
私の背中に日が差した




