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一日一詩  作者:
63/367

気づいたら ここに

『気づいたら ここに』


バイトに行くときは

いつも自転車だった

漕ぐのが速くて

タイヤはかなり

すり減っていた


挫折して

やりたいこともなかった

いつ見ても目の前は真っ暗だから

見ることはやめていた


細い糸でこの世界と

繋がっていた

頼りない糸でも

きちんと繋ぎとめてくれていた


前が見えない日々でも

生きていれば

山とか谷とか出てきて

早く越えろと急かしてくる

ひぃひぃ息切れしながら

自分は何をしてるんだ

とか考えて

それでも越えて

気づいたら


ここにいた

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