表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日一詩  作者:
26/367

残響

『残響』


祖父は幼い時から足が悪かったらしい

僕が小学生の時には松葉杖を使えていたけど

そのうちずっと車椅子になって

寝たきりになった


お見舞いに行ったら

介護用のベッドに寝ていた

変わり果てた姿に驚いた

少し喋って最後に言われた


 温かい人間になれよ


当たり前のことだと思ったけど

分かったと言っておいた

祖父はその後だんだんと

喋れなくなっていった


その見舞いに行って一年ほどして

祖父は亡くなった

火葬場へ移動していると

忘れかけていたあの言葉が聞こえた


 温かい人間になれよ


その瞬間

その言葉の温かさに

涙が止まらなくなった


最後に伝えようとしたのか

ずっと響いている

繰り返し繰り返し

頭に染みつかせるように


その声が

天まで届けと言わんばかりに


 温かい人間になれよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ