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百何歳のくすのき
『百何歳のくすのき』
もう百年以上はここに立っている
今日も心地いい風が
授業の音を乗せてくる
普段はそんな感じ
催しがある時は僕に飾り付けがされた
たまに登ってくる人とかボールを当ててくる人もいたけど
怒ってはいない、笑っていたから
そんな人たちもいつの間にか去って行った
時代とともに人たちは装いを変えた
校舎も古くなったようだ
敷地を広くするため、僕は切られることになった
切り株は保管してくれるらしい
人って勝手だ、こっちは生きてるのに
でも怒りは湧いてこない
長い間この穏やかな場所で良いものを見させてもらった
そろそろ次の所に行くよ
今日も心地いい風が
授業の音を乗せてくる
もう百年以上もいるんだなぁ




