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僕の定義
第30話「私の定義」と関係があります。
光に誘われ天を見上げ、揺蕩う雲に思いを馳せた。
意思など無いと分かっていても、僕と雲の心は同じだ。
そう確信している。
目的も無くただ流れ、同じ形を保つことなく風に拐われる。
刻々と姿は変われども、その雲自身であることに変わりはない。
僕も志が変わろうと、僕自身であることに変わりはない。
気持ちも、信念も、見た目も、何もかもが変わってしまおうと、僕は僕であることに変わりはない。
僕はあの女性とは違う。自分を見失ったりはしない。
僕の身体と僕の記憶が維持されている以上、僕は僕でしかないだろう。
双方の気持ちは間違っていません。
心か身体か、定義付けしている部分が違うだけです。
あなたは、どちらの気持ちに賛同しますか?