教会を尋ねる覇王
二つ目の依頼内容を確認に
初めの依頼は何とか解決した。それを依頼人とアイラに報告して報酬をもらった後、今度は協会に向かった。もう日が落ちかけているので今日は依頼を受ける旨と依頼の詳しい内容を聞きに行くだけである。そもそもまだ依頼には時間がある。それにネムはともかくグレンが眠そうだ・・・、まだ生まれてから3日ほどである当然だろう。
道を行くとしばらくして小さな教会が見えた。この教会が例の依頼の教会であろう。所々くたびれてはいる物のきれいに掃除はされている。
「依頼者は・・・ここのシスターだな・・・明かりがあっちについてるから・・・玄関はあっちか・・・ん?・・・」
(この視線は・・・子供か?以前の物とは違う・・・この教会からか・・・孤児ということかな)
そう思い視線の先を見ると
「うわ!やばい見つかった!」
「にげろ!」
何ともにぎやかなことだ。
「あらあら~~何でしょう~~」
ネムも微笑ましいのか笑っていた。
そうしていると
「こら!あなた達!もう暗くなるのだから中に入りなさい!あら?」
修道服を着た女性が出てきた。歳はアイナとそう変わらないであろう。栗毛の女性である。
「あなたたちは?」
「ああ。俺たちはこの教会の依頼を見てきたものだが・・・、まだ早いとは思うのだが依頼内容を確認したくてね」
「あの依頼を見て受けてくれるの?ということはアイラの紹介ね・・・なら信用できそうだわ」
どうぞと教会の中に案内してくれた。
意外と広く片付いている、いまだにこちらを覗く視線・・・ここの孤児たちちびっこ共である。
「にいちゃんたち何しに来たんだ?」
「ねえねえあそんで?」
「・・・・おっきいとかげちゃん?」
わらわらと集まってきた。
「こーら。今からこの人たちtぽ話があるんだから・・・もう」
「エレンちゃんどうしたの?」
「あっ院長先生」
現れたのは年配の女性である。この教会のシスター兼孤児院の院長らしい。優しそうな雰囲気である。
「えっとこの人たちはアイラの紹介で来てくれた冒険者の方々で週末の手伝いで来てくれたみたいなんですが・・・この子たちが」
「あらあら・・・みんなシスターエレンはこの方々と大切なお話があります・・・こっちに来ておとなしくしましょうね?」
流石院長先生といったところだろうか、あれほど騒がしかった子供たちがおとなしく彼女のもとに集まっていく・多少グレンをなでていた数名は名残惜しそうにしていたが。それを見たネムがセファーに目線を向ける。
「こっちは俺が聞いておくから・・・グレンと一緒に子供たちと遊んできていいよ」
「はい~~♪」
ネムには抱えられたグレンと共に子供たちと奥の部屋で遊んでもらった。子供は好きなようである。
「ごめんなさいね・・・あの子たちが」
シスターエレンがすまなそうに謝ってくる。
「いいや・・・気にしないでくれ急に押し掛けたのはこちらだしな・・・」
「そう言ってもらえると・・・あこれ粗茶ですが」
「ああ・・・お構いなく」
そこで子供たちの楽しそうな声が聞こえる。それを聞いたエレンが自然と笑みを浮かべていた。
「騒がしいでしょう?私もアイラも元々この孤児院の出身なの・・・院長先生はその時からのずっと孤児たちを育ててくださってるわ・・・私たちも小さいころにはたくさんお世話になったし・・・私はそんな院長先生にあこがれてここのシスターになって・・・アイラはここの生活を少しでも楽にさせようと給料がいいギルドに務めて・・・今でもずっと仕送りをしてくるの。でも・・・それでも苦しくなってきて・・・しまいには借金ができて」
「・・・・」
セファーはこの孤児院の話をアイラからもらった時かすかな違和感を覚えていた。それは
「冒険者に依頼を出したのは・・・手伝いというよりも荒事関係か」
「・・・だましたようで悪いわね・・・話を聞いてそれで断るのなら構わないわ・・・本当は人に頼る話ではないのだから・・・」
「アイラ殿には話していないが、うすうす感づかれているというところか・・・・」
アイラがこの依頼を進めてきたのは、恐らく俺たちが依頼を受けることでこの孤児院に何が起こっているのかを間接的に知るためでもあったのだろう。少ない会話だがエレンはアイラにはこのことを隠そうとしている。
「アイラには今の仕事を何の憂いもなく続けてほしいの・・・心配をかけたくないのよ・・・ただでさえこんなに世話になってるのに」
この孤児院が所々修繕されているその資金の出所はアイラであろう・・・。
「一つ疑問がある、今まではそれでもやってこれたのだろう?何故借金をするまで資金が足りなくなった?」
「領主が変わったことが原因よ・・・本来この教会と孤児院は国が運営している物よ。それで今までは国からの支援があったのだけれど・・・領主が変わった途端にその資金の提供が無くなったの・・・」
「?それは違法ではないのか・・・」
「もちろん違法よ・・・でもこの町であの領主に逆らえるんのなんていない・・・訴えたところでも聞けされて余計に睨まれるだけ・・・」
「それで借金か・・・」
「うん・・・でもその借金すら領主の罠だった。・・・初めはきちんとしたところから借りたつもりだったんだけど・・・初めの金貸しから私たちの借金を買ったやつらがいてそいつらが、とんでもない連中だった・・・この町の裏の連中で領主ともつながりがある、法外な利子を求めてくる連中だったの・・・」
「警備達には・・・無理か」
領主が相手となると彼らもそうそう手は出せない。彼らはいわば国に仕えている者たちなのだ。
「それでもブライアン殿やゴルノ殿たちならば・・・」
「それも考えたけど・・・そうすると・・・アイラにばれちゃう・・・」
・・・なるほどどうやら彼女に負い目があるらしい
「今はばれないが・・・いづればれたら大変だぞ」
「わかってるわよ!!・・・それでもあの子だけには迷惑をかけたくないの・・・」
「・・・このパターンだとその連中が求めてきたのは」
「そう私とアイラの身柄よ・・・」
「なるほど下種の考える事らしい・・・」
「それでその期限が週末・・・どう?最悪でしょう?」
半分あきらめているというところらしい・・・
「院長は」
「当然知ってるわ・・・なんとか資金を創ろうとしてくれているけど・・・間に合わない・・・だから何とか私だけで済むようにと交渉をしたいの・・・」
「そのためにギルドのものを仲介させたいと・・・秘密を守って?」
「そう・・・」
救いは求めないらしい・・・それもセファー達に迷惑がかかるからだろう。依頼を出したのは交渉する前に乱暴されたり攫われたりするのを防ぐためか
「・・・受けてもらえないかしら・・・私がこの場所にできる最後の仕事を見届けてくれない?」
その言葉にセファーは了承の意味を込め首を縦に振った。
孤児院から宿屋に変える道の間、ネムたちにはもちろん先程の話はしていない。できるはずもない。そもそもエレンに最後の仕事などさせる気がないのだから。
(思った以上に早く。ゴルノ殿たちに迷惑をかけることになりそうだ・・・まあある程度考えはあるが・・・)
セファーはこの教会の仕事についての情報を集めることにした、来る週末に向けて。
領主と敵対することを決めたセファー・・・




