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蘇る覇王と10の竜器  作者: jun
第4章 人形夢想《ホムンクルスの見る夢》
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1日目の終わりと始まる思惑と寝る覇王

オープニング終了。今月分もここまでです。


「金がないって・・・それは払えないと?」


「・・・火煙草の分とワイバーンの分は問題ない・・・がロードは難しいんだよ・・・とんでもない者を狩ってきやがって・・・」


「ならばとりあえず火煙草の分とワイバーンの分だけもらえないのか?」


「そうしてくれるか?・・・ギルドのルール上競売にかけるものも最低額はその本人に渡すのが決まりになってるんだが・・・すまんが待ってくれるとありがたい・・・欲を言えば競売後の全額という形にはできないか?」


「俺は一向にかまわんが・・・何でそんなに必死なんだ・・・ゴルノ殿?」


「いや・・・むしろ俺が聞きたいくらいなんだが・・・金を求めてきたのにあっさりとしてるからな・・・普通はもう少しがめついもんだろう・・・しかもお前さんの腕があればこれくらいの金額を稼ぐことは難しくない」


「とりあえず生活費が欲しかっただけだからな・・・」


 セファーは良くも悪くも年少の頃以外は金に困る人生ではなかった・・・その年少の時でさえ自らで得物を狩って生活をしていたので金などほとんど使わなかった。だから一般の人物に比べ金に対する認識が強くないのだ。今回は自分以外がいるための措置である。本人一人ならばその辺の森に突進して獣を狩って生活していただろう。元王とは思えない変人である。


「そういうことなら助かる・・・待ってくれる例もかねて・・・ギルドで使用できる施設や機関なんかは無料や割り引いてくれるように許可を出そう・・・それとアイラ・・・競売以外の報酬を・・・」


「はい・・・こちらになります。お確かめください」


 じゃらりと金袋を受け取る。それなりの重さだ。


「とりあえず競売までは2週間くらいかかる。決まったら連絡をするから宿が決まったら教えてくれ・・・流石にそれだけあれば2週間は余裕のはずだ・・・だよな?」


「豪遊する気はない・・・第一これでも大金だろう。一日金貨1枚使っても釣りがくる・・・宿を取って今日は休んだら、明日買い物をするとはいえこんなには使わんだろうし・・・もし使ってもまた依頼を受ければいい・・・」


「もっともだな・・・こっちからの話は以上だ。ブライアンお前からは何かあるか?」


「俺からもとくには無いが・・・ああそうだ・・・一応伝えておくことがあったな・・・実はもう一か所で妖精穴が発生しちまってな・・・本当にレインバークに連絡を取ることも難しい状態になった。大体発生後一月くらいでなくなるからそれからということになる。海路も今の時期は波も荒れるし・・・お前たちくらいの力があるとな・・・危険だ。だからしばらく待ってほしい」


「それは・・・仕方ないな・・・分かったそれじゃあ俺たちは行く。宿の手配が出来たら伝えるがそれはアイラ殿に言えばいいか?」


「ああ構わん。それとこれからも頼むぞ期待の新人」


セファー達はギルドから宿を探しに出ていった。






「・・・どう思う兄貴・・・」


「・・・他国のスパイとかではなさそうだが・・・、問題は3ついや・・・4つか・・・」


「セファー達の異常さに目を目をつけるであろうアルバとあの幼竜と・・・」


「ああ()()()()()・・・何か関係があるのか・・・今はとりあえず放置するしかないだろう・・・」


「分かった・・・一応警備隊でも注意して見ておく。それと魔物の増殖・・・こっちで調べた限りでは例年の3倍以上の魔物被害が出てる。今回のワイバーンの暴走も少しおかしい」


「何が起きてんだろうな・・・全く不吉すぎんだよ・・・」


ゴルノのつぶやくは外の闇へと消えていった。








 ある研究施設


「どういうことだ!!なぜ逃げられる!!魂は定着していないのだぞ!くそう!!これでは」


 機材を薙ぎ払い男が一人苛立たし気に空になった巨大な容器を見つめる。確かにそこにいたはずの者がいなくなっていた。先日まではうまくいっていたはずだ、それが今日になっていきなりだ。忽然と姿を消している。訳が分からない・


「おやおや・・・穏やかではありませんね・・・ほう?()()()()()()?・・・ふふうふ・・・もしかしたら私たちの会話も聞いていたのかもしれませんねぇ」


 突如現れた恰幅の良い商人風の男に多少驚いたが、この得体のしれない男ならばあり得ると落ち着きを取り戻し、男が語った言葉に再び血圧を上げた。


「馬鹿な!!ではあの会話をも聞かれていたというのか!!早急に手を打たなければ!!お前にも動いてもらうぞ・・・闇商人ハディム!」


「ええ・・・それはもちろんでございます・・・あなたの研究には期待しておりますから・・・協力は惜しみません・・・そのための資金も・・・そのために集めた()()もね・・・ふふふ楽しみですよ」


「本当に頼むぞ・・・こちらも実験体を出す。何としても捕らえなければ・・・」


 そう言って踵を返した研究者を薄笑いを浮かべてハディムは見た。


(ふむ・・・逃げ出せるほどに育ったということはもう完成していると考えていいでしょう・・・ようやく私の念願がかなう・・・回収が完了したらこの男も用済みですね・・・さてここではどんな楽しい演目が見れるでしょうね楽しみだ)





領主邸



 豪華なベットで太った男が少女を組み敷いて腰を振っている。美しかったであろう少女の顔は晴れておりその瞳はすでに光を失っていた、さらに手足に力が入っていないところを見ると腱が切られているのだろう。男が激しく動きそして止まり唸った。そして少女をベットから放り投げた。


「ふん!!つまらん!!初めはあれほど泣きわめいておったのに、もううんともすんとも言わん!!目の前で恋人を殺してやったときは面白かったというのに!!・・・っち!死んだか。誰か!!誰かおるか!!」


「はい・・・領主様お呼びでしょうか?」


「遅いぞ!!そこのゴミを片づけろ!!それと次の女の用意をしろ!!奴隷も町娘もあきた・・・今度は・・・冒険者の女などがいいな・・・よしそれにするぞ!!あいつらを呼んで攫ってこさせろ!!」


「それが御領主様・・・たった今町にいる物から連絡がありまして・・・あやつらが捉えら得ました・・・」


「何だと!!警備隊か?ギルドか?どちらにせよ忌々しい・・・だが近いうちに奴らは・・・くっくっく・・・続きを詳しく聞かせろ」


 使用人は聞いた話を領主に説明する。不機嫌だった領主はあるところで不意にその顔をいやらしく歪めた。


「奴らについては見捨てる。役に立たない連中などいらん!!それよりもその女の話を聞かせろ!!それとその女が抱えていたという珍しい動物の事もだ!!」


「何でも大層美しく、その体つきも非常に良いということでございます。またその動物はもしかしたら竜かもしれないと・・・」


「ふふふ!!それはいい!!その女も竜らしき動物も・・・わしがいただこう・・・分かったのなら金で新しい連中を雇ってそいつらを攫わせるのだ!!いいな!!」


 そして大声で嗤うのだった。




 宿屋中



「長い・・・一日だった・・・」


 ベットに横になりセファー今日一日の事を考えた。


(朝はリティア達と鍛錬をして・・・その次は倉庫の整理・・・そして転移←なんで?・・・転移した場所が盗賊のねぐら・・・天然娘に会う←だから何で?・・・盗賊退治・・・町に行く・・・町に入りギルドへ・・・ギルドで模擬戦・・・ギルドで依頼を受ける・・・依頼の品を探す・・・天然娘が暴走←勘弁して・・・天然娘竜の卵をゲット←もういゃゃ・・・ワイバーンロード達を殲滅・・・エセ冒険者(盗人)達ともめとりあえず殴る・・・警備隊に魔物と戦わせられる・・・結論)


「寝るか・・・」


 所々濃厚かつ突っ込みどころのある一日であったが・・・セファーはいろいろ諦めて寝ることにした。彼の寝つきはよく。10分ほどですでに寝息を立てていた。敵が寝込みを襲ったとしても彼の感知の網にはかなわないからである。ところが例外もあるものだ・・・彼の寝床に迫る一人と一匹の影があった。それには結局彼が朝起きるまで気づくことはなかった。


 そして彼らに迫る様々な思惑はそのあともセファーを本当の意味で休ませることはないのだった・・・。









来月はもうちょっと書きたいと思ってますが・・・仕事次第です。

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