記憶喪失の少女と覇王
本日2話目です。
「ぐげらっ!!?」
ドスンという音とともにいきなりその場に現れたのはご存知覇王様事セファーだ。尻をさすっているのはまた打ったらしい。
「そのうち俺の尻は4つに分かれるんじゃないだろうか・・・で今度はどこに来たんだ?」
そうして今いる場所を確認する。
「・・・どこかの地下か?・・・湿気が多いからむしろ洞窟みたいなところか・・・そういえば」
と例のペンダントを持っていることに気付いた、
「・・・何も感じない・・・魔力が尽きたか?・・・これじゃあ戻れないな・・・」
ついてないという言葉を飲み込んでとりあえず歩いてみる。やはり洞窟のようだ。但し自然にできたものではない人の手が加えられているところがそこらに見受けられる。そうして端まで歩くが
「・・・ここは巨大な牢屋ということか?・・・とりあえず引き返すか・・・」
どうやら大きな鉄格子があり道をふさいでいる。壊せなくはないがここがどういうところなのかがわからないため派手な真似はよしておく。他の出口がないか再度来た道を戻っていく。
5分ほど歩いていくと少し開けた場所に出た。そこには
「・・・宝の山ねぇ・・・いい予感はしないな・・・」
そこは金銀財宝が山のように積まれている部屋だった。
(・・・これは一般の物じゃないな・・・所々血がついているものがある・・・盗品だろうな・・・それも強引な手で集めたもの・・・)
「盗賊の巣窟・・・何でこんなんところに転移すっかな・・・」
はあーーー。とため息をついて床に座るそこで横に手を突いた時だった。
ふにょん
妙に柔らかくて暖かい何かに触れた、続く声は悩ましい女性の声だった。
「んっ・・・くすぐったいです~~~」
「!!?」
(ここに人が?というよりも先程から振れているこれは・・・ああ女性の胸か・・・ムネーーーーー!?)
がばっとその場から離れるセファー。意識していなかったとはいえ女性の胸に触れてしまった、しかも
(でかい・・・それに何という破壊力!!)←本人混乱中
(女性と接した経験はあるにはあるが・・・この体になってからここまでのことはあまりなかったからな・・・ん?いや意外とあったか?)
少しずつ冷静になっていく、女性はまだ寝ているようだ。だがそれが問題ではない。
(どういうことだ?俺が気配を感じなかった?隠気・・・ではないな?プラナを感じなかった?)
「う、う~~ん?」
どうやら目を覚ましたらしい。
「おはよう・・・ございます~~~~」
随分と間が伸びている話し方だ。女性といったがどうやらセファーと同じ年くらいの少女だ。一部成長が著しいので勘違いしたが・・・
「「・・・・・・・・」」
互いにしばらく見つめあう、セファーは気配を感じなかったことに警戒をして、少女はどこかまだ眠そうな目をしながら。初めに話しかけてきたのは少女だった。そしてその内容はさらなる混沌をその場に呼んだ。
「あの~~~。ここはどこでしょう~~~?あなたは誰でしょう~~~?・・・そして私は誰でしょう~~~~?」
その一言はさらばる静寂を生みそののち
「俺が聞きてーーーーーーーーーー!!!?あんた誰-------------!!?」
洞窟内に響くのだった。
はぁはぁはぁと息をついてセファーは脅威を感じていた。たった一言言葉を交わしただけで自分をここまで疲れさせるとは、そしてどうすっかなこの状況と
「ええい!!らちが明かん!・・・とりあえず。・・・俺はセファーだ。レインバーク領の客のようなものだ・・・君は・・・分からないんだよな?」
「はい~~~。名前も~~~、どこにいたかも~~~、何をしていたのかも~~~、さっぱりです~~~♪」
「本物の記憶喪失か・・・名無しか・・・」
「あら~~~それはいいですね・・・ネームレス・・・・ネムなんてどうでしょう~~~?」
「・・・何でうれしそうなの?君は・・・」
「君ではありません~~~ネムと呼んでください~~~♪」
「いやだからそういう問題じゃ・・・・分かった。分かったから無言でその破壊力のあるものを押し付けてくるのはやめれ」
(ネム・・・反対にするとムネって!やかましいわ!!この少女本当に記憶喪失か!!)
なんだかからかわれている気がする。
「まあいいネム・・・聞いてもわからんのだよな・・・とりあえず一緒に行くか?」
「はい~~~よろしくお願いします~~~セファーさん~~~♪」
「だから押し付けてくるなと!抱き着くなと!歩きにくい!」
そう言って名無しの少女と覇王は出口を探すために宝のおいてあった部屋から出ることにした、少女はなぜかごそごそやっていたが。
宝物部屋の外に出たところで足音が聞こえてきた。
(まあ俺が思わず叫んだからな・・・来るよなそれは)
そして盗賊たちに速攻で囲まれた。
「何だ!テメーらは!?どこから現れやがった!?」
盗賊の一人が叫ぶ、
(・・・テメーらね・・・ネムもこいつらが連れてきたわけじゃないと・・・ますますわからん)
「黙っていねぇで何とかいえ!!この野郎」
「何とか」
「こいつふざけやがって!!」
何とか言えというから行ったのだがこんな軽い挑発ですぐに切れた。そして持っている剣を一斉に抜き放った。
「カルシウム不足な連中だ・・・」
(全部で5人・・・こちらは素手・・・全く問題ない。それより)
ちらりと自分の後ろにいるネムを見た。全く怖がっていない。普通の少女であればこわもての盗賊連中ににらめれればましては剣を抜いて殺気立っていれば怯えてもいいのだが、平然とむしろ楽しそうにすらしている、
「無視してんじゃねえこのクソガキが!!」
手前の一人が斬りかかってくる。腰も何も入ってない。手でふっただけの剣だ。故にそんなもの
「ほいっとな」
手で剣の腹をはたいてそらした上に、相手の剣の柄を叩いてやればほれこの通り。そのまま剣の腹を使って、流れるように盗賊の一人を打ち据える。
「剣一本貰ったぞ」
そのあっという間の出来事に盗賊たちは言葉を失うが
「舐めた真似を、一斉にかかってやっちまえ!!」
今度は一斉にかかってくる。セファーは剣を構えようとしたがそこで後ろのネムが前に出る。
「ちょ!!ネム!?」
前に出たネムはなぜか胸の谷間に手を突っ込んでそこから、ありえないサイズの鞭を取り出す。
「は!?打鞭だと!?どこにそんなサイズのものを!!」
隠気を使った武装隠しではない、全くあり得ない現象だ。ネムは取り出した打鞭をすでに斬りかかってきている盗賊に横なぎに振るった。
どかーーーんというおよそ人を叩く音とは思えない音が洞窟内に響く。盗賊たちは一人残らずそれもノーバウンドで壁に叩きつけられていた。一人として起き上がってくるものはいない。中には手足がおかしな方向に曲がっているものすらいた。
(なんていう威力だよ・・・ただ振っただけに見えたが・・・ものすごい膂力だ)
「ネム・・・君は・・・」
振り向いたネムはいい笑顔で
「どうして・・・こんなことが出来たんでしょうか~~~?」
「だからこっちが聞きてーよ!!!」
次話は12時投稿します。




