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蘇る覇王と10の竜器  作者: jun
第1章 覇王再臨
6/107

方針決定、そして契約する覇王

少し説明会になってます


 膠着状態が続いていた。セファーはどうしたものかと頭をかいて、アリアは竜器の剣を向け、一分の隙も見逃さないように


「あ~、リティアの御母堂とお見受けする。剣をさげてはいただけないか?」


 見た目が若かったため姉かとも思ったが、リティアが母様と呼び抱き着いたので御母堂であろうと予想した。とりあえず、この状態から脱却するため、こちらから切り出した。


「あなたが何者かわからないのに、それができるとでも?」


ですよね~、俺でも警戒するわ。・・・しょうがない・・・ここは最終手段をとる!!


「俺が何者なのか、悪いが俺にもわからない。名前と戦う力があるくらいしか思い出せないので、答えようがない。逆に俺が聞きたいくらいなのでね・・・」


 最終手段記憶喪失だ!!どうだ!!・・・訝しそな顔をしている。ですよね~。----そのとき御母堂の後ろにいた娘さんのほうが、俺の前に飛び出してきた。御母堂びっくりである。「ちょっ待っ」とか言ってたから、どうやらこの娘さんのアクティブぶりには彼女も手を焼いているようだ。そして


「母様!セファ兄様なの!!」


 とどうだと言わんばかりに俺の左手の裾を持ち上げ、嬉しそうにおっしゃった。俺と御母堂もはや「???」である。何がしたいのこの娘さん?


 俺はふぅ~と息をついてリティアの頭を優しくポンポンとたたき、


「今大事な話中だから。おとなしくしてようか、本当にマジで」


 御母堂にどうするかと視線を向けると、彼女は剣を下げ


「その娘がそれだけなついているなら、とりあえずあなたを信じましょう。悪意には敏感な娘だから。それにそんな顔でうちの娘を見ているあなたが、悪人には見えないしね。取り合えず「今は」詳しく聞かないことにします。」


「今は」ね・・・。、それにしても俺はどんな顔をしていたのだろう?


「むしろ私は感謝しないといけないのよね?あなたがうちの娘を守ってくれたのでしょう?本当にありがとう」


 と今度は頭を下げてくる。


「いいや、俺もリティアに助けられた、あのビスケットがなければここまで来れていない」


 とそこで俺の腹からぐう~っという音、リティアのほうからもくぅ~という音が鳴った。ビスケット数枚では足らなかった。それを聞いた、御母堂は噴き出して笑い。


「あははははは。ふふ、ここでこうしていてもしょうがないわね・・・ぷっ(笑)うちに来なさい。昼食を御馳走するわ」


 笑いすぎだと思う・・・まあ断る理由がない。


「御馳走になる」


 と少し俺も笑い答えた。それを見ていたリティアが


「母様、セファ兄様仲良しなの!」


 といって右手側を俺とつなぎ左手側を御母堂とつなぎぶんぶんと手を揺り動かす。とりあえずは何とかなったようだ、とりあえずは。





 昼食をもらいひと息ついたところで、ピンク髪のお嬢様が本を持って俺に突撃してきた。


「セファ兄様!読んでなの!」


 本を手渡された。御母堂・・・アリア殿のほうを見ると悔しそうな、ほっとしたような複雑そうな顔をしている。リティアはキラキラした目で俺を見て待っている。


(これは・・・・読めということか?何々・・・って!『覇王物語』?内容は・・・俺の事じゃん!!なにこれを読めと!ある程度脚色されてるが大体あってる、やめろ~~自分の過去の物語を読めと!?そんなんただの暴露話で、こんなん読めるわけ・・・)


 キラキラした瞳が俺に刺さる。

 がっつり読まされました、いっそ殺してください。俺こんなセリフ言ってねえ!!これなら邪なるものとか竜神と連続バトルしていたほうがまだましだ。アリア殿はがっつり読まされたことに疲れたとおっもたのか、もしくは自分も通った道だと言わんばかりに俺に向かって、親指をサムズアップ、やかましいわ!!

満足したリティアは、今日の疲れもあったのか本を読み終わってすぐに寝てしまった。


 さあアリア殿との話の時間だ。

 執務室だろう、そこに通された。


「まず初めに、改めてリティアの事本当にありがとう。あの娘は私にっとっての何にも勝るすべてだから」


頭を下げてくる。


「先にも行ったが、お互い様だリティアに助けられたからな。でもその気持ち受け取っておく」


「・・・受け答えもしっかりしてる。やっぱりあなたそれなりの教養があるのね?さっきの本も読んでいたし。あなたくらいの年齢だと読むのが難しい文字もあったのに、それも記憶がないのに・・・」


「できたとしか言いようがない。これ以上は答えようがない」


「ふぅ~~わかったわあなたがそう言うのならこれらについてはもう聞きません、少しの時間しか見ていないけれどあなたの人となりはわかったから」


「すまん。・・・俺から聞きたいことがあるのだがよろしいか?アリア殿」


「?何を聞きたいの?」


 俺は今が何年か、ここはどこなのかなんという国なのか。世界情勢なども聞いた、その結果。今は光歴2052年あれから丁度1000年たっていて。ここはグランベール王国のレインバーク公爵領であるということ、またまだ邪なるものが活動をおそらくしていないであろう事がわかった。


(グ・ランベールね・・・俺の名字はランベール、グランは偉大という意味があったから、偉大なるランベールね・・・)


 俺には一人、政が得意な弟がいた、弟の血筋が1000年後まで残っているかはわからないが、名は残っているようだ。弟は俺を王に据えて覇王国を作った。その時は覇王国という名だったのでグランベールというのは後につけたのだろう。国ができてすぐ俺は旅に出てしまったから弟には迷惑をかけた。どうやらその後は国を弟が運営、王として立派にしてくれたようで本当に頭が上がらない。俺は王というものより一人の剣士でいたい、弟にそう述べたとき、弟は「兄さんはそういうと思った。国は俺に任せて、兄さんの好きなように生きてくれ」と言ってくれた。「自分には兄さんほどのカリスマ性はないから覇王は継げないけど」とも言っていたが、俺としては弟のほうがふさわしいと思っていた。


 そんな覇王国も今は領土も半分になり王国となった。それでも世界で2番目に大きな国ということらしい。10ある公爵領が公国と言っていいほどであり、小国に迫る大きさなので、その大きさは言わずもがなだ。もちろん公爵がそんな大きな領を一人で切り盛りしているわけではなく、公職の下に侯爵、伯爵などがサポートに入っいる。本当に公爵は王のような役割をしている。例えばレインバーク公爵領○○侯爵州などといった具合である。任命権や褒章もその領内であればすべてを公爵が決めることができるのでその影響力は大きい。王はきちんと中央の領にいるのだが、あくまでもその国の顔のようなものということだ。もちろん緊急時には王の権威が一番に来るが。とりあえずここはそんな王国の一公爵領である。東は他国との国境になっており南はとく広大な『魔元の森』に面している。北と西はそれぞれ違う公爵領になっているが、アリア殿によればそれぞれ腹に一物抱えているらしく油断ならないとのことである。


 そんな大物の公爵の一人が今目の前にいるアリア殿である。なぜ公爵が国境と危険地帯が面する場所に本拠を構えているかは。やはりこの危険地帯がかかわっているらしい。


 レインバーク公爵家は比較的新しい公爵家である。今から400年ほど前にできており、戦功で成り上がったのではなくその特異性により公爵に徴用された家だった。今代のアリア殿はそれこそ武功も上げる程の女傑のようだが、初めのレインバーク公爵は広大な『魔元の森』がさらに広がらないようにするため、強力な結界を張れる人物がなった。初代レインバークも女性であり、もともと結界を張るための特異な巫女のような存在であった。しかもこの結界が張れるのは、レインバークの血を持つ女性だけ。レインバークから生まれてくるのもなぜか女性だけである。一説では初代レインバークが結界を絶やさないように呪詛のようなものを一族に施したともいわれているそうだ。


 ところで原因の『魔元の森』は1000年前にはなかった。当然ではあるがレインバーク公爵家ができる前、どうやら魔素だまりが集まってしまう場所が俺がいなくなってからできてしまい、500年程かけていつの間にか、手の施しようがないほどのダンジョンと化してしまったようだ。実はこれは邪なるものが作り出したダンジョンコアによるものが大きい。奴が最後のほうに核となるコアを作っていたのは知っていたが、9割がた奴を滅ぼしてもまだコアが生きているとは思ってなった。はっきり言って彼女たちに俺の尻拭いをさせてしまっているようだ。どうやら未来にきて初めにやることが決まったらしい。また奴が出るまでやることも決まった。ダンジョン化している魔境が世界にはここを含め5か所あるらしい、そこをすべて開放する。手始めに脅威度こそほかのところより低いがその広大さと人類圏にあり、放置すると広がる恐れがある『魔元の森』ここ以外は広がる恐れはないようなのでまずここだ。それにこの結界おそらく命を削る。アリア殿にそのことを尋ねると


「そう・・・・そんなこともわかるの・・・確かに命を削る術よ。レインバークの女性が短命なのはこの結界術の所為なのは確かよ。私はまだ命を削るところまではいってないけど・・・まあ時間の問題、残り1年ぐらいで少しづつ命を削られるでしょうけど・・・。ちなみに私の母は38歳でこの世を去っているわ。リティアは祖母の顔を知らない、私はあの娘の子供を抱くまで絶対に死ぬ気はないけど・・・この一族の呪いともゆうべきものは私の代で終わりのしたい。リティアには結界なんか張らせたくはないと思ってるわ」


「ちなみにだが、『魔元の森』の攻略度はどれほど進んでいる?」


「・・・・・せいぜい1割というところよ私の代までで・・・」1


 やはり進んでいないな、ならば


「アリア殿、一つ契約をしないか?」


「契約?何の契約をするの?」


「俺の衣食住の保証と後ろ盾になってほしい。その代りにダンジョン『魔元の森』を1年以内に攻略をする」


「!!!!不可能よ!!そんなこと!!あなたが強いのはなんとなくわかるけどそれでも無理。それにあなたは子供でしょう、そんな子が無謀に挑もうとしているのに人員は貸せない!」


「アリア殿、勘違いしないでくれ。人はいらない、俺一人で十分だ」


 机を激しくたたき


「馬鹿にしないでちょうだい!!そんなできるはずもないことを!!」


 俺が言葉を止めるように手をアリア殿に向ける


「なら試してくれ、アリア殿、すべてクリアして見せる」


 にやりと公爵閣下を挑発した。


次回は腕試し、とランクについて。

29日更新予定

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