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蘇る覇王と10の竜器  作者: jun
第3章 他領騒乱
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竜器継承とエリクシル領からの騒動と覇王 中編

中編です。どうぞ。


 午前の修練を早めに切り上げ、公爵邸に戻ってきたのはいいが・・・何やら場の空気がざわめいている?はて?なんだ?

 見たことのない馬車が並んでいた、それも5台も。家紋があるところを見るとグランベール王国の貴族だろう。ろくにこの町から出たことがなかった為、レインバーク以外の貴族と会うのは初めてだ。


「竜器継承の日にほかの貴族が来る・・・か」


 何か聞いてるかと視線で二人に尋ねるが、2人とも何も知らない様子・・・となると母上殿がやらかしたか?


「とりあえず、母上殿のところに行こう。事情が分かるはずだ」


「はい・・・なの」


「分かりました」


 2人を連れて母上殿の執務室まで移動するところで不意に視線を感じた。


「ん?」


 これは俺ではなく・・・リティアを見ている。敵意は感じない・・・これは興味か?

その方向に目を向けると、リティアたちと同年代の少女が布袋に包まれた長いものをもって立っていた。


「あなたがリティア・レインバークですわね?・・・・ふ~ん・・・大したことはありませんわね。正直がっかりですわ」


 顔を合わせたとたん随分な物言いだ、リティアはいきなりでわかっていないのかぽか~んとしていたが、案の定エナがご立腹だ。流石に相手が貴族の子女だとわかっていたので、口には出さないが顔が怒りで真っ赤だ。本当に普段は冷静なのにリティアと俺の事となるとだめらしい。


「???どなたですか・・・なの?」


 当然だ相手名乗ってねえもん。それを聞いた緑の髪の少女は


「ミリス・エリクシルですわ。10大公爵家の中でも槍の扱いに長け、戦場にその名をとどろかせたエリクシル家の次期党首ですわ。覚えておきなさい!」


 と自慢げに言い放った。


「・・・・・・ふむ?そのミリス嬢が何の用でここにいるのだ?」


 俺が尋ねると


「あなた誰ですの?あなたに名前を呼んでいい許可を出した覚えはありませんわよ!この下郎!」


 おっと、どうやらお気に召さない様子って、え?リティアさん!?


「兄様に向かって下郎とはあなたがだれでも許さないの!」


 珍しく猛っておいでだ・・・別に俺は馬鹿にされたとも思ってないんだが・・・どうしようか・・・エナはリティアの味方のようだし・・・このままだとここでキャットファイトでも始まりそうだ。かといって雰囲気的にここに踏み込みたくない・・・・・。


「およしなさい。ミリス」


「リティア。落ち着きなさい」


 どうやら保護者たちの登場のようだ。一人はもちろん母上殿だ、もう一人はミリス嬢の母上つまり現エリクシル公爵その人だろう。子供二人は互いににらみ合いながらも距離を取り一旦は落ち着いたようだ。


「ふう・・・リティアどうしたの・・・あなたらしくないわよ・・・まあなんとなくわかるけど・・・」


「何を見ていますの、猪女。そんなに私の娘が愛らしいのかしら?」


「はいはい。全く相変わらずねあんたは。派手好きのローラ」


「ふん!猪女のあなたよりはましですわ!」


おっと今度は母親同士か!?・・・いいや・・どうやら挨拶のようなもの?らしい


「それより手紙は大まかには読んだけれども・・・何、竜器継承の後の相手をあなたの娘にさせろということ?馬鹿言わないでちょうだい・・・大体相手はセファーがするって決まっているのだから・・・」


「あなたこそ何を言ってますの?竜器継承の儀の後の演武は本来はほかの竜器と打ち合うものでしょう?」


「いつの時代の話をしているのよ?もうそんなことをしているのはあなたの領ぐらいでしょうに・・・」


 そうなのだ。竜器継承の儀はその後演武を行うのがしきたりとなっている。そのため相手は俺だったのだが本来はほかの竜器と演舞することが正式ではあるのだ。どうやらこの人たちはそれが目的で来たらしい・・・いいや少なくともこのエリクシル公爵は俺にも様があるみたいだがな・・・。


「・・・・母上殿・・・俺は構わんぞ・・・どうやら当の本人たちが殺る気・・・もとい・・・やる気になっているようだしな・・・」


横を見ると当の娘さんたちは視線で火花を散らしている・・・。


「だからまずは継承の儀を終わらせよう・・・」


継承の場に移動する世に全員に促して最後にその場を出る・・・さらに嫌な予感がしていたためため息をつきながら・・・・。





 竜器継承の儀・・・この儀は単純である。竜器を手に取って十全に扱えればいいというものである。但し資格ない者が持てば竜器はそのものを拒み、扱えないほど重量を課す。また竜器の力の開放などもってのほかである。


 今その儀が行われようとしていた。母上殿からリティアへと


「リティア・・・あなたが受け取るのはただ竜器というだけではないわ・・・いままでこれを振るってきた人々の思いも受け取るの・・・もちろん私のもね」


「はい・・・母様・・・しっかりと受け継ぎます!」


 竜器『ツヴァイレイダ』をそう言って受け取った。まだ10歳の少女には少し大きいもののしっかりと受け取ってその剣と高く掲げた。そうして少し場から離れてその権限を使用した。


「【炎よ、薙ぎ払え(フレイムザッパー)】!!」


 炎が巻き起こり前方を薙ぐ。成功だ。リティアが使い手として認められた瞬間だった。





 さて・・・・ここからだ・・・ちなみに話し合いの結果リティアの演武の相手はミリス嬢となった。俺も興味があったのだ。長物槍を使う同年代の少女の腕前が。


「これが私の竜器『ドライフォーン』ですわ」


 出したのはやはり槍である。緑の装飾が施されている長槍である。そこから感じるのはリティアの『ツヴァイレイダ』と同じ気配だ・


「では審判は俺がやらせてもらう・・・双方準備はいいか?」


 審判は俺が名乗り出た。ミリス嬢は不満そうだったがそのほかのエリクシル公爵も含めて全員は俺でよいとの太鼓判を押してくれた。まあこの2人が大けがをしないように同時に止められるのが俺だけという話なのだが・・・。


 リティアもミリス嬢も互いに武器を構え準備できたようだ。演武という形だったが・・・予想通り試合になりそうだな・・・では・・・。


「始め!!」


 リティアが駆けだした。ミリス嬢は迎撃態勢でその場から動かないようだ。ミリス嬢が槍を動かした。なかなかに早い。まだ届く距離だと思っていなかったリティアは慌てて足を止め横に移動する。その後槍を引きタイミングに合わせて懐に飛び込もうとするが・・・槍を引く時間がほとんどない・・・大したものだ。引く速度もつく速度と同等程とは・・・。リティアは踏み込めず距離を取らざるを得ない。だが距離をとればとる程不利になる。それをわかっているリティアは槍が届かないところまで距離をとると剣を構え再度突進する構えを見せる。


「何度も正面から来るなんて・・・あきれましたわ!」


 もうリティアの呼吸をつかんだのかすでに体の中心をとらえている突きを放つ。だが・・・リティアは突っ込んでいなかった。構えたまま届かないであろう距離で剣を振るった・


【合気斬り・真の一閃】


 先日マスターした、合気斬りを披露した。だが


「舐めるなですわ!!」


 槍に向かって放たれた飛ぶ剣閃を槍を思いっきり振って払う。だがそれもおとりだ。リティアはこの隙に間合いを詰めていた。ミリス嬢は体勢を崩している・・・と思うよな普通は・・・やるわミリス嬢・・・。


「舐めるなと言いましたわよ!!」


 大きく槍を振った体勢からさらに回転させて、隙をなくしたうえで回転の勢いが載った槍をリティアめがけて薙ぎ払ったのだ。

 リティアは躱せないと見るや、剣を盾にして受けに回った。ガチンという音とともに、リティアが吹き飛ぶ。普通なら追撃のチャンスではあるのだがミリス嬢は動かない。


「とんだ狸ですわね・・・今の効いてないでしょう・・・早く立ちなさい!」


「ばれたの・・・」


リティアは何事もなかったかのように立ち上がる。衝突の瞬間体を浮かせて衝撃を受け流している。こうなると不利なのは・・・


「まあ・・・リティアだよな・・・」


 すぐ後ろに控えていたエナが「えっ?」と声をあげる。


「膠着しているように見えますが?」


「あれはミリス嬢が様子を伺っているからだ。・・・技量はほぼ同等だが・・・リティアには自分と同等の技量を持つ長物の武器と対峙した経験が少ない・・・というかまだその経験をさせてない」


 その差が出ている。どうしてもリーチの差がある武器だ。剣としてはこういった開けた場所の場合どうしても懐に入らなければその力を発揮できない。俺が普段使うのは剣術か武術な為こういった武器に対する対策を十分にまだ教えられていない。扱えないわけではないがどうしても剣術の方が優先になってしまう。たいしてミリス嬢は剣と対することが多いのだろう、槍という武器の優位性をしっかりと把握している。だから


「当然こうなるな・・・」


リティアの竜器が空へと打ち上げられた。





次回後編、覇王が攫われる?までの話のつもりです。

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