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蘇る覇王と10の竜器  作者: jun
第2章 魔獣咆哮
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予定外の休暇と・・・と覇王 後編

 エナの決意が明らかに。


 さあもう体自体は落ち着いた。今日からは、素振りくらいはいいだろう。ベットから抜けて訓練場に向かう。そろそろリティアも来る頃だ。リティアの成長率は驚くべきものがある。そろそろ次の段階に行くべきか?ただ俺としても初めての弟子となる、手探り状態になってしまい、どこからどこまでをどれくらいの頻度で教えたらいいか考えながらやらなければ、無茶はさせるが無謀はさせないように体を壊さないように訓練させなければいけない。ただ訓練といっても人と打ち合うのはまだだ。何より相手がいない。俺だと技量の差がありすぎて、実践に近い戦いができない。かといってほかの兵士や騎士では、領主の娘であり騎士団からも娘扱いされているリティアに全力を出せない。魔物の中にほおりこむこともできない。できればリティアと同じくらいの錬度の違うタイプで全力を出してくれる相手がいれば・・・仕方がないどこからかアリア殿から相手を見繕ってもらえるように手配を頼むか?・・・・そろそろ着たようだ。おや?リティアとルオン以外に一人・・・これはエナ嬢か?いつもとは何やら少し違う格好だが?


 エナの格好はメイド服ではあったがどこか動きやすいような軽装風のものになっていた。そしてエナはセファーにこう切り出した。


「セファー様、私にもリティア様と同じ訓練を受けさせてはいただけませんか?」


「・・・・それは戦闘訓練の事を言っているのか?エナ嬢、どういうことをしているか理解していたつもりだったが・・・エナ嬢自体が無理な訓練と言っていたではないか?エナ嬢についていける訓練量ではないと思うが・・・」


「あなた様とリティア様のそばにいるにはこの程度の事をこなさねばこの先ついていけなくなると判断いたしました。訓練についていけないようなら私を外していただいて構いません。ですので同じ訓練を受けさせてください。その上でセファー様にテストしていただきたいのです、お二人のメイドになることと合わせて明日結果をお願いいたします」


(この目・・・決意は固いようだ・・・・プラナ量、体力に関してはリティアに及ばない・・・だが・・・試させてみて、もし可能性があるなら・・・いいリティアの相手にもなるかもしれん。俺が見ていれば無茶はさせないから、やらせてみるか)


「分かった、そうまで言うのなら同じ訓練を受けてもらおう」


 今日の朝の訓練はこうしてエナ嬢が混ざるという形で始まった。いつものメニュー走りこみからだ。リティアはすでにこの走り込み、ルオンと追いかけっこをしながらと楽しみながら走れるレベルになってきている。疲れないわけではいないだろうが、回復力がすさまじい、それに慣れてきた部分もあり無駄な体力を使っていない。対するエナ嬢は一歩一歩確かめるように体を動かしている。速力はもちろんリティアに及んでいない、だが体の動かし方は随分とスムーズだ。しばらくするとやはり疲れが見え始め、体勢も崩れてくるがそれも少しすると修正を加えてきた。


(驚いたな。リティアとは違う意味での天才だ。体のコントロール、体捌きにおいてはこの時点でリティアに迫ってる。まだ走っているだけだが・・・これはうれしい誤算だ)


 この後の状況も見てからの判断になるだろうが、もし思っている通りの才能の持ち主なら、優秀な護衛、また対人戦闘の専門家になれるかもしれない。そう思っていると流石に体力はまだまだのようで、彼女は疲れてつまずいてしまう。リティアが手を貸そうと戻ろうとしたが、視線でそれを止める。彼女が立ち上がろうとしているのがわかったからだ。彼女はほどなくして立ち上がりまたゆっくりとではあるが走り出した。


(メンタルも強いな、さて俺も楽しみになってきた。リティアとは違う種類の才能を育てられるかもしれない。・・・・・いかんなどうも・・・だが・・・俺は自分が戦うこと以外こんなに楽しみになることがあるとは思いもしなかった、リティアの時はそれほど強くは感じなかったが、2人目になって見ると、どうやら俺はこういうことが好きらしい。だが本当に偶然にしてはできすぎているな、才能が集まりすぎだ。剣才の塊のリティア、神獣の子ルオン、それにエナ嬢、もちろん1000年前に彼女たちより強い人材はたくさんいた。だがこれほどの才能を持ち合わせている人材が集まるのを見るのは初めてだ)


 その後結局エナ嬢は全部走りきることはできなかった。だがリティアの3分の2くらいまでを走り切った。初めて走るのにだ。実はリティアが走っている量は日に日に増えている。今は何と最初の倍近くを同じ時間で走っていた。その3分の2を時間目いっぱいに使ってだが走ったのだ。もちろんリティアが素振りをして終わるまで走っていたが。それでも6歳の少女が走れる量ではないだろう。認めよう彼女はリティアとは違う体を効率よく動かせるタイプの天才だ。


 疲れて気絶してしまったエナ嬢を背負い。使用人たちには驚かれたが領主邸のベットに寝かせてた。今日はもう動けないだろう。頭を一撫でして


「よく、頑張った。ゆっくり休んでくれ」


 部屋を出た。途中頭を撫でたあたりで目を覚ます気配もあったが、体が追い付かなかったのかすぐに寝入ったようだ。


(明日からはエナ嬢用の訓練も考えなければな・・・・さぁ明日が休暇最終日だ。森の攻略も修行内容もやることはたくさんだ)


そう考えていたセファーの口元は本人が気づかぬうちに笑みになっていた。




 体が限界を超え気絶した、途中暖かさに目を覚ますと私は背中におぶさっていた、体はそれほど大きくないが、しっかりとしておりとても暖かかった。そこでまた意識を失った。次に意識が浮かび上がってきたのは頭が誰かに、固い掌に撫でられている感覚だった。これもとても気持ちがよくすぐに私は意識を失うことになった。意識を失う前に最後に聞いた声はあの方の声だった。


「よく、頑張った。ゆっくり休んでくれ」




 翌日痛む体に目を覚ました私は、昨日の事を思い出し。頬が熱くなり、ベットの布団を握りしめて恥ずかしさからゴロゴロしてしまった。あれだけ啖呵を切ったのに最後まで訓練についていけなかった。その上気絶してしまいセファー様に背負われてここまで戻ってきた。しかもお礼も言えず撫でられて寝てしまうなど!メイド失格だ。セファー様に合わす顔がない。


「あぁぁぁぁぁぁ!」


 あまりにごろごろしてしまいベットから落ちた。顔が真っ赤なのが自分でもわかる。

 そこから頭を切り替えて、顔を洗い身支度をしてセファー様にお礼と昨日の結果、訓練をさせてもらえるかのテスト結果、恐らくは途中で、気絶してしまった私はダメだろうが聞きに行こう。少し残念で目の端に涙が出てしまうが、ふき取って再度鏡で整えて部屋を出た。





 訓練場に行くと、すでにリティア、ルオン、エナ嬢がいた。どうやら俺を待っていたらしい。エナ嬢はなぜか緊張不安気味だ。対するリティアはなんだかわくわく?しているようだ。


「良し!リティアはいつも通りのメニューをこなしてくれ。エナ嬢は少し違う訓練方法でやっていくから一旦こっちで相談だ・・・・ん?どうしたエナ嬢?」


「あの・・・私はその・・・合格なのでしょうか?」


 ここで何でエナ嬢が不安そうにしていたのか初めて分かった。そういえば今日がメイドについても訓練についても合否を発表する日だったな。きのうは新しい訓練内容を考えるのに頭をひねっており、すっかり忘れていた。


「あ~すまんな、言うのを忘れてたな。まあ文句の付けどころがないのでメイドについてはこちらからお願いしたい。訓練についても合格だ。君の才能を伸ばす手伝いをさせてくれ」


 エナ嬢はそれを聞いて顔をパアーッと明るくした。隣のリティアが


「ね?言ったとおりだったでしょう?これからもエナちゃんと一緒に訓練できるの!」


「ああ、訓練内容は少し違うが、いづれはリティアと打ち合ってもらうことになるから、リティアにとってもいい訓練相手になると思うぞ」


「ありがとうございます!私てっきり不合格かと・・・・全力を尽くします!お二方これからよろしくお願いいたします」


 こうしてエナ嬢も訓練に加わることになった。数年後エナ嬢はリティアの御衛、副官として一緒に戦いの場に出ることになる。その時も彼女はメイド服のままであったが、本人にとっては仕事服であり、何よりリティアと俺のメイドである、という方が第一らしくこのメイド服が正装であるとのことで、どんな時でもその服装を変えることはなかった。




次回は9/8頃更新予定です。

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