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蘇る覇王と10の竜器  作者: jun
第0章 
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プロローグ

初投稿です、拙い文章があるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。



「正気には戻ったか?」


 床に大の字になっている男が異形に向かって言葉を放つ。

 男の周りはひどい状況だ。緑豊かであったであろう山の頂上は禿げ上がり、大地は捲れ抉れ

あたりは火に包まれている。


「ふむ‥‥‥迷惑をかけたようだのぅ?覇王どの」


 異形、強大なトカゲのような存在が口を開いた。いわゆるドラゴンと呼ばれる存在である。

体は無数の傷がついておりおびただしい血があふれている。最も大きい傷は胸のあたりにあるバツ印の傷であり、どう見ても致命傷である。


「よしてくれ、俺はただの剣士だ。覇王なんて面倒な‥‥‥それより悪いな、あんた相手だと手加減できなかった」


「構わんよ。このままであれば我がすべてを滅ぼしておった、止めてくれたことに感謝こそすれ、責める気などありはせんよ」


 お互いの会話から出る雰囲気は周知の間柄であることがうかがえる。剣士の男は体を起こし表情を変えドラゴンに問うた。


「なんで狂った?ドラゴンで最も力を持ったあんたが」


「予想はついておるであろう?邪なるもののかけらに浸食された。我が奴と対峙した際隙を突かれ埋め込まれた、そしておぬしが奴の本体を打ち滅ぼした際逃げ出した奴の意識が我を完全に乗っ取り狂わせた」


「はぁ~、あいつやっぱりまだ滅んでないのかよ、ゴキブリ以上の生命力だな、迷惑な。でまた逃げたと?今度はどこに行ったのかわかるか?」


「ふむ?‥‥‥今度は少々追うのは難しそうだのぅ。時間を超えて逃げよった、我とおぬしが最後にぶつかった際の力をすべて逃げることに使った。偶然もあるだろうが時間の裂け目ができてしまいそこににげたようだのぅ‥‥‥大体これより1000年後ぐらいといったところかのぅ」


「1000年かぁ‥‥‥そりゃ無理だな。後の奴らに俺の尻拭いをさせるのは正直アレだが、仕方ねえか」


 剣士はそういうと起き上がりドラゴンに背を向けた。


「これからどうするのだ?」


 ドラゴンが剣士の背に声をかけた。


「後の連中を育てるのと、あとは趣味、強い奴と戦うことくらいかな?本当ならあいつと完全なけりをつけたかったからな、不完全燃焼気味でな」


「‥‥‥もし奴を追う方法があったらおぬしはどうする?」


「そりゃあ追って決着をつけるさ」


「そうか・・・ならば我の最後の力を使おう」


「はぁー?どうにかできんのか?」


 剣士はドラゴンに向かって振り返った。


「幸いまだ時間の裂け目は開いている。人一人を送るだけならば今の我の力でもできそうだ。しかし生身の人間を送るなど何があるかわからんが、それでも行くかのう?」


「はん!それぐらいの賭けは奴とのけりをつけられるなら上等なくらいだ。なに俺は死なねえよ」


「よかろう、その覚悟受け取った、行ってくるがいい」


 ドラゴンがそういうと剣士は光に包まれ時間の裂け目に吸い込まれるようにしてその場から消えた。


「おぬしに勝利を、我も最期に力を分けて残す。奴に一矢報いるため。また会おう覇王よ」


 ドラゴンはそう言い放ち10の光となって散っていった。



 かつて邪悪なるものと覇王の戦いがあった、多くの犠牲と戦いの末覇王は邪悪なるのも打ち滅ぼした。

 しかし覇王はその後国には帰らず、各地を転々としていったという。魔物を倒し、人を助け、狂ったドラゴンの神すら倒したという。彼のその後は歴史書に記されていない。彼の最後を知る者はいない。『いずれ蘇る覇王』といううわさのみを残して。



 覇王が邪なるものを滅ぼした光歴1052年覇王の物語はこのちょうど1000年後に再び始まる。



プロローグ エンド



1000年後へ

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