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余命十五年のチート転生 〜クズから始まる異世界成長物語〜  作者: 三太華雄
第二章 ネロエルドラゴ編

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事情


「…………はっ⁉︎」


 眼が覚め、見知らぬ場所にいることに気づくとネロは思わず飛び起きる。


「ここは……」


 ネロは慌てて辺りを見回す。

 机、タンス、ドア……よくある部屋の一室で見る光景であることを確認するとネロはホッと胸をなでおろす。


 見覚えのない場所で目覚めたことにより、あの転生の空間の場所を思い出し、死んだことを彷彿させた。


 ネロは落ち着きを取り戻すと、段々気絶前の記憶が戻ってくる。


――そうだ、確かエレナにハンマーで叩かれて


 思い出す我ながら情けない記憶に思わず頭を抱える。

 エレナにハンマーで叩かれ、仰け反ったあと、落ち着けと騒ぐエレナに見境なく連続で叩かれ続けると徐々に視界が真っ白になりそのまま気絶してしまった。


――……完全に不覚だった、まさかあんな魔法にあんな効果があるなんて。


 ピヨピヨハンマーの知られざる隠れた効果、それは相手を叩き続けると、気絶までさせることができるという事だった。


 相手がエレナだったからいいものの、もしこれが敵であったらかなり危険だ。


と言っても本来ピヨピヨハンマーはかなり効率が悪い攻撃であり、効果も薄いので一般的に使う相手はほとんどおらず、この効果も知られていない。それでもネロは警戒を募らせた。


――あれも対策を立てておかないと。


一つ課題を増やすとネロは考え込む。


――……それにしても


ネロはふと目線を下に向ける


――……さっきからそこにいるガキはなんだ?


ネロの目線の先には、まだ幼い小さな少年がこちらをじっと見ていた。


 身長はまだ低く、ベットの上に顔を乗せると、ちょうど体が隠れて見える。年齢的には五歳くらいだろうか?

少年は目と目が合うとニコッと無邪気に笑いかけてきた。


「あ、起きたのね」


今度は部屋の入り口から聞こえた声の方向に目を向ける。すると料理の支度をしていたエレナがこちらにやってきた。


「ここは?」

「ここはレイジさんの家よ。」

「じゃあこのガキはあいつの……」

「ううん、その子は弟のレンジさんの子供よ、名前はコルル君って言うの」


ネロはレンジの名前を聞くと露骨に不機嫌になる。


「あいつの子供がなんでここにいるんだよ?」

「なんでもレンジさんは奥さんを亡くしていて、事情があって他の人よりも遅くまで鉱山にいるから、ずっと子供を兄のレイジさんに預けてるみたいよ」


 そう聞くとネロはもう一度子供に目を向ける。

冷たい目線で見ようがコルルは再び目が合うと、やっぱりニコッと父親とは正反対の無邪気な笑顔を向けてくる。


ネロは、フンッと鼻であしらうと、そのままエレナに状況を確認する。


「で?あの男は?」

「レイジさん?あの人なら今、レンジさんところに行っているわ、あの後、レンジさんだけが納得してなかったみたいで解散後にもう一度話をしてるみたい。」

「チッ、めんどくせえ奴だな」


ネロがそう呟くとエレナはクスリと笑った。


「そうね、なんだか少しネロと似てるね」

「ハァ⁉どこがだよ⁉」

「さあ、どこでしょうねー?」


 そう言うとエレナはコルル連れて、食事の支度をしているキッチンへと戻っていった。

 レンジと似ていると言われたネロは、納得がいかずムスッとした表情をしながら再びベットに倒れこんだ。



――レンジ宅


「まだ納得できないか?」

「なんども言わせるな、貴族なんかの手は借りねーって言ってんだろ。」


 会議が終わってから数時間、レイジはずっと説得を続けてきたが、レンジは未だに納得しなかった。


「もうみんなも了承している。あとはお前だけなんだ。」

「なら、他の奴らと勝手にやってくれ、俺には関係ない。」

 

 そう言い切ると、レンジはライトとシャベルを持って出かける準備をする。


「待て、レンジどこへ行く⁉︎」

「いつも通り、鉱山さ、アレはまだ見つかってねーんだ。」

「今の状況を忘れたか⁉鉱山には化け物が――」

「だからこそだ、もしあの場所にあるとするなら化け物に壊されたりする前に見つけないと」

「……コルルはどうするんだ?」

「あの貴族たちは今、兄貴の家にいんだろ?ならどちみち迎えに行けねーよ。コルルの事はもうしばらく頼む。」

「お前……」

「それに早く見つけてやりたいんだ、コルルのためにも、あいつの形見を……」


 そう言うとレンジは外へ出て行った。

 本当は力ずくにでも止めないと行けなかった、しかしレイジもレンジの事情を知っているため、大きくは出れずただ無事を祈るばかりだった。




――

 ちょうど、エレナが夕食の準備をし終わるころ、レイジが家へと帰ってきた。


「あ、お帰りなさい」

「……ただいま、いい匂いがするね、エレナちゃんが作ってくれたのかい?」

「はい、待ってるのも何だったので」

「それはありがたい、俺はあまり料理は得意じゃないからね、これで少しはコルルにも美味しいものを食べさせてあげられるかな。」


 レイジが何事もなかったかのように明るく振る舞う。

 そしてレイジが戻ってきた音で目覚めたのか、ちょうどネロもあくびをしながら居間へとやってきた。


「やあ、ネロ君、さっきは弟が失礼なことを言ってすまなかったね。」


レイジの謝罪を、ネロはいつものようにまるで見ていないかのように無視をすると、レイジは苦笑いをする。


「ところで、レンジさんの方はどうなりましたか?」

「あ、ああ、完全にまでとはいかなかったが、なんとか納得してもらったよ。だから明日はよろしく頼むよ。」


少し歯切れの悪い回答にエレナは少し疑問を感じたが、レイジのよろしく頼むと言う言葉を聞くとエレナは安堵した。

流石にこのまま拒み続けられたら。今度もネロを抑える自信がなかった。


「ところで、コルル君はいつ迎えに?もしよかったら思ってレンジさんのぶんも作ったのですけど。」


 その言葉を聞くとレイジは少し言い辛そうに答えた。


「え、ええと、それなんだが……今日も遅くなるから迎えに行けないと言ってな」

「え?どう言う事ですか?」


 流石のエレナもこの言葉には問い詰めざる負えなかった。

 今、鉱山はモンスターが出る問題で作業は中断しているはず、なら遅くなる理由などないはずだ。

 エレナの質問にレイジの目が泳ぐ。


「レンジさんは今どこに?」

「……鉱山だよ」

「え、鉱山ですか?どうして……」

「まあ、あいつの場合は色々とあるからな。」


 そう言ってアハハと作り笑いでごまかそうとしたレイジだったが、ネロの姿がふと目にとまると、何か少し考えこむ。

 そして考えが決まると、作り笑いを吹き飛ばすように首を振り、真面目な表情で二人を見つめた。


「いや……そうだな、君たちには聞いてもらった方が良いかもしれないな、あいつが貴族を嫌う理由も含めてあいつの事を……」

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