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魔女の遍歴  作者: 天谷あきの
魔女の希望
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希望

 【魔女ビル】の外壁に設けられた扉には鍵がかかっていた。


 八階の北側に存在する扉を順に試し、三つ目の扉もやはりどうしても開かないとわかった時、リンはリーナの目を通して、ジェイドが攻撃のために魔力を振るうところを見た。


 やはりジェイドも右巻きだった。地表の雪から集めた水が捩れ合い、膨れ上がって、扉に襲いかかった。蝶番が凍り、水の塊がそこにたたきつけられた。びきん、耳を覆いたくなるような音がしたのに、蝶番は外れなかった。もう一度凍り、水が襲う。何度も何度も繰り返し、ジェイドはついに体当たりをした。


 でも外れない。


「くそ……っ」


 ふと、リンは、リーナの耳をそばだたせた。

 ジェイドの罵りに紛れて、何かが聞こえた。


「……イド!」


 リンは弾かれたように振り返った。

 雪山の方から、私服姿のマヌエルが飛んで来ていた。リンは叫んだ。


『フェルドが来た……!』


 よかった、【魔女ビル】という言葉はちゃんと通じていたらしい。ジェイドが体当たりをやめた。フェルドはあっと言う間にふたりのところまで飛んで来ると空中で急ブレーキをかけた。ジェイドは何も言わずにリーナを抱え上げ、箒に乗って足掛かりを離れた。


 水音が響いた。リンはジェイドの腕の中から首を伸ばして下を見た。

 積もった雪が水に変じながら立ち上がっている。


 フェルドが呼んだ水の塊は、呆気に取られるほど大きかった。少女寮ひとつをすっぽり飲み込みそうな量で、遠近感が狂って見える。膨れ上がりながら水の塊はゆるやかに形を変え、巨大な槌のようになった。先がきりきりと尖っていく。


 その時――


『フェルド……!』


 叫んだのは、聞き覚えのない声だ。

 その声と同時に、一瞬フェルドが落ちかけた。見ると、叫んでいるのは、フェルドの乗っている箒だった。

 フェルドはすぐに体勢を取り戻した。その親指が、箒の柄に不自然な形で押し当てられている。


『フェルド、無事だったのね!』


 びりびりと小刻みに振動しながら箒が叫んでいる。優しい女性の声だが、ひどく切羽詰まった響きを持っていた。


『そこを壊すより十四階に来て! 東側の14-E3扉はまだあたしが支配してる、ああ、放棄しないでおいてよかった! 鍵も開いてる、急いで……! 十五階の和食専門食堂の前よ! 早く、早く、早く……っ』


「……フェルドっ」


 ジェイドが声を上げた時にはもう、フェルドは東側の上層へ向けて飛び去った後だった。さっきの女性の声が、ジェイドに叫んでいる声が遠ざかっていく。


『ジェイド、中には使える水がないわ、必要かもしれないからその水、いくらか持って来て頂戴! 急いで! マリアラが、みんなが殺されちゃうわ……!』


 ジェイドは一瞬、躊躇った。

 でも唇を噛み締め、何かを振り切るように、フェルドの後を追った。水の塊が龍のように後を追って来る。東に回ると、フェルドが遥か上部の扉の足掛かりに降り立ったのが見えた。確かに、鍵は開いていた。フェルドはノブを回してすんなりと中へ入った。


 ジェイドとリーナも少し遅れて中へ入った。フェルドの姿はもうとっくに見えなかった。


 ジェイドが自由に動けるよう、リンはジェイドの腕から飛び降りて、先に立って走りだした。リーナの体はリン自身より軽やかに動いた。でも、フェルドには追いつけなかった。初めの階段に駆け込んだ時にはもう、上の方で足音が聞こえるだけだ。


 頭上からさっきの女性の声が叫ぶ。


『ああ、ララが――ララが撃たれたわ――急いで、急いで、急いでっ』


 状況を伝えるその声が悲痛すぎて、リンは耳をふさぎたくなる。


 十五階に飛び出し、目の前の角を曲がると、長い廊下の中ほどにフェルドの背中が見えた。その先の右側に和食専門レストランの入り口が見え、その向こうを見て、リンは一瞬足を止めかけた。


 何があったというのだろう。おびただしい血がそこに見えた。

 倒れているのは三人だった。血まみれで倒れているのはヘイトス室長だ。リンはゾッとした。ヘイトス室長の上に覆い被さるように、マリアラが倒れている。その向こうに、よく見えないが、背の高い若者も倒れているようだ。


 その近くで。

 立っていたララが、よろめいたところだった。


 ララは倒れかけたが、壁にすがって体勢を立て直そうとしている。こちらに背を向けて立ち、ララに〈銃〉を向けているのはジレッドのようだ。小太りのびしょ濡れのおじさんが座り込んでいて、小さな女の子がマリアラに歩み寄ろうとしていて、その向こうに――

 ガスマスクをつけた、若者が立っている。


 その光景を、ゆるやかに降りるシャッターが、隠そうとしていた。

 リンはぞっとした。


 ――閉じちゃったら……!


 ジェイドがつれて来た水の龍が飛翔した。しかし、間に合わなかった。水の龍とフェルドの目の前でシャッターが降り、ずずん、と地響きを響かせた。


 続いて〈アスタ〉のスピーカーから流れ出たのは、身の毛がよだつほど綺麗な声だ。


『危なかった……だが間に合ったな。フェルディナント、僕の勝ちだね』


 ばすん、鈍い音が響いた。「うぁっ」シャッター越しに聞こえたのは、ララの呻き声だ。


『さっきはよくも……だが僕は結局、欲しいものを全部手に入れた。裏切り者のヘイトス……猛獣のようなライラニーナ……そして一番やっかいな、マリアラ=ラクエル・マヌエル。ジレッドはマリアラにひどい目に遭わされたらしいんだ。こんな無垢な顔をして、ひどいことをするものだよね。雷の後遺症がひどくてね、魔女の治療を受けてからも、恐怖を克服するのに今までかかった』


 ばすん、また響いた。今度はララの声は聞こえなかった。


『マリアラを好きにしていいと言う条件が、やっとジレッドを解き放ったんだよ……でもジレッド、次のエルカテルミナが生まれるまでマリアラを殺すわけにはいかないよ。分かっているだろうけれど』


 声が釘を刺し、ジレッドが嗤うのが聞こえた。


「殺しませんよ――そう簡単に、楽にさせてたまるかよ」

『三人とも殺すなよ。死ななければ何をしても構わないから。フェルディナント、このシャッターは開かないよ。そこで聞いてるといいよ……今保護局員をよこすから、それまでの短い間だけれど……』


 くすくすと麗しい声が嗤う。リンは呆然とその声を聞いていた。

 このシャッターの向こうで――今何が、行われようとしているのだろう。


 窓にもすべてシャッターが降ろされ、廊下は薄暗かった。向こうに行く術も、マリアラへの暴力を止めさせる術もない。何もできずにただそれを聞いていろと言うのか。あまりの悪意にリンは愕然とし、戦慄とともにフェルドを捜した。


 しかしフェルドは、その凱歌を、全く聞いていなかった。




 フェルドは一瞬も立ち止まっていなかったらしい。今はもう、右側の壁に駆け寄っていた。シャッターのすぐそば、フェルドの腹の高さに、小さな赤いボタンがぽつんと見える。


 フェルドはそこに右手を押し当てた。


 ――開くわけないのに、何してるの?


 リンがそう思った、瞬間。

 フェルドの全身から、若草色の粒子が、吹き上がった。


 同時に膨大な魔力が迸った。ジェイドが足を踏み締め、リーナの小さな体が衝撃で飛ばされかけた。『ああ……っ』リンは思わず悲鳴を上げた。若草色の粒子がびりびりと全身を打ち付ける。ジェイドがリーナの上に覆いかぶさり、その上からさらに強い衝撃がふたりを襲った。


『何てこと……!』


 先程の女性の声が頭上から響いた。その声は歓喜に満ちていた。


『そう、そう、そうよ、【魔女ビル】を動かしているのは全て魔力の流れよ……! 〈アスタ〉、〈アスタ〉、〈アスタ〉! フェルドに従いなさい、エルカテルミナの命令に背ける魔力なんか、この世に存在しない! 魔力は全てエルカテルミナに行使されるために存在するのだから……!』


 ずずず、シャッターが上がり始める。リーナの目から口から鼻孔から肉球から、若草色の粒子が流れ込んで来ていた。フェルドの意志が神経中を駆け巡り、全ての機能を居丈高に従えるのをはっきりと感じた。リンの意志など関係なかった。フェルドが今窓から飛び降りろとリーナに命じたとしたら、そのとおりにする以外に選択肢などなかった。


 そうだ、と、頭のどこかで考えた。


 【魔女ビル】の中にも魔力供給網が張り巡らされている。【魔女ビル】全体がすでに、巨大な魔法道具みたいなものだ。


 リーナは全身を駆けめぐる魔力の流れによって、【魔女ビル】と擬似的に接続されている状態だった。リンは、【魔女ビル】の中に張り巡らされた魔力供給網をフェルドの意志が支配していくのを“視た”。もちろんプロテクトはかけられていた、が、明確な意志を秘めた圧倒的な魔力を前にして、プロテクトはあまりに脆弱だった。魔力供給網の中を流れる魔力が、次々にフェルドの意志に染められていく。


 イーレンタールがわめいた言葉を、リンは体全体で感じた。


 ――どんだけ規格外なんだよ……!


 イーレンタールが構築したプログラムが次々に消し飛んでいく。それを後押ししているのは〈彼女〉だった。激流から逃れようとプロテクトの残骸にへばり付くプログラムを、〈彼女〉はひとつひとつ指で弾いては、激流の中に落としこんでいく。そうしながらその奔流の回りで踊り、笑い、高らかに叫んでいた。


 ――ほらみんな、従いなさい、従いなさい、エルカテルミナの命令よ、みんな従いなさい……!


 ゆるゆると上がるシャッターの向こうで、ジレッドがマリアラの首に手をかけていた。ジレッドの顔は憎しみと愉悦に歪んでいた。シャッター越しにジレッドはフェルドを睨み、


「止めろ! この娘の首を折られたいのか……」


 言いかけた。しかしジレッドは、最後まで言うことができなかった。

 ジレッドの背後にいた、ミランダによく似た黒髪の小さな女の子が、襲いかかったのだ。


「ぐあ……っ」


 ジレッドが横ざまに蹴り倒された。小さな体なのにその蹴りは恐ろしく強く、手加減など一切なかった。肋骨のひしゃげる音が確かに聞こえたほどだ。


 ジレッドを見下ろす小さな女の子の瞳は、若草色に染まっていた。あの子もだとリンは悟った。あの子も魔法道具だ――フェルドと〈彼女〉に支配された【魔女ビル】に、擬似的に接続されたハードウェアになっていた。


 シャッターが上がりきった。小太りのおじさんと、ガスマスクの男が後ずさった。


 フェルドがシャッターの下を通り、マリアラの方へ歩いていく。黒髪の少女は、きゅう、という音を立てて動きを止めた。瞳からすうっと輝きが失せ、ゆっくりと、倒れ込む。


 ジェイドがリーナを離し、立ち上がった。ジェイドはララの方へ行き、リンはリーナの体で、ヘイトス室長の方へ向かった。室長は目を開けていた。深手だが、マリアラが治療したのだろう――どうやって? とリンは思う――命の心配はなさそうだ。まだ起きられなさそうだし、出血も多そうだし、今すぐ魔女の治療を受けた方が良さそうではあったけれど。


 リーナが覗き込むと、室長は、かすれた声で言った。


「あなたは……」

『あたし、リンです。リン=アリエノールが、今この猫を、動かしています』

「ああ……リン……」室長はかすかに咳き込んだ。「あの男に……気をつけて……今……」


 見ると、すでに、ガスマスクの男はいなくなっていた。目を離した一瞬の隙に逃げたらしかった。室長もそれを見て取ったのだろう、少しだけ体をずらして、フェルドを捜した。


「フェル……ナント……マリアラが……コインを……持って、います……今、すぐ……」


 ひゅうっ、と肺が鳴る。しゃべらないで、と言いそうになったとき、頭上からあの声が聞こえた。


『あんまり時間がないわ。よく聞いてね。さっきまでコインの妨害電波が出されていたの、行き先を狂わせる妨害電波。今も出ているかどうかはわからない、はっきり確かめられないの。でも、そのレストランの近くに、赤い消火器が見えるでしょう? そこなら初めから妨害電波が届いていないから、コインを使っても大丈夫。マリアラのコイン、そこに落ちているわ、それを使って移動して……マリアラが大ケガをした理由はわからないけれど……そうしなければ、ヘイトスさんが死んでいたことは確かだわ……』


『あなたは誰なの?』


 リンは訊ねた。訊ねずには、いられなかった。


 先ほど【魔女ビル】に接続された一瞬で見た、〈彼女〉の姿を思い出す。若い女性の姿だった。リンとあまり変わらないくらいの年頃の、くるくる渦巻く長い黒髪をした、そばかすのある可愛らしい少女だった。


『あたしのことはマリアラに聞けばわかるわ……早く行って……ありがとう、ありがとうね、みんな……あたし幸せなの、今最高に幸せなの、生まれてこの方こんなに幸せだったことってないわ。マリアラに伝えてね、気に病まないで、あたしのために心を痛めないで、幸せで……笑って……て……』


 声が途絶えた。

 廊下に、静寂が落ちた。


 〈彼女〉はどうしたのだろう。そう、リンは考える。幸せだと言ったから、たぶん、大丈夫なのだろうけれど……。

 ララの様子を見ていたジェイドが、フェルドを振り返って言った。


「ララは……狩人の〈銃〉で数発、撃たれたみたいだ。でも大丈夫だって、言ってる」

「早く行って……フェルド……」


 ララがか細い声で言った。

 こめかみと、それから体の左半分のどこかを撃たれたらしく、顔や首元や左手に、じわじわと黒い毒が広がり始めているのが見える。けれどララは微笑んでいた。こちらも、ひどく幸せそうな顔をしていた。


「あたし、あたし……ダニエルのくれたコイン……持っているから……大丈夫、すぐ、治して、もらえる、から」

「私も、ミシェルも、大、丈夫、です」


 室長が囁いた。先程より少し声がはっきりしている。


「リンが、来てくれました、し……ジルが、たぶん、すぐ近く、まで……来てるはず……。ミシェルのことも、お任せください。彼の活躍は、わたくしが必ず、伝えます。処分など、絶対に、させません……です、から……」


 フェルドはマリアラを抱き上げ、右手にコインを拾い上げていた。マリアラの口元から血が一筋垂れていて、フェルドは心配そうに眉をひそめている。

 そのせいか、顔色が少し悪い。


「後は任せて」


 ジェイドが言った。ララの右手を、自分の肩に回しながら。


「うまくやるよ。ララはあの消火器のところまで運べばコインでダニエルのところに行けるわけでしょ。その後は、さっきのところからヘイトスさんを連れて外に出れば、ガストンさんがもう、外まで来てるだろうから」


「……ジェイドは」


 フェルドが言いかけ、ジェイドは、珍しいことに、ひどく人の悪い笑みを見せた。


「大丈夫だよ。もうちゃんと手は打ってあるんだ。“あの男”さんは俺には絶対に手を出せないように、してあるんだよ」

『マリアラのコインの先には、人魚がいるの』リンは口を添えた。『あたし……あたし思ったんだけど、マリアラはね、ヘイトスさんを治すために……コインについてた魔力の結晶を飲み込んだりなんか、したんじゃないかと思う。マリアラならたぶんそうすると思う、体内に少しでも魔力があれば、外から魔力を呼び寄せることができるんだって、知ってたんだもの。でも、その魔力が体に合わなかった、そういうことじゃないかと思うんだ。だから、ふつうの魔女じゃマリアラを治せないかもしれない――でも、人魚がいるから大丈夫。早く行って、フェルド。後のことは、心配しないで』


「その声……リン、だよな」


 フェルドが言い、リンはリーナの顔で、笑って見せた。


『これで恩を返せたよね? あの時……南の大島で、本当に本当に助けて欲しかったときに、助けてくれてありがとう……』

「大丈夫だよ、フェルド」ジェイドが言った。「あの子には俺がついてるって、言ったよね。リンにも、絶対に手出しなんかさせないから。……今でも意味がわからない?」

「いや、わかる。わかってた。ありがとう。恩に着るよ」


 フェルドが言い、ジェイドは笑った。


「借りを返しただけだよ。俺も本当に助けて欲しかったときに……助けてもらったから。だからさ」

「なんだそれ。そっちは意味わかんねえよ」


 フェルドも笑い、手に握りしめていた何かを、マリアラの体越しに、指に挟んでジェイドに差し出した。ジェイドが受け取り、眉をひそめた。リンにも見えた。それは小指大に縮められた箒だった。


「それ、エイベルさんに借りたんだ。悪いけど返しといて。あと……ミシェルにさ。礼を伝えて。マリアラとララを守ってくれてありがとう、ほんとに感謝してるって」


 ジェイドははっきりと顔をしかめた。フェルドは、悪い、と言った。


「ミシェルは悪いやつじゃないんだ。いい奴なんだよ。……礼を伝えて欲しい。ほんとに助かったって。しばらく会えそうもないから」

「……悪い人じゃないってことは、わかってたよ」ジェイドはフェルドに顔をしかめて見せた。「でも伝言は受けられないよ。自分で言ってよ。いつか帰ってきたときにさ」


「わかった。そうするよ」


 フェルドは笑い、マリアラを抱えたまま、消火器の方へ歩み寄った。

 ずたずたに裂けたマリアラの手から、ぽたぽたと血が垂れている。


 でも大丈夫だとリンは思う。もうマリアラは、絶対に大丈夫だ。

 だってフェルドが、この上なく大切そうに、マリアラを運んでいくからだ。


 リンはふたりの後ろ姿に向けて叫んだ。


『あたし、あたし、頑張るから……! 前にも言ったけど、あたし、ちゃんと保護局員になったから……フェルドとマリアラが、いっぱい観光して、いろんな場所行って、いろんなもの見てっ、それで帰って来たくなったとき……絶対自由に大手を振って帰ってこられるように……そんな国にするために頑張るから……! マリアラも、フェルドも、また帰ってきてね! あたし頑張るから!!』


 にゃあにゃあ叫ぶリンの声に、消火器のところまでたどり着いたフェルドは振り返って、もう一度笑った。


「期待してるよ。ありがとう」


 そして。

 きゅん、という音と共に、ふたりの姿がかき消えた。

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フェルドが来てくれたよマリアラ! よかったね、よかったね、よかったね‼︎
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