6.ヒロイン、思わぬ事態
今回、短いです…
おはようございます!
姫百合 鈴蘭、12歳です!
転生しまして、現在前世の記憶持ちです!
うん。自己紹介でこの挨拶したら男子達ひいてくれないかな…
女子とは是非とも仲良くしたいので実行はしないけどね。
さて、起きましょうかね。
…6時ってまだ薄暗いんだね。
…。
私はもう覚悟を決めたのだ!男子達と極力関わらない生活を送ると!
だから私の頭、もう少し寝てもいいんじゃない?とか考えるのをやめろ!
私の体、起き上がることに拒絶反応を起こすんじゃない!!
下からお母さんの鼻歌が聞こえる。大方、張り切って化粧でもしているんだろう。
私よりお母さんの方が張り切っているってどういう事だ。
…しょうがない。準備しよう。
myベッドにしばしの別れを告げ、重い腰をあげる。
顔を洗い、新しい制服に身を包む。─── 余談だが、私が受験した学校の制服はとても可愛い。私はその制服の可愛さにひかれて受験した。不純な動機だけどね。それほどに魅力的な制服なのだ。
ワンピースタイプで、白を基調としている爽やかな制服。まくられた袖や、襟、スカートのプリーツの間から見える青いチェック柄がアクセントになっている。リボンかネクタイか選べて、私はリボンを選択した。
とにかく、そんな私の超絶好みの制服を着ると、少しだけだがテンションが上がっていく。
優れている容姿のおかげもあり、なかなか様になっていた。
次は髪を整える。
いつものようにサイドを編み込む。いつもならそこで終わりなのだが、今日は、できた編み込みごと昨日雷兎から貰った紫色のシュシュで一つにしばってみる。
(うん、変なところはないよね。)
この髪型は『漫画の鈴蘭』を少し意識してみた。
漫画の通りだと、この後しばらくは『高嶺の花』として扱われ、男子達からも遠巻きに見られるハズなのだ。そう。男子達から!
女子達はこちらから距離を縮めればいいんだ!ぼっちにはならないぞ!
その後、しっかりと朝食を食べ、義父と雷兎から制服について褒めてもらい、母と一緒に学校へ向かった。
さあ、出陣だ!
・・・・♢・・・・
(き、緊張する…)
家から歩いて20分ほどしか経っていない。それなのに、もう学校が見えてきてしまった。
ええ、そうです。家からそれなりに近いんですよこの学校。それも志望動機の一つだったりするんだけど。
そんなことを考えている間に校門をくぐってしまった。
お母さん、桜が綺麗ねえ、とか言っている場合じゃないんだよ。
だんだん校舎が近づいてくる。…と同時に強い既視感が襲ってきた。
(ああ、ヤバイ。ここでクラス表を貰う時にすれ違うんだよ。『熊谷 信也』と。)
ドクン、ドクンと自分の心臓の音だけが聞こえる。
その次の瞬間、前を歩いていた人と肩がぶつかってしまう。
(あ、倒れる…)
この倒れ方だと太ももをすりむいちゃうかな…なんて考えた。なんて幸先悪いスタートだ。
そしてまっていたのは激痛…ではなく、男の人の腕だった。
「ごめんなさい、大丈夫ですか⁉︎」
ところどころはねている黒髪。パッチリとした目。男子にしては華奢な体。
私を今支えてくれてるその人は、例の漫画のヒーロー、
『熊谷 信也』だった。
短い上に切りの悪いところで終わってしまって申し訳ありません…
次回は早めに更新する予定です!ていうか、したいです!
本当に、こんな駄文を読んで下さっているみなさま(いるのか…?)、心からお礼を申し上げます。ありがとうございます!