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4.ヒロイン、『どんな状況でもポジティブに』

やってしまった…

何をって?現実逃避をしすぎたんだよ私!バカ!


お母さんに言われてお昼ごはんを美味しくいただいた後、私は重い腰を上げ、自分の部屋へ戻り、また頭が痛くなるまで考えこむ予定だった。うん、そういう予定だったんだよ。ちゃんとその気はあったんだよ?お昼ごはんで現実逃避を図ったのは良くなかったけどさ…

しかし、その予定は実行されなかった。その後の私の行動をまとめると…

1.弟に誘われるがまま、一緒にテレビゲームをしてしまった。(うちの弟は普段から生意気だが、明確な反抗期はまだ迎えてない。)

2.お母さんに言われるがまま、掃除の手伝い、晩御飯の準備の手伝いをした。

3.結構な時間になってしまったので、ちゃっちゃとご飯を食べ(お義父さんも帰ってきたので家族みんなで食べた)、ちゃっちゃとお風呂に入り、ちゃっちゃと歯を磨いて自分の部屋に帰ってきた。


そして現在午後10時。そんなに遅い時間ではないけれど、受験以降早寝早起きをモットーとしている私としては、いつもならそろそろ布団に潜り、本でも読んで寝ようという時間だった。

どうしてこうなった…。もう時間がないじゃないか。

うん、誘われるがままとか言われるがままとか、人のせいにしたらいけないね。断れなかった私が悪い…


私は頭を切り替える。

さて、そろそろ本気で考えよう。私が起きていられるのはせいぜい後1時間くらいだが、それでも考えないよりはましだ。

まず、ヒロイン・『姫百合 鈴蘭』とヒーロー・『熊谷(くまがい) 信也(しんや)』の出会いは中学生の頃だ。『鈴蘭』が受験した学校は、中高大一貫校。その中学1年の時のクラス割りを確認する時。2人はすれ違う。出会いとも言えないような出会いだが、番外編に描かれてあった。さらに言うと、2人は高校1年生で初めて同じクラスになる。(ありきたりとか言っちゃダメだよ!)

あれ?ってことはもしヒーローがいたとしても高校まで私との接点はないに等しいってことじゃん!!

やったね。私は彼氏なんか作りたくないし、青春の甘酸っぱいあれこれなんか求めていない。

求めているのは平穏な生活と、女の子の友達だ。…自分で言っていて悲しい。ありゃ、目から汗が…


それはともかく次は、私の『学校生活での目標』を決める。でも、実はもう決まっているんだ。目標は…

『迫り来る男どもの攻撃を華麗に避け、女の子達と仲良く過ごす』だ。これ以外にはない。

ちなみにこの『男ども』の中には、漫画でのヒーローや当て馬達も入っている。いや、そもそも当て馬やヒーローってこの世界にいるのか分からないけど。この、漫画に酷似している世界にはヒロイン(私)も、サポートキャラ(雷兎)も、ちゃんといた。でも、それだけではこの世界に他のキャラがいるという確証にはならない。

私と雷兎だけ酷似しているのかもしれないし。もしかしたら漫画の世界っていうのも私の思い込みのせいなのかも!?

そう考えると心が軽くなったような気がした。そうだよ、漫画の世界みたいに、『鈴蘭』がメチャクチャモテたり、ヒーローや当て馬と出会わない可能性もあるんだよ!もちろんヒーロー達がいなくても、他の男子が怖いけど。話さなければいいだけだし。

ほら、『どんな状況でもポジティブに!』。7年前から雷兎に言っている言葉じゃないか。

前世では、女の子の友達なんか、ろくにできずに死んでしまったんだ。

ちょっとくらい学校生活を楽しんでもいいと思う。

まず学校へ行ったらあの漫画のヒーロー『熊谷 信也』とすれ違うか、確認しよう。大丈夫、私は生きていける。


思考がひと段落すると、今まで誤魔化していた睡魔が一気に襲ってくる。明日はお母さんとお義父さんが入学祝いをくれるって言ってたな。なにをくれるかは明日のお楽しみって言ってた。パーティーもするって言ってたし(中学校入学ってだけなのに、大袈裟だよね。嬉しいけどさ。)、明日はこの世界のことなんて考える暇もなさそうだな。

「私、頑張るよ。りーちゃん…」

そっと呟いてみた。りーちゃんって誰だろう?

もう限界だ。今日は濃い一日だった。

「おやすみなさい…」

明日も明後日も明々後日も、今度こそ幸せな日々が続いてくれることを願って。


読んでくださり、ありがとうございます!

やっと1日が終わりました…

そう、まだ1日目なんですよね、4話目にして;^_^A

進みが遅い部分がありますが、頑張ります(汗)

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