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20.ギブアンドテイク(雷兎 視点)

2015/05/31、二話連続投稿しました。

前話をお読みでない方は19話から読むことをオススメ致します。

「小菊ちゃん、先に鈴ちゃんの部屋に入っててください。わたしは準備を手伝ってきますので。」

「え? うん、分かった」

「行きましょう、鈴ちゃん。」


姉さんと吉崎さんが下に降りていく。これから目の前にいる陽野さんの誕生日パーティーをするそうだ。


「ねえ、雷兎君」

「何ですか?」


陽野さんはもう姉さんの部屋に行くと思っていたのに話しかけられた。意味のない会話はもう終わりかと喜んでいたのだがどうやらまだ話すようだ。作り笑いが疲れる。ていうかもう姉さん以外との会話は全部疲れる。早く部屋に帰りたい。



「鈴蘭が男嫌いなことは知ってる?」

「は?」


姉さんは前から若干男子のこと苦手っぽかったけど(本人に教えると途端に男子への拒絶反応が大きくなりそうだから教えてない)男嫌いってほどじゃないと思う。


「男嫌いってほどじゃないと思いますけど…」

「…そっか。じゃあ、鈴蘭の性格が突然変わった日とかはない?様子がおかしかったりとか…」

「あー…」


4月頃、ちょっとだけ様子がおかしかったような気がする。確か、髪を切った後…だったような。

取り敢えずそのことを伝えてみる。ていうかこの人は結局なにが聞きたいんだろう。


「うん、そっか。…やっぱり…。ありがと、雷兎君!」

「はあ。俺からも一つ聞いていいですか」

「何?」

「姉は学校でうまくやれていますか?」


小学校の頃、女子から軽いイジメにあっていた。人見知りのせいで『お高くとまってる』とか噂されていた。ふざけんな。


「…ちゃんと合格してうちの学校きて!びっくりするわよ〜」

「答えになってないんですが」

「自分の目で確かめるのが一番!ねえ、また、鈴蘭の様子がおかしくなったりしたら教えてくれないかな?」

「いいですよ。その代わり学校で何か問題があったら教えてください。…それと、何で姉の様子が知りたいんですか?毎日学校で会っているでしょう?」


さっきから気になっていたことを聞いてみる。


「…どのくらい思い出したか知りたくて」

「え?」

「何でもないよ。便利だしライン、交換しない?」


なんとなく釈然としなかったが言われるがままに交換し、陽野さんは姉の部屋に行った。

今の意味不明な会話でかぶった猫が少しだけ剥がれてしまっていたな、と反省する。



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「明けましておめでとうございます!新年の挨拶にきたよ〜」

「…おめでとうございます」


午前1時という夜中に部屋に入ってきたのは俺の義姉、鈴蘭だった。


「どうしたんですか?」

「…何が?」


小首を傾げている。言葉はいつも通りだが、纏ってる雰囲気が違う。姉さんは中に入ってきて、ベッドに浅く腰掛けた。


「何を悩んでるんですか?」

「…何で分かるのよ。お母さんもお義父さんも分からなかったのに」

「8年間見てきましたからね」

「それを言ったらお母さんは13年間なんですけど」


眠くなってきたのかベッドに倒れこんでいる。


「…雷兎、いなくならないでね」

「当然でしょう?」

「先に死なないでよ」

「…不吉なことを言いますね」


何をいきなり。これは…小菊先輩に報告した方がいいだろうか。あれから小菊先輩とは週一のペースで連絡を取っている。小菊先輩からの連絡は大抵が『鈴蘭かわいい』や『鈴蘭すごい』であんまり収穫はないが…。


「ふぁ〜。眠いわ。ちょっと寝ていい?」

「いいですよ」

「おや…すみ」


俺ももう少し勉強したら寝よう。その前に小菊先輩にラインを送っておくか。



・・・・◇・・・・


2月14日、バレンタイン。

家に帰ると姉さんからチョコを渡された。でも明らかに姉さんからじゃない。ラッピングも不恰好だし、チョコもこれは食べ物なのか疑いたくなる見た目だ。


「味は保証するわよ。あと、はい。これ私から」

「ありがとうございます。…この見た目で味の保証つきですか」

「とにかく食べてみて。じゃあね」


誰からなのか聞き忘れた。中身を見てみるとメッセージカードが入ってる。

『これからも情報、ちょうだいね! 小菊』

…意外と抜け目ないな、あの人。

















本日もありがとうございます。

雷兎、シスコンにしすぎたかも…?

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