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17.ヒロイン、順位は…?

「姫百合さん」

「…はい」


担任のもとへ行き、ある物(・・・)を貰ってから再び自分の席に着く。担任から渡された、ファイルの中に入っているA4サイズの紙をゆっくりと開くと…


「…っっ!」


目に飛び込んできたのは、ズラリと並んだ『9』。そして前回はとれなかった数字『10』。

私の心の中で歓喜の悲鳴が上がった。



・・・・◇・・・・


「良かった…。夏休みも頑張った甲斐があったよ」


もう涙目。チート…。チートなんてどこにあるんでしょう…?

いや、外見とか前世の記憶とか結構チート状態ですけれども。


明日から冬休みが始まる。したがって今日の7時間目、担任から私達に『クリスマスプレゼントだ!』とかふざけたことを抜か…お茶目なことを言いながら渡された通知表。

私の結果は、ほぼ『9と10』。いや〜、テストも頑張った甲斐があったね!学活や国語の時間に何度か居眠りしちゃってたから心配してたんだけど大丈夫だったらしい。前回はほぼ『8と9』だったのでかなり嬉しいよ。

結構頑張ったのには理由があって。来年からは我が弟、ハイスペックすぎる雷兎が入学してくる。(まあ、受験に受かればなんだけど私に入れてあの子が入れない可能性は0に近い)

その時に!…私の成績をあの子はいとも簡単に抜かしてしまうでしょう。ええ。

その時が来てもにそこまで差がつかないように頑張ったのです。姉の威厳を維持したい(ほぼ0の姉の威厳だけど)。

雷兎は絶対余裕な顔してオール10でもなんでもとりますから。ケッ!

…まあ裏で頑張ってるのをこの鈴蘭お姉ちゃんは知ってるからチートだ!とかは言えないんだけど。


「小菊ちゃん、通知表はどうでしたか?」

「ん?一学期通りかなぁ。あ、でも9が一個減ってた」

「どうせ9が10に変わってたんでしょう?もう!小菊ちゃんにはあと一歩とどかないんですよ!熊谷君はどうでしたか?」

「僕も一学期通りかなぁ」

「…はあ。嫌になりますねぇ。鈴ちゃん」

「…このハイスペックどもが」


机に突っ伏しながら返事をする。…あら、お口が悪くなっちゃいました。

結構うるさくしちゃってるけどファーストフード店だし、平気だよね。

放課後、冬休みに入ってしまうということで寄って行こうという話になった。うん、みんなで。熊谷君が居るのに違和感を感じなくなってきた自分が怖い。席は隣なんかじゃなく、斜め前だけど。そこは譲れません。

それより…。


「あのさ、茉里ちゃん?」

「何ですか?」


ガバッと顔を上げる。


「学年3位が何言ってんだー!」

「ひぇー!?」


茉里ちゃんのホッペを怒りに任せてムニムニと掴む。あ、気持ちいい。


「あと学年1位、2位!涼しい顔して言ってるけどあんたら異常ですから!」


きくと、この人たちの通知表はほぼ10だと言う。

漫画だと私…『鈴蘭』が『信也』をおさえて学年一位だったのに…。物語補正的なものは働かないのか。

いや、働いたら働いたで私は熊谷君と付き合うことになってしまうので、なくて正解だけど。


今のところ…

学年1位 ー 熊谷 信也

学年2位 ー 陽野 小菊

学年3位 ー 吉崎 茉里

学年4位 ー 姫百合 鈴蘭

という順位。何このいつものメンバー感。


熊谷君はともかく(漫画だと2位だったから)小菊!茉里ちゃん!

小菊も茉里ちゃんも全然漫画通りじゃないね…。あ、私がダメダメヒロインだから2人が主役になるのかな?そうだったら嬉しいんだけど。


ってそうじゃなくて。小菊は漫画だと中の中の成績だったし、茉里ちゃんは…ん?


(あれ?もしかして登場すらしてない…?)


なにそれ。こんなに可愛い茉里ちゃんを背景・クラスメイト1にしとくのはもったいないです、作者様!

でも…そっか。漫画だと学年3位以降は分からなかったから茉里ちゃんはかなり上位設定なのかも。…真っ先にそう考えてる時点で私の中で漫画と現実の区別が曖昧になってきてる、って感じる。ここ(現実)は漫画じゃない。そこを分かっておかないと。

…フゥ。



「…ごめん。冬休み、遊ぼう」


再び机に突っ伏して呟く。息抜きがしたい。遊びたい。



「「え…」」


え?小菊と茉里ちゃんの声がハモった。なんかおかしい事言ったかな?


「…鈴ちゃん、多分ここで誘うと熊谷君も付いてきそうですけど大丈夫ですか?わたしが言うのもなんですけど…」


茉里ちゃんが耳元で教えてくれる。あ、そういう事か。確かに斜め前を見れば『いいな、いいな』という顔でコッチを見てきてる。でもね。私は対抗策を生み出しました!


「熊谷君、一緒に行く?」

「え?いいの?」


小菊と茉里ちゃんが驚愕の眼差しをこちらに向けている。


「いいよ?じゃあ初詣でも、みんなで行こうか。でも…」


私は、熊谷君が苦手…ヘタしたら嫌いであろう人をみつけた。


「天野さんも一緒に行こうね。茉里ちゃん、天野さんに言っておいてくれる?」

「え⁉︎ 舞に?」


学園祭のときに気が付いてしまった。天野さんが熊谷君にまとわりついてる時、熊谷君の顔はいつもの穏やかな笑顔じゃなく引きつった笑みだった。

ほら。熊谷君、固まってるよ。ついでに小菊と茉里ちゃんも固まってるけど。

しめしめ。性格悪い?どうとでも言ってください。

これは勝った…と思い心の中で高笑いしようとした時だった。


「天野さんも一緒かぁ。楽しみだね?初詣。」

「…え?」


ニコー、っと。効果音でもつきそうなくらい黒い(・・)、いい笑顔だった。黒いオーラがにじみ出てる。

て、天然設定のヒーローはそんな顔しちゃいけない‼︎ そんなオーラも出しちゃいけない‼︎


氷づけから復活した小菊から、哀れみの目が向けられてきた。



ジーザス‼︎







いつもありがとうございます!

自分で書いていて『天野さんの扱い酷いな…』と思いました…。

天野さんも天野さんなりに幸せにしようと思います(笑)

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