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小休止 『第1回、イーストスクールラジオ』

“小休止”では、ギャグメインで、本編では語られていない裏話や、登場人物達の裏話などを盛り込んでいけたらと考えています。

 真昼の新大島東高校。校内放送用のスピーカーから、同校のバンドメンバーが奏でるロックミュージックが流れ始める――――。

 

『――――皆さん、こんにちは! ついに始まりました! お昼休みにお届けするトーク番組、“イーストスクールラジオ”のお時間です! このラジオは、校内に設置されたラジオボックスに寄せられる皆さんのお便りをご紹介したり、皆さんのお勉強になるような情報をお届けしたりする、5分間のトーク番組です! パーソナリティは、新大島東高校のエース! 我らが生徒会長!――――』

『――――皆さん、こんにちは。レイラ・アルベンハイムです』

『そして、2年1組の遠藤良汰(えんどうりょうた)が務めさせて頂きます! それでは生徒会長、張り切って参りましょう!――――』

『はい。遠藤君。イーストスクールラジオ――――』

『『スタート!』』


 間奏。


『――――改めまして、遠藤です!』

『改めまして、レイラです』

『今回は、記念すべき第一回ということで、自分は、結構緊張しておりますが、噛まないように頑張りますので、よろしくお願いします!』

『私も、少しでも皆さんの為になるお話が出来るように頑張りますので、無視しないで下さいね?』

『さすがは生徒会長! 落ち着いていらっしゃいますねぇ!』

『遠藤君も、元気一杯で良いじゃないですか。これから宜しくお願いしますね』

『お褒めのお言葉、光栄です! こちらこそ宜しくお願いします! さて、今日は天気にも恵まれた放送となっておりますが、“天候”の方はどうなんでしょうか!?』

『今日は、新大島の結界の要を担う“結界師(バリアー)”の皆さんも絶好調のようで、この島の“天候”は久しぶりに“晴れ”みたいですよ? 空も晴れですし、とても良い1日です』

『最高じゃないですか! “結界師”は12人ずつ交代制で本部に勤務しているんでしたよね!? 彼らのおかげで、きっとこの放送も良い調子で出来ますね! 何しましょうか!?』

『そうですね、最初ですから、お互いのニックネームでも決めませんか?』

『それはいいアイデア! なんてお呼びしたらいいですかね!?』

『どうしましょう。遠藤君は、クラスの皆からはなんと呼ばれているのですか?』

『それが、デカイ! あつい! イカツイ! うるさい! とか、ろくなものが無いんですよね。ニックネームとしては個人的に扱いたくないというか、ニックネームとして成り立つのかどうかも怪しくてですね……』

『ユニークな形容詞がたくさんありましたね』

『この際、せっかくなんで、生徒会長に呼び名をつけて欲しいです!』

『わかりました。では、“松岡〇ゾウ”とかいかがですか?』

『それ既に実在する人の名前じゃないですか! ピー音入りましたよ今! 雰囲気が僕に似てるからとか、そういう事ですか⁈ 確かにエネルギッシュで、スポーツ万能で、僕結構尊敬してますが、できればここだけのオリジナルを頂けたら嬉しいなーなんて』

『“田中さんの相方”とかどうでしょう?』

『それも実在する人ですよね? あの面白い人気コンビの! 大晦日に笑ってはいけない特番やってるメンバーの!』

『では“米”で』

『こ、米!? なんで急に!?』

『遠藤君は筋トレに、米袋を担ぐと聞きましたので』

『どこからそんな情報が!? ――――近所のスーパーのくじで米袋10キロがたまたま当たって、筋トレ代わりに担いで帰ったことはありますけど、普段はダンベル使ってますよ!? しかもその米袋、僕の部屋には買い置きが既にあるからって事で、貧困生活送ってる友人にあげちゃって、今はもう無いですし!』

『まぁ、そうだったんですか。どうしましょう。いい候補が見つかりませんね』

『え、もう見つからない!? なんかこう、名前から取るとか無いんでしょうか!? 例えば、ええと、“エンドウマメ”とか』

『えんどうまめが良いんですか?』

『いや、あの、た、例えですよ! 何故だ俺⁈ 何故エンドウマメなんて単語出したんだ⁉』

『うーん。面白みに欠けていますね。普通です』

『これは果たして普通なんでしょうか? それはそうと、普通じゃダメなんですか!?』

『せっかくのラジオですし、ここは校内の皆さんに案を募るのはいかがですか?』

『えーッ!!』

『――――ディレクターの子も頷いていますよ?』

『そんな! 俺――――ぼ、僕個人の呼び名ごときでこの番組の貴重な尺を使うのは悪いというか、恥ずかしいっす!』

『いいじゃないですか。細かい事は気にせずにね。というわけで、今日から遠藤くんの呼び名を募集します。校舎の各所に設置されたラジオボックスに、貴方のラジオネームと、遠藤君の呼び名を書いた紙を入れて下さい。次回の放送で、その中から候補を選んで、決めさせて頂きたいと思います』

『こ、恐い! 全校生徒が聴いてる中で変な呼び名がついたらどうしよう! おい、お、俺と同じ2年1組のみんな! 頼むから変なのは入れないでくれよ!? 振りじゃないぞこれ! 振りじゃないんだからな!?』

『――――あら、そろそろお別れのお時間ですね』

『あっという間に時間が! まだ生徒会長の呼び名も決まってないのに!』

『“レイラ会長”と呼んでくださいな』

『すげえもう決まった! それこそ普通じゃないですか!?』

『今後もよろしくお願いします』

『華麗にスルー‼』

『次回が楽しみですね』

『い、嫌だ……俺は楽しみじゃない……明日が来なければいいのに……』

『それではまた次回にお会いしましょう。お相手は、レイラ・アルベンハイムと――――』

『……遠藤良汰でした』


 時間を割いて読んで下さり、ありがとうございました。

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