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ウルトラソウルの設定資料

【あ】

■遺失物

 太古の昔に製造、使用されていた、『気想』が込められた道具全般を指す。当時の術師に込められた気想によってその効力は様々である。

 19世紀に初めて出土してから掘削が各地で行われるようになり、2029年の時点では、発掘された遺失物の多くはI・S・S・Oによって回収され、管理されている。※回収の目的は、悪意を持つ他者へ渡って悪用されるのを防ぐため。

 だが、未だ大地に眠る遺失物は数知れず、出土した物についても、その全てを回収することは叶っていないため、I・S・S・Oは遺失物を悪用したテロを警戒するよう、世界に呼びかけている。



■I・S・S・O『国際気想抑制機関(International・Soul・Suppress・Organization)』

 2015年初頭に結成された、気想術を専門に扱う非政府組織、並びに非営利組織の通称。その主な活動は、『天候』の監視や、『不幸粒子』による天災や事件の鎮圧等で、その構成員のほとんどが訓練を積んだ気想術師である。世界各国の資金援助や装備支給もあって、世界最高水準の軍事装備を有しており、2029年には対気想専門の特殊部隊としての活動権限が拡大し、強化された。同年9月より、同組織の人材育成課程を修了した第1期生が、本格的に世界各地で任務を開始するという噂が流れている。

 日本(4)、米国(3)、英国(1)、中国(1)、露国(1)、伊国(1)、独国(1)、西国(1)、仏国(1)の計9カ国、全14の訓練校が存在し、2029年現在では、総勢2万人を超える訓練生が在籍している。2029年度に卒業した第一期生およそ4000名を合わせれば、その数は25000人に上る。※尚、“訓練校”の定義は高等部である。



■想征剣

 正体不明。



聖霊(アンジェ)

 世界の均衡を保つ存在であるとされる『6人の代行者』には、その力の象徴として一振りの剣と、1人の『聖霊』が宿る。

彼女ら『聖霊』の役割は、剣――――即ち力の所持者達に、件の力の制御方法を教え、情に訴えかけて精神状況のケアを行ったり、戦闘時のサポートをする事である。

 故に、彼女らは、自身の存在意義を損なわない程度の“人格”を持っている。



最深部(イザヴェル)

 I・S・S・O新大島本部の地下、最も深くに位置する広間を指す隠語である。広間の存在そのものが最高機密扱いとなっているため、組織の人間の中でも、権限を与えられている者しか入室出来ず、広間内部の情報を知る者は少ない。“魔物が封じられている”、“組織の資産が隠されている”、“神様が居る”、“島に結界を展開するための神殿になっている”、“引き篭もっているヤツが居る”等、噂は諸説ある。



幸福粒子(エフティフィア)

 最高神が世界に備えた二つの概念の1つ目。これも気想という素粒子の一種だが、気想とは区別した呼び名で表現される。世界のあらゆる生命が、対象となる数と時間はアトランダムに選ばれ、最高神が定めた定理に基づいた、『幸福』と呼ばれる事象に遭遇する。その事象が起こる場所には、必ずこの粒子が大量に発生する。


※個々の幸福と不幸の齟齬性

 人間の心は十人十色であり、幸福と不幸の感受性も異なる。例えば、Aという個人は、近い日に結婚をするBという個人に恨みを持っており、“Bの破局”を望んでいるとする。対するBは、“愛人との結婚”を望んでいるとする。この場合、AにとってはBの破局が、BにとってはB自身の結婚が、それぞれ望みを満たす、即ち『幸福』である。『結婚』という1つの事象に対して、異なる望みを抱く2人の人間に、望みを妨げる『不幸粒子』が働いた場合、2人の気想の総量や、2人がいる領域の『不幸粒子』の濃度等、複数の因果が関わる事によって、どちらか片方の望みが叶えられる。

 複数の人間の間で、似たような『望みの齟齬』があった場合、共通の望みを抱く人数の多いほうが、気想の総量的に有利ではある。ただし、“不完全な人間”が暮らす“有限の世界”に、『絶対』という法則は無い。

 幸福と不幸、どちらかの粒子の濃度が圧倒的に濃い場合、時にそれを覆す『僥倖』や『奇禍』が起こり、世界の気想均衡が保たれている。



■航空艦についての説明と余談

 2024年の第2次日本技術革命により開発・建造された飛行戦艦。同年に新たに開かれた国連空域法会議にて運用法が採択され、2026年の新国連空域法条約の発効と同時に運用が開始された。

 運用法の採択にあたって、艦の動力として原子力が用いられる事から、審議は『IAEA』にも及び、IAEAにおける指定理事国が同法律を支持する条件として、同艦に関する技術提供を強く求められたこともあり、2029年現在では、その技術は各理事国に公表され、日米英の3ヶ国が実際に所有している。

 F・B・Sは、オメガエンジン(発明家オメガの由来による)と呼ばれる、術師の補助と滞空遺失物の効力に、原子力の膨大なエネルギーを組み合わせた次世代型飛行エンジンを動力とする。

 保有数は日本が19隻、米国が48隻、英国が14隻となっている。

 年間運用費は、旗艦クラスの大型なものでは原子力空母を上回る約500億円。小型な艦でも200~270億円。

 日本がこれほどの航空艦を保有するに至ったのは、2016年の第1次日本技術革命の際に開発された、『素粒子吸光光度測定装置(別名:気想粒子観測装置 通称:S・O・S)』の運用権の確立と各国への売約による。

 尚、日本は2016年の時点でオメガエンジンの起点となった、滞空遺失物を用いた大規模空中都市の建造に秘密裏に着手しており、2024年の第2次日本技術革命においてF・B・Sと共に完成し、運用が開始された。(新東京)

 一方、新大島の要塞開発は、当初は急ピッチの3年以内を目標とされていたが、日本政府が関東中央都市機能回復を最優先とし、新東京の開発に人員と費用が回されたことから、予定より8年遅れの2027年に完成となった。翌2028年に、新大島各校の第1期生が交代制で配備された。



【か】

武装輸送機(ガンシップ)

 型式:A22-H。

 アグスタウェストランド700の後継機として、2021年から開発が始まり、2022年に初飛行。その後、5年間の改良開発期間を経て、2027年から運用が開始された。三富士重工とベル・アリスト・エア・スペース(BAAC)が共同開発したターボファンエンジンを、主翼の両端にそれぞれ1基ずつ持ち、主翼とエンジンの接続部に推力偏向機構を備えた次世代型垂直離着陸輸送機である。

※リアルで言うところのV-22(オスプレイ)の小型版。ただし、尾翼は水平尾翼。

※イメージ的には、『ターミネーター』シリーズのH・K。

※垂直飛行モードと固定翼航行モードの切り替えは、利便性に富んで古くから使われている出力制御レバー(TCL)の回転式ノブ「ナセル制御スイッチ」で行う。

 キャビン内が与圧されており、防水機構を搭載し、計器飛行が可能。低空から高高度飛行まで幅広くこなす。

 定員16名(パイロット含む)。最大積載量3.5t。

 ボディにはステルス機構を備えている。(レーダーにほぼ映らない。映ったとしても、極小サイズで表示されるため、観測士は小鳥と区別がつかない)

 全長13.8m、全幅14.2m、全高3.9m、エンジン直径7.5m。東ラス・ドウコーニング社製の炭素繊維を多用しているため、自重は7.2tに抑えられている。その反面、1機体の価格は自衛隊所有のステルス戦闘機を凌ぐおよそ190億円。

 最大出力:5600kW、最高速度(水平飛行モード時:700km/h アフターバーナー使用時:980km/h)

 自衛装備としては、ミサイル警報装置を始め、赤外線警報装置や、フレア射出装置を搭載。

 索敵装備としては、サーチライトの他、生体探知機、電波探知機等を搭載。

 武装は最新式とは言い難いが、コクピット下部格納部に26mm6砲身の回転式バルカン砲、胴体下部格納部に計4基の対地・対空ミサイルを装備している。

 当初はI・S・S・Oの主力万能航空機として導入が開始されたが、2014年の『惨劇』以降、深刻化していた世界的な不況が運用開始後も続き、また機体そのものの価格が高価な事もあり、2029年現在では、新大島本部に40機、英国第2本部に95機のみが配備され、再発注の予定は立っていない。



■原始の炎

 死海より回収された古文書に、“人類が初めて目にした炎”と記されている。この世の全てを焼き尽くすまで消えない炎であるとされ、“天遣の第一の剣を持つ者、其の剣に拠りてこれを沈めん”という記述が見られ、“静まりし原始の炎、その身を刃に転じて尚も世に留まらん”という一文も解読されている。



【さ】

■新大島(別名:最初の砦)

 I・S・S・Oが本部を構える人工島。同組織が介入する以前は漁業が盛んな島で、約8000人の島民が暮らしていた。

 2014年の『惨劇』以降、不幸粒子に対する防御策の検討が世界中で急がれ、日本国政府はこの島に注目し、軍事的位置条件が理想的である事から、島の大規模な改築計画が発案、可決され、立ち退きを余儀なくされた島民達の反対を多額の補償金を支払う形で押し切り、2015年に着工。

 2016年の春には、地上部の全不要建造物の解体及び整地が完了し(発電施設や浄水施設は増築、改良を施して継続運用とし、パイプラインや送電ラインも従来のものを出来得る限り利用する事でコストを多少抑え、施工期間も短縮した)、簡易居住区と養護施設が建設され、気想術師育成計画の第一期生(当時の年齢は6歳)が移住した。この頃、島の名も旧名から『新大島』に改められた。

 地上の開発は順調に進み、2019年の初めには島全体が1つの街として機能を開始した。

 島のほぼ中央に聳える標高156メートルの三沢山の改築は、当初2016年末から2019年末までの僅か3年間で行われる計画だったが、『新東京』の建設に予算と人員が割かれたため、予定から8年遅れの2027年に完成となった。翌2028年に、新大島各校の第1期生が交代制で配備された。

 三沢山内部の秘密要塞には、FBS用大容量ドックの他、地下20階に相当する地下要塞が築かれた。

 同年、日本国政府は新大島地下要塞を『特定国立研究開発法人』に指定し、I・S・S・Oによる『気想粒子』の研究に拍車を掛けた。



■世界

 世界創造から分岐したパラレルワールド。国名は同じものもあれば、違うものもある。歴史も全く同じわけではない。



■想像と創造

 自身の心が『想像』したこと(思念)を、気想を用いて現実の事象に変換(創造)する事。“松明に炎を灯す”と強く『想像し』、気想を消費し変換することで、そうなるように念じた事が『創造』されて現実に起こる。個々の想像力や気想の量によって、『創造』の正確性や持続時間は変化する。この“想像し、創造する事”を、一般的に『気想術』と呼ぶ。



■気想雲

 天候を悪化させる効果を持つ黒い雲とされ、この雲が上空に現われた領域の天候は高確率で“雨”になる。初めて確認されたのは2014年の大晦日。通常の生物には目視出来ない。特定の“瞳術”を持つ者だけに見える、謎の多い不吉な雲。故に、この雲の存在を認知する者は、『I・S・S・O』を含めてもほとんど居ない。



気想術師(ソウルスキラー)

 幼少期から気想術の訓練を受け、その扱いに長けている人間を指す。気想術の使い手の総称。そこから個々の能力によって、複数の種類に分かれる。個人の素質や訓練によっては、複数の系統の能力を会得する事も可能。 ※漢字は日本での呼称。カタカナは世界共通の呼称。


*召喚術師――契約を交わしたものを、念じる事で手元に呼び寄せる術の使い手。それは生物であったり、道具であったりする。


*医療術師――外傷や呪いによる害を治療、及び抑制する術を専門分野とする。


*結界術師――想像し、自身で生成、変換した気想によって周囲に結界を創造し、物理的・精神的防御などに用いる術の使い手。


*幻術師――五感から働きかけ、相手に仮想の世界を認識させる能力に長けた者を指す。分身術もこの類である。


*戦闘術師――気想によって、自身の身体の一部若しくは身体能力の一部を強化及び変化させ、戦闘に用いる気想術師の総称である。そこから更に、格闘術師、具術師、変化術師の3つに分かれる。


*魔術師――呪いや滅びに密接な関わりを持つ術を扱う者の総称。“魔術”は使用者にも、被術者にも悪い影響を与える事で知られ、現代世界ではその術の全てが『禁術』に指定されている。“呪術”もこの類であるとして、全面的にその使用を禁じられている。


※余談になるが、世界にはこれらの系統のどれにも属さない、何らかの因果で特殊な系統を発現した者も僅かながら存在する。

例①:仙術

詳細不明。


例②:究極気想

詳細不明。


例③:ヲタトリノ

詳細不明。


※2029年では、『気想術師』の名も知名度が高まり、対『不幸粒子』だけでなく、様々な分野での活躍が期待されている。特に『医療術師』への注目は大きく、治療法が確立されていないウイルスに対する特効薬の“創造”や、戦地で負傷した兵士の“高速治癒”など、世界情勢に深く関与する分野での活動が望まれている。



気想術(ソウルスキル)

 脳内で想像した事を、現実に具現化することで生じる現象・能力を指す。人間の個々の想像力と気想の量に差はあれど、この能力は万人に備わっている。だが、天界の神々ほど強力で絶対的なものではない。“想像し、創造する”ことで成就する。人間個人によっては、特定の状況下でないと、“想像と創造”が上手くいかず、成就しない事もある。

 気想術には大きく分けて2つの系統がある。


・滞留型=自身の体内や、身体の表面に纏うように気想を滞留させるタイプで、そこから更に、自身の身体能力の強化や、防御結界の展開、変化や自己治癒、瞬速などに細かく分かれる。


・放出型=体内から外へと、気想を放出させるタイプ。例として、銃使い、他者の治癒、仕込み、念話、転身、索敵などがある。


 気想術の唱え方には、以下の方法がある。


※発声法

・術を発動する際、それに名前を付けるなどして“言葉に出す”事で、術に対する“意識”を強め、成就する確立をより高める。気想術の修行を始めて間もない初心者向けの方法だが、上級者においても、難易度の高い術を使う際など、術の質を高めるためにあえてこの初歩的手段を用いる場合がある。


※印法

・術を発動する際、特定の“所作”を行い、術への“意識”を高める方法。その所作とは、手で印を結ぶ事であったり、構えであったり、行動であったりする。余談として、歴史書の中には、太古の術師が複数人で集まり、円を描いて踊る光景が描かれている物もあるが、これは、共同で大規模な術を発動する際に全員で取る行動、即ち“所作”である。


※念法

・脳内で“想像”を固め、強く念じる事で術を発動する方法。上級者向けの方法で、習得には、術に対する慣れと経験が必要不可欠である。この方法を会得出来れば、何の所作も、言葉も無しに術を発動する事が可能になり、術の連発性も向上する。


※気想術は基本的に、右手を握り、その人差し指と中指を揃えて伸ばした『刀印』を、胸の前で構えた状態で『想像』の作業に入るが、魔術の場合はその一連の所作を“左手”で行うのが特徴である。右手での刀印は陽(即ち幸福粒子)を司り、左手での刀印は陰(不幸粒子)を司る。この刀印による、『陰』と『陽』の作法と道理は、近代とは表現に違いがあれど、古の気想術師達が逸早く幸福・不幸両粒子の存在を察知し、多くの事象を説明付ける事に使われた『太極図』の一種である『円図』に起因する。『最暗部』が管理する文献によれば、発祥元は中国であるらしい。 


※科学に頼って生きる現代では、人類の生活基盤は気想から機械へとシフトしており、気想術を使う機会が皆無に等しい状況であるため、そのほとんどが衰退してしまっている。

 21世紀に入り、人類は初めて気想の科学的観測に成功し、気想術の素質が衰退した者でも、気想の存在を数値で認知するに至った。気想は新たな素粒子として、『気想粒子』と名づけられた。

 研究はその後も進み、観測点を中心に、ある一定の範囲内における気想の量を、気想術に頼らず、機械によって計測出来るようになった。気想粒子の量は、質量パーセント濃度(単位:wt%)で表記される。※この場合の『w』は、“草”や“笑い”とは読まない。



気想改造(ソウルチューン)

 主に道具の本来の性能を、気想を注入する事によって一時的若しくは限定的に向上させる“仕込み”を指す。



■素粒子吸光光度測定装置(別名:気想粒子観測装置 通称:S・O・S)

 2016年初頭に、英国人を交えた日本の研究チームが開発・実用化に成功した測定機器を指す。同機は第一次日本技術革命のきっかけとなったもので、一機辺りおよそ2億円で数百機が各国へと売約され、2029年となった今でも、再発注の依頼は途絶える事無く続いている。

 この機器1つで、東京ドーム一個分に及ぶ範囲の幸福粒子・不幸粒子の濃度をカバー出来る。(ただし、濃度は経時で変動するため、繰り返しの計測が必要。その点は、天気の観測と同じである)

『幸福粒子』と『不幸粒子』の濃度を計測する大まかな原理は下記の通り。


※おおまかな基本原理

 空気中の物質を含んだ水を試験サンプルとして計測ユニットに送入し、サンプルを気化させる瞬間に、計測ユニット内で一定方向に断続して照射されるレーザーを通過させる。気化燃焼の際に各素粒子が生じる『光』をそのレーザーによって判別し、それを公式にて“濃度”に置き換える。この一連の動作により、その試験サンプル内に含まれる様々な素粒子(幸福粒子、不幸粒子)の濃度を知ることが出来る。

(簡易まとめ)

①水を吸わせる。

②水を燃やして気体にする。

③気化する際に素粒子が放つ光へレーザーを当てて機械が読み取る。

④そのエリアの『天候』がわかる。

以上。


※おおまかな計測手順

①演算ECUと計測ユニットの電源を接続し、起動する。

②使用レーザー選択。(このレーザー選択で、どの素粒子の濃度を計測するか決める。高い精度と再現性を出すため、計測出来るのは一度に一種類の素粒子のみ)

③アセチレンガスを燃料として、計測ユニット内のバーナーを点火する。

④(特殊な気想術的因果を含む)一定時間外気にさらして静置した純水をサンプルとし、計測ユニットに送入する。

⑤サンプルがバーナーを通過して気化したところを、レーザーが読み取る。

⑥素粒子の『光度』が濃度に数値化されて計測終了。



【た】

不幸粒子(ディスティフィア)

 最高神が世界に備えた概念の2つ目。幸福粒子とは間逆の性質を持つ。

 人類は後に、この2つの素粒子の観測に成功し、幸福なエリアと不幸なエリアを区別し、監視できるようになる。



■天候

 I・S・S・Oでは組織内用語として使用されている言葉。この場合の天候とは、幸福粒子と不幸粒子の濃度を指す。観測対象エリアの幸福粒子の濃度が高ければ『晴れ』。不幸粒子の濃度が高ければ『雨』。どちらとも濃度に差が見られず、均衡状態にあれば『曇り』と表現される。

 天候は時間やエリアによって異なる。広範囲のエリアが同じ天候になることもあればその逆もあり、数ヶ月や数年単位の長期に渡って同じ天候が続くこともある。

 表現の段階は以下の通り。

※快晴

※晴れ

※曇り

※雨

※嵐

 尚、過去に戦争や大災害の起こった地域では、天候としては最悪の『嵐』が長期に渡って続いていたと考えられており、世界規模の長期的悪天候を、I・S・S・Oは最も恐れ、警戒している。



■特定国立研究開発法人

国が指定する重要研究施設で、巨額の補助金が支給される。I・S・S・Oが管理する気想粒子研究施設(新大島地下要塞)が、2029年に国から認定された。



【な】

機動部隊(ナイトフォース)

 I・S・S・Oの術師達で構成された、“前線”派遣用実働部隊の事。世界最高水準の軍事兵装を有し、黒のインカム、暗視ゴーグル、クモの糸を素材に組み込んだ次世代防弾ベスト、コンバットスーツ、タクティカルブーツ、フィンガーレスグローブというユニフォームに身を包み、状況に合わせて装備する兵器を使い分ける。

 主には、気想術分野の伸びがあまり芳しくない者が、その弱みを己の肉体と最新鋭の武装でカバーし、優秀な成績を持つ術師と肩を並べて“前線”へと身を投じる、という意味合いで結成された。

 幼少期から訓練を積んでも、“前線”において効果を発揮する有力な人材は全体の4割程度のため、実質、I・S・S・Oの主戦力となっている。

 とはいえ、彼らも“術師”という肩書き通り、簡単な“護身結界”や自己治療、身体能力強化術であれば、駆使出来る程度には訓練されている。



【は】

6人の代行者(パワー・シックス)

 その昔、“天界の遣い”が世界に降り立ち、この世を人間達の力で統治させるため、選び抜いた6人の人間に1つずつ、計6つの力を与えたのが始まりとされている。

 選ばれた者の側には、その証として一振りの剣と1人の『聖霊』が現われた。

 世界の安定のためにもたらされた6つの力は、人間が自らを戒め、正し、統治するための、言うなれば“神罰”。

 彼ら6人の常軌を逸した力は、人々から神のそれに例えられ、『神罰の代行者』という呼称から、世界を統べる『6人の代行者』という総称が誕生し、現代まで語り継がれてきた。 



【ま】

■魔人

“天界の遣い”によってもたらされた、“6つの力”を持つ者の1人。

 幸福を吸収して己が気想とし、周囲に不幸を振りまき、あらゆるものを破壊し、滅ぼす能力を持つ。不幸粒子の権化。扱う術のほとんどが謎に包まれているが、その圧倒的不幸粒子の生成量と、能力の残虐性から、『魔人』が扱う術、及びそれと似た負の術は、人々から『魔術』と総称され、恐れられた。

 この力を与えられた者は、次第に人格を破壊され、見境なく破壊を繰り返す人形と化す。人類にとっては諸刃の剣同然である。この情報は、力を与えられた初代の能力者達の伝承による。



【ら】

■竜人

“天界の遣い”によってもたらされた、“6つの力”を持つ者の1人。

 強力な“戦闘術”が特徴で、特に“変化術”に特化している。

 その正体は、太古の昔に生息していた聖獣の王『巨竜』の力。

 かつてあらゆる生命を下し、王と呼ばれた世界最強の生物の力であるだけに、力を授かった人間には、膨大な気想と強固な肉体が備わった。

 その皮膚は鋼のように硬く、熱にも冷気にも強い。

 人間の域を超えた筋力を備え、巨竜のそれの如く、口から火炎を吐く事も出来る。

 五感も人並みを外れていて、“気想”そのものを感覚的に感じ、捉える事が出来る。つまり、その場の天候も分かる。

“変化術”の使い方次第では、巨竜の翼を一時的に背中から生やす事が可能である。極めれば、巨竜に化ける事も叶う。


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