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ナギ記  作者: 竜顔
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情報収集

投稿時間がまばらで申し訳ございません。

――翌日――


「とりあえず試作品だな、性能は悪いが現状報告ってことで渡しておく」


 今私はジェットさんと出会った露店に来ている。店主さんの名前は「スミフ」さんといって、ダガーの制作を依頼している。



【試作品ダガー】

  武器カテゴリー:ダガー

    ATK+3


  試作品のダガー。いろいろ物足りない。



「STRの恩恵が効かないみたいですね、でも、ありがとうございます」 


 あれから、マキセさんに、結局石はどうするんだって伝言がきてるぞ、と言われてこの店を訪れ、NPCに売りに行く手間が省けるから大丈夫かな、と思って1個1Gで交渉したらすんなりOKしてくれた。――というかむしろ、助かった、といって千個以上売りつけてきて一瞬思考が停止してしまった。


 スミフさんは第二陣のプレイヤーで、鍛冶をメインにしていて、鍛冶屋といえば「スミス」だなと思ったらすでに名前が使われているという悲しい目にあった一人。第二陣のプレイヤーでギルドにも所属してないということもあって贔屓にしてくれるプレイヤーもまだ少ないとのこと。


 そういうこともあってか投擲用の武器がこの辺の露店に並んでないことを相談すると、制作に乗り出してくれた。最初は怖い人だと思っていたけど、思ったよりいい人みたい。


「本腰入れて作るとなりゃ結構コストがかかるな、売るとなるとあんまり安くはできそうにもないというのが本音だな」


 スミフさんによると投擲用の武器を作る職人はほとんどおらず、そういった人たちは投擲がメインのプレイヤーを中心にしたギルドのお抱え状態とのこと。露店を出して商売もしてるらしく、私に言われるまでスミフさんも、東門近くの露店群に投擲用の武器が並んでないことに気づいてなかった。


 何か情報を聞き出せないかと別の露店群を見て回ったけど、投擲用の武器は並んでなかった。プレイ初日は高そうなブーメランとかが並んでいたような気がするんだけど…。スミフさんの推測では新エリア開放で第三の街に拠点を移したんだろうって。でもそのうち戻ってくるかもしれないとも。


 いつまでも初心者ダガーのままじゃだめだと思うので、いつ戻ってくるかもわからない人たちを待ってても仕方がないとこうしてスミフさんを頼らざるを得ないのが現状です。


「そうですか…、えっと、試作品の方を試すのは明日になりそうですね」


 ゲーム内ではもうじき昼の時間が終わり、夜の時間が来る。夜は【視力】のスキルレベルが上がらないと夜目が効かず、手が届く範囲が見える程度で、松明なんかを持てばある程度解決されるらしいが、夜にしか現れないモンスターを狩るわけでもないならおとなしくするのがスタンダード。


「ああ、感想を聞かせてくれ、こっちもコストの面とか威力の高い武器とか、いろいろ試行錯誤してみるから」


「はい、わかりました」


 そういって、スミフさんと別れた。


 昨日はスミフさんと別れた後しばらく兎を狩り、それから初めて第二エリアに足を踏み入れ、そこにでてくるゴブリンやウルフとの初戦闘をしたところで一度切り上げた。おかげで投擲スキルも若干上がった。それから調合系の生産プレイヤー「ローザ」さんとも仲良くなり、プニットのレア素材が大量にほしいという依頼をされて延々プニット狩りを行うはめになった。その報酬としてもらったのが



【ポーションゼリー】

 回復アイテム

  HP、満腹度、渇水度を小回復


  プニットのゼラチン素材を利用してできたポーション成分のゼリー。



 小回復とあるけど私にとっては大回復ぐらい回復してくれる。まだ普通のポーションでは回復超過になるので、普通のポーションは節約せよ。とお達しまでいただいた。ローザさんは女性で、初の女性フレンドです――喫茶店の女性とは結局フレンド登録することなく別れました――


 新たにスキル【SPD補正】も習得し、全然レベルは低いけど、少し足が速くなったように感じる。


 STR、SPDはMINDとともに基礎値とか、裏ステータスとかいわれる能力値で


STR:重いものを扱うために必要になる値。また、HP(体力)、ATK(攻撃力)、DEF(防御力)を同時に上昇させることができる。


MIND:呪われた物などを安全に扱うために必要になる値。また、MP(魔力)、INT(知力)、REG(抵抗力)を同時に上昇させることができる。


SPD:速く走るために必要になる値。また、AGI(攻撃速度)、STEP(回避距離)を同時に上昇させることができる。


 基礎値を上げると同時に複数のメインステータスを上げることができてお得な感じがするけど、STRの場合でいうと重いものを装備することとかがメインなのでほかのステータスの上昇率はパッとせず、軽い武器を扱うアタッカーなら【ATK補正】のように直接のスキルを習得した方が効率的。


 ただし、SPDは他と少し違い、AGIとSTEPの補正スキルがなく、特に現状ではAGIを上昇させるスキルは他に存在しない。でもSPD、AGI、STEPには上限があって…簡単に言うと足の速さは魔法での強化とかがないと、どんなに頑張っても現実での足が速い人止まりで光速で走ることはできないと。


 それでSTR、MIND、SPDはマスクデータ扱いとかで、どうあがいても視認はできないとかなんとか。だからATKなんかはメインステータスとか表ステータスで、STRとかは裏ステータスなんだって。――昨日お兄ちゃんが言ってた――


 しばらく歩き回って、特に変わったことがないことを確認し、今日は深夜までゲーム内は夜になるのでやることのない私はログアウトした。



「――で、補正スキルがないとキャラクターは弱いまんまなの?」


 夕食がてらお兄ちゃんに質問を投げかける。


「んなわけない! 昨日あれほど言っただろ!?」


「そうだっけ? 裏ステータスがどうとかは覚えてるけど…」


 武器スキルではレベルが上がると対応した武器の威力が上がるというアビリティ【能力】やアーツ【技】を覚えたりするけど、一方で一定のレベルに達するとプレイヤーにボーナスとして(大体の武器はATKの)ステータスが加算されるとのこと。ほかのスキルでも同様で、色々なスキルを覚えてレベルを上げることでキャラクターのステータスも強化されていくとのこと。


「補正スキルはぐんぐんステータスが育つよってこと?」


「そういう部分もあるけど、補正スキルはあくまでアビリティ扱いなんだよ」


 ATK補正だと、ATKのステータスが0のキャラクターがいたら、「0+α」ということになり「α」の部分が補正スキルの恩恵とのこと。また、ボーナスによる加算もほかのスキルと比べて大きいとのこと。


「強いプレイヤーは補正スキルとかよく使うスキル以外でも、必要なステータスにボーナスがもらえるスキルを、SPが余ったら習得して時間があれば一生懸命レベルを上げてるんだ」


「そうなんだぁ、めんどくさそう」


「まぁそこは人それぞれ、渚もなんのスキル取るか迷ってるんなら、何ができるかじゃなくて何の能力が強化されるかで選ぶのも一つの手だと思うぞ」


「でも10枠しかないし…」


「状況に応じて付け替えればいいじゃん」


「ん?」


「…10枠目が開放されたらスキルが取り放題になるから、で、不要なのは控えに回して必要な10個のスキルをいつでも付け替えできる、控えにしたらアーツもアビリティも使えなくなるからな」


「補正スキルを控えにしたら+αしてもらえなくなるってことね?」


「うむ、それでいい、では次の講義だが「もういいです」――えっ? ちょ、待っ」


 次の講義を始めようとした兄を無視し、自分の部屋へ行き今の話をメモ。


 ――難しくてよくわからないところもあるけど、冒険するには必要な知識ってことね。明日は何しよっかな。


 そうして夜は更ける。


――――――――――

NAME:ナギ

  【投擲】:Lv12 【STR補正】:Lv9 【幸運】:Lv7 【SPD補正】:Lv3 【】 【】 【】


  SP11

ステータス設定について触れましたが、ステータスに関しては今後も詳細な表記をするつもりはございません。そこは読者の皆様のご想像でお願いいたします。

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