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ナギ記  作者: 竜顔
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修学旅行前

 月末からの修学旅行に向けて色々と準備を進めながらゲームの方でもちょっとずつ進んでいく。


 夢見の王国領内はドラゴン系のモンスターが多く、それに伴って鱗系の素材も充実し始め各種耐性の高さや性能にしては軽い性質と需要は一気に高まった。


 魔人族領の方へと足を踏み入れた人もいるみたいだけど、関所にいる門番がそこそこ強いことと関所の向こう側のモンスターが軒並み強いということでその数は限られていて夢見の王国領内のモンスターを狩る人が多い。


 城下町は値段は高いけど性能のいい装備に、周辺は狩りやすいモンスターでその素材も使い勝手がいいと狩場として人気だ。


 そしてマジダリーブームも起きている。発端はダメージを与えられ怒り狂ったマジダリーがプレイヤーに町まで逃げ切られた瞬間周囲を気にせず門のすぐ近くでそのまま昼寝を始め、それを邪魔してやろうと私が撫でまくったことだった。


 その時の不服そうな面倒くさすな表情が何とも言えない可愛さだ、ということで話題になりマジダリーとツーショットを撮る人が急増。なまじ出現エリアに一体しかいないモンスターのため今では順番待ちの列が並びマジダリーさんにはプライベートという言葉がなくなってしまっている。


 私達は夢見の王国周辺を一度諦めファルカナンド王国へと向かうことにした。ゴブリン王国ルートと南東の砂漠ルートの二つがあるけど、この際だからと砂漠ルートで向かうことになった。


 が、これが思った以上につらい。途中に町がないうえに夜になると状態異常を使うモンスターのオンパレード。物理に強い系のモンスターで溢れるので私、クゥちゃん、舞浜君にバカップルのパーティだと苦戦必至だった。シンセさんがいたのでそのモンスター達に活躍してもらってなんとかなったけど。


 ファルカナンド王国領内に入り、小さな村を一度経由してホレイーズ脱出イベントの「時代」から遷都した王都ファルカナンドに到着した。


 さて、「月末」という表現を使ったけれどもそれは今週末でもあるわけで…。


「どうして準備してないの!? 今急にあれがいるってなっても知らないからね!」


「大丈夫、のはず」


 絶賛バタバタ中である。明日には一足先に荷物チェックが行われてそのまま学校に置いて翌日の修学旅行に備えるというパターンだ。


 大丈夫だ大丈夫。暖かいインナーに寝るときに着る学校のジャージ。歯磨きセットに各種備品。筆記用具に修学旅行のしおり。マスク、酔い止め、絆創膏。ある。


「問題ない」


「お土産のスペースがないわよ?」


 自信満々でパンパンのバッグを見ているとお母さんから指摘が入る。


「す、スキーに行くだけだからお土産とかないから」


「お土産買う時間もちゃんとあるんでしょ?」


 く、物資にもう少し余裕を持たせねば。このままでは帰りに全部入りきらない現象が起きてしまう可能性がある。


「ということで圧縮袋」


 とお母さんが物を減らさずにスペースを生み出す魔法のアイテムを置いていく。これは多分…そう、きっとそうだ。


「こうなるまで黙ってたなぁ!」


 入りきらなかったら気づけたはず。パンパンとはいえ入りきったから思いつかなかったと言い訳をしながらも半狂乱でバッグのチャックを空けて中身を全部取出し、衣類系を圧縮袋に詰め込んで圧縮して再びバッグに入れる。


 これで先ほどよりもスペースが生まれる。


「お母さんにお土産は無しの方向で検討しましょう」


「じゃあ渚ちゃんのご飯もなしになるわね」


 な! いつの間に!?


「ま! ちょっと待ってお母さん!」


 結局夜ご飯を手伝わされた。


 翌日の荷物チェックでは変な物が入ってないことがわかっていただけたので特にお咎めもなく無事学校で一晩寝かせることになった。


 早く寝るためゲームも顔を出す程度で終わらせる。クゥちゃんから筋肉痛に気を付けるよう注意された。筋肉痛って気を付けてどうにかなるのかな? ほぼ一日スキー滑りっぱなしになるだろうに。




 翌朝。早朝のため天気は不明。目覚めは良好。寒さは異常。


「行ってきまーす」


「行ってらっしゃい」


 きちんと体を温めるスープを飲んでこのまだ真っ暗闇の早朝の寒さへと出ていく。修学旅行に持っていく荷物は学校で寝かせてあるので手には何もなく、それでいて制服を着て学校に向かうというのがなんか不思議な感覚だ。ふとした瞬間に「鞄忘れた!」と取りに帰ろうとしてしまいそうだ。


 学校について集合場所に向かう。前に荷物を取りに行かなきゃ。集合場所と荷物を置いている場所は違う。距離は近いけど私からすれば集合場所に向かう途中に荷物を置いてある場所があるので煩わしさはない。そこにいる先生に挨拶して荷物を手に持って集合場所を目指す。


 すでに半分ぐらいの人が来ていた。


「おはよう渚」


「おはよう」


 その中には結衣ちゃんもいた。出席番号順に並んでいるみたいなので結衣ちゃんとは長くハスことができないまま私は自分の場所に並ぶ。周囲を見渡すと京ちゃんは見当たらないのでどうやらまだ来てないみたいだ。舞浜君は仲のいい男子たちと話している。


 集合時間の10分ほど前に京ちゃんがやってきた。彼氏と一緒の登場だったので二人の関係を知っている面々から冷やかしの声が上がった。


 それをものともせずに京ちゃんは自分の位置までやってきてこちらをチラッと見て目があったことを確認すると座る。


 集合時間が近づくと先生方もぞろぞろと集まり、集合時間を少し過ぎたころに荷物置き場にいた先生がこちらにやってくる。それを見計らって学年主任の先生が話を始めた。全員無事に集合したらしい。


「今日から数日間修学旅行に行くわけですが、旅行とはいっても学校としていくわけですから皆さんもそれをきちんと踏まえた節度ある行動をお願いします」


 等のお話が行われ、バスの到着とともにバスに乗り込んでいく。


 バスに乗って飛行機に乗って、またバスに乗って…。


 夕方過ぎにホテルに到着した。


――――――――――

NAME:ナギ

 【ブーメラン玄人】Lv39【STR強化】Lv41【ATK強化】Lv34【SPD強化】Lv34【言語学】Lv41【遠目】Lv41【体術】Lv49【二刀流】Lv60【祝福】Lv29【スーパーアイドル】Lv38


控え

【水泳】Lv28


 SP56


称号 ゴブリン族のアイドル 恋に惑わされる者 ホマレの惚れ人 ファルカナンドの救世主 かまくら職人

次回は火曜日です

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