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ナギ記  作者: 竜顔
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兵器

 舞浜君と二人で来るはずもない攻撃に身構えていたあの後、クゥちゃん達と連絡を取って街で合流し、そのままログアウトした。


 クゥちゃん達はどうやら私と舞浜君とは逆方向に霧を抜けたみたいで、私達二人を除いた四人全員は一緒だったらしい。


 私達が一応無事であることを知るとデュラハーンは町に着いてすぐにどこかへと去って行ったそうで、私と舞浜君が町に着いてクゥちゃん達と合流する頃には姿がなかった。


 夜における防衛戦はどこの方角も激戦だったらしい。南の「アニマ」、東の「カルマ」、西の「サタン」。これらの巨大なレイド級のボスが現れてその傍らで進軍していくスケルトン軍団。サポートのようにして飛び回り邪魔をしてくる使い魔のような存在達によって苦戦を強いられたらしい。


 この三体の巨大モンスターのうち、時間内に討伐できたのは「サタン」だけのようだ。


 サタンは蝙蝠のような羽を付けた大きな人型。口はなく横に鋭い目と、頭のあたりに角がある。


 登場は空から現れ、最初は空中を飛び回るみたいだ。素早いため攻撃を当てるのは簡単ではないけど数回攻撃を当てると地面に落ちるようで、その一定時間後にまた飛び始める、というサイクルだそうだ。


 地面に落ちた時は動き回ることが無くなるみたいだけど元々攻撃力は高いみたいなので地面に落としてからがスタートという感じだそうだ。元々高い攻撃力に加え、攻撃には破壊の効果もあるため攻撃を受けないことが大事みたいだけど各攻撃動作が素早く簡単にはいかないようだ。


 サタンが使い魔のように従え、一緒に登場するのは「ブレイク・バット」という小さな蝙蝠のモンスター。こちらはスピード以外取り柄がないといった感じのモンスターらしいけどこちらも破壊攻撃ができるそうで、数が多いうえに的が小さく、さらに素早いこのモンスターによって多くのプレイヤーが装備を失うことになったみたいだ。


 そして時間内に倒せなかったうちの一体。「アニマ」は全身を黒ずんだ包帯でまかれた巨大な人型モンスター。アンデット系のモンスターのため光魔法に弱く、回復魔法でもダメージを受けるので明り要員として集めた光魔法使いがかなりの打撃を与えたみたいだ。それでも倒されることがない相当タフなモンスターと分析されている。


 どんな攻撃を当てても攻撃動作が一瞬止まる「怯み」が発生せず、攻撃動作に入ったら迷わず退避か防御とのこと。攻撃には毒の効果があるらしく耐性を持つ装備も意味をなさないらしい。あとは毒のブレスも吐くそうだ。


 一緒に現れるのは「マミー」。こちらは大人ぐらいの身長で、結構きれいな包帯を巻いているらしい。簡単に言えばアニマをスケールダウンさせたモンスター。とはいえタフなところはボスモンスターに匹敵するそうで中々倒せず、その数多さにあわやというところまで押し込まれたみたいだ。


 そして凶悪とまで言われるのが東のエリアに現れた「カルマ」。黒く染まった天使の羽四枚が背中から生えた人型。手には巨大な鎌を持ち、顔はのっぺらぼう。


 登場は空から舞い降りるように降り立ち。その瞬間黒い人魂みたいなものが降り注いだそうだ。それに当たった人たちは様々な状態異常になり、そうして混乱状態に落ちいた人たちを大きな鎌で刈り取る。強力な装備で固めたタンカーでさえ耐えられるのは一握りという威力で葬られたそうだ。


 広範囲の魔法攻撃、と物理攻撃。時折呼び出す黒い人魂による状態異常。NPCを殺せるモンスターのようで、それで人数が減ったこともあっていよいよ東エリアは窮地に陥ったそうだ。


 そのうえ一緒にやってくる「邪心の化身」、外見はオスカーというかオスカーそのもののやつらが真っ暗闇を生み出し視界を悪くするなど東エリアで戦った人もなんで守り抜くことができたのかわからないというほどだ。


 北はそこまで恐ろしい相手は出なかったことになっている。一応私達以外にも棺桶の骸骨を目撃した人たちもいて、髑髏を生み出す攻撃が昼の戦闘で上級者を葬ったと推測までされていた。どうやらあの髑髏には即死の効果があるらしく、満足に耐性を持つ装備も流通してないので面倒だと分析はされていたけど、盾で防ぐことができるらしく不意をつかれないかぎりそこまで脅威にはならないとまでされていた。


 その後深夜と早朝にも防衛戦が行われたみたいだけど、特に早朝に行われた夜戦では三体の巨大モンスターは登場せず、無事に防衛に成功したみたいだ。


 10:00から始まる昼の防衛戦の前にログインする。


 最初の夜戦の後は防護壁のダメージが各方角で結構あったみたいだけど、当然すでに補修は完了している。


 それどころか新たな物が完成していた。防護壁上に搭載された兵器だ。その名も魔動砲。MPを送り込むことで強力な魔法弾を発射するらしく。早朝に行われた夜戦でその威力を証明しているみたいで、夜戦に参加したプレイヤーはこれがあればレイド級ボスも時間内に倒せるというほどだ。すでに東に2つ、他の方角にはそれぞれ1つずつ取り付けられている。


 威力以上に大きな利点として射程が伸びることがある。大規模な魔法でなければ届かなかったような相手に一人あたりの消費MPは大分節約することができ、それでいて同等以上の威力が出せる。さらに言えばそれよりも遠い相手にも届くのでまさしく最強の兵器だ。


 他にも取り付け可能な兵器はあるけど、生産系の皆さんが一番強力なのはこれだろう、とあたりをつけて急ピッチで作ってくれたみたいだ。


 体験していない私はどれだけ違うのか今から始まる昼の防衛戦が楽しみだ。


 ゲーム内では昼のためミカちゃんは明り要員の招集がかからなかったので昨日の最初の防衛戦と同じPTで挑むことになる。


 今回向かうのは東。昼の戦いでは状態異常を振りまく敵が出てこないも同然、数の暴力で押すタイプの戦場らしいので特別な対策装備が必要になるわけではないので選んだ。


 立派に完成した門が開き、私達はそこを通って東のエリアへと出た。


――――――――――

NAME:ナギ

 【ブーメラン玄人】Lv25【STR強化】Lv23【ATK強化】Lv10【SPD強化】Lv20【言語学】Lv41【遠目】Lv26【体術】Lv40【二刀流】Lv58【祝福】Lv12【スーパーアイドル】Lv18


控え

【水泳】Lv28


 SP18


称号 ゴブリン族のアイドル 恋に惑わされる者 ホマレの惚れ人 ファルカナンドの救世主 かまくら職人

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