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ナギ記  作者: 竜顔
225/276

クリスマス島の冒険:サンタクロース

 日曜日。


 イベントも今日が最終日。厳密に言えば明日の朝10時までだけど。


 そういうこともあってか運営、張り切る。昼と夜の時間経過をいじって今日の朝10時から明日の朝10時までの24時間ゲーム内では昼になるそうだ。これはクリスマス島にいるプレイヤーだけではなくすべてのプレイヤーが恩恵を受ける。


 しかし、一筋縄でいかないのが通称「俺記」の運営である。相変わらず吹雪が来る時間帯はあるそうなので常時昼だと油断すると吹雪で痛い思いをすることになるだろう。


 ということで今日も元気にログイン――


 昨日は「雪だるまの楽園」から帰ってきてすぐにログアウトしたためサンタポイントの確認は行っていなかった。なので早速サンタ協会に赴く。




トナ・カーイ討伐47体×2pt

スノーマソ討伐105体×2pt

ユキダルマー討伐330体×3pt

ドッペルゲンガー討伐1体×10pt+5pt

お悩み解決30pt

相部屋許可15pt

かまくら設置500pt

かまくら回収計130pt


合計1984pt



 ユキダルマー150、175、200、225、250、275、300、325体討伐達成のジングルベルをもらう。これでジングルベルは19個。


 ランキングの方はいよいよ5桁に到達した争いが行われている。


 おっと、部屋が割り当てられたらすぐに補充しようと思っていた【石ころ】を補充し忘れてた。私は部屋に戻って【石ころ】を補充。ユキダルマーと戦う時はダガーは封印。


 そしてスキルを見ると【STR増加】と【SPD増加】が最大レベルになっていたのでそれぞれ進化。Sp10ずつを消費して【STR強化】【SPD強化】になった。


 そうこうしている間にみんながログインする。もちろんバカップルもいる。


「おはようございます、皆さん、昨日はどうでしたか?」


 全員が揃っての第一声はミカちゃんだった。傷をえぐるおつもりですか?


「NPCのカップルが溢れかえって現実から逃げ込んだ人々が心に深い傷を負ってたよ」


 ミカちゃんの質問にマルセスさんはそうやって返す。普通に「雪だるまの楽園」でのできごとでも話せばいいのになぜそのチョイス…。


「そうなんですかぁ」


 ミカちゃんは興味無さ気だ。


「昨日は雪だるまの楽園で大量にユキダルマーを狩ったよ、珍しく舞浜も頑張ってたんだよ」


 これはクゥちゃん。そんな言い方舞浜君がかわいそ…あっ、本人ちょっと喜んでる。


「そうなんですかぁ、じゃあ今日も楽園に?」


「そうするつもり、だけどいいよな?」


 マルセスさんはミカちゃんの問いに答えながら私たち一人一人に顔を向けて確認を取る。誰も反対はせずに頷く。


 そうして「雪だるまの楽園」に6人で挑戦。一回目はうまくいって1時間耐え抜くことができたんだけど、それからがうまくいかずに何度も死に戻った。当然デスペナルティが終わるまで待って挑戦、死に戻ってまたデスペナルティが終わるまで待って…を繰り返したので時間もいつのまにか夕方を過ぎていた。


「普通にユキダルマーを狩ってた方が効率よかったんじゃないですか?」


 何度目のデスペナルティ中だろうか、ミカちゃんがみんなに尋ねる。薄々そんな気がしていたのでミカちゃんが疑問に思うのもわかる。…でも今更な感じが。


「でも常に昼だからどこも人が多そうだよ」


 宥めるようにしてゆうくんが言う。実際「雪だるまの楽園」へと向かう10分くらいの間にも多くのプレイヤーを見かけたし、「雪だるまの楽園」への入り口にも奥のプレイヤーが並んでいた。つまりそれだけが私達がやってきたことが間違ってないという支え。


「時間的に何回も雪だるまの楽園に挑戦できそうにないですし、サンタクロースからプレゼントをもらいましょうかね」


 ゆうくんの言葉にミカちゃんも納得したのかそれ以上突っ込まなかった。そしてどうやらサンタクロースを呼ぶらしい。ちなみにここまでの「雪だるまの楽園」のチケットは全部舞浜君が使った。彼がサンタクロースを呼んでいるところを見たことが無いので本当にいつの間に、って感じだけど。本人は他にほしい物がないから、とチケットを大量に持ってるらしい。


「じゃあボクも一回呼んでみようかな」


 ミカちゃんに触発されてクゥちゃんもそんなことを言う。


「じゃあ私も初サンタを拝もうかな」


 ということでインベントリからジングルベルを取り出して鳴らす。リーンと言った心地いい音が響く。


 ボンッと目の前に煙が上がりそこからサンタクロースが現れた。


「Merry Xmas!」


 サンタクロースってこうやって現れるんだぁ、と少し呆気にとられながらサンタクロースを見つめる。するとサンタクロースも私の方をじっと見て、


「おやおや君はすごくいい子にしているようだねぇ、この中から好きなものを選ぶといいよ」


 と言ってサンタクロースは背負っていた袋の口を広げて私の目の前に袋を置く。それを覗き込むとアイテムリストが出現する。


 アイテムリストは武具に家具、何に使えるのかよく分からないアイテム、チケットぐらいだ。


 武具や家具は雪だるま、サンタクロース、クリスマス、といったシリーズになっている。雪だるまシリーズなんかは武具もかわいらしくて性能を無視すればほしいと思える品物だ。何に使えるのかわからない、と言えば【サンタクロースの袋】。装備ではなくて、特に効果も書かれてないのでよくわからないモノ好きならほしがりそうだ。


 これ以上よく分からない物が増えても…と思ったので



【雪だるまブーメラン】

武器カテゴリー:ブーメラン

 ATK+88(~888)

 STR+88(~888)

効果:チャージ


雪だるまの模様が描かれたブーメラン。雪だるまの模様が光る時、最大の力を発揮するとき。



 面白そうなので選ぶ。見た目はくの字型で、地の色は水色。そこに雪だるまの形が斑模様のようにちりばめられている。


「ではまた、いい子にしていると会いに来るよ」


 そう言い残してサンタクロースは消える。


 デスペナルティが終わると早速「雪だるまの楽園」へ。その前に少し使用感を試したところ。【雪だるまブーメラン】は持っているときに力がチャージされて、投げて戻ってく頃にはリセットされているといった感じだ。正確にどこでチャージされた力がリセットされたかまでは分からなかった。


 最大にチャージされるまでには結構時間がかかるけれどチャージが最大になるとかなりの距離まで投げられるようになる。調子に乗って最大まで溜めて投げる、をやっていたらキングダルマに当たって私達がいるところにしか攻撃して来なくなって悲惨な目にあった。


 PTのみんなには謝罪としてサンタクロースからのプレゼントをプレゼントした。


 それがサンタポイントに加算されて私が得をしてしまったとはいえなかった。


――――――――――

NAME:ナギ

 【ブーメラン玄人】Lv9【STR強化】Lv8【ATK増加】Lv31【SPD強化】Lv8【言語学】Lv41【遠目】Lv22【体術】Lv34【二刀流】Lv52【幸運】Lv50【スーパーアイドル】Lv9


控え

【水泳】Lv28


 SP8


称号 ゴブリン族のアイドル 恋に惑わされる者 ホマレの惚れ人 ファルカナンドの救世主

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