パーフェクトボディVS最強説
お知らせ
突然ながら毎日更新を断念いたします。
理由は現実の都合で時間の確保が難しくなったためです。
今後の休載日は
確定…水曜日、木曜日
未定…月曜日
となります。
なんとかなるかも、と安易に考えていたため突然のご報告になってしまったことをお詫び申し上げます。
「ん? なんかきたー」
目の前の大きな銀色御餅から幼い感じの声がする。どういう仕組みなのか、と思っていたらスライドして顔が現れた。
入口から反対を向いていただけで、これ自体がモンスターのようだ。
「メタ○ラのパクリだろ!」
ドーベルさんが突っ込む。えっと昔お兄ちゃんと遊んでゲームに出て来たっけ。全然勝てなくて雄君に泣きついたら「こいつはすぐ逃げるけど経験値をたくさんくれるからこいつを狩ればいい」と教えてもらったなぁ。
「パクリいうな!」
私が懐かしさに浸っていたら銀色御餅が怒っている。多分だけど、製作側もそこ突っ込まれるのわかってる気がする。AIにしろ決められたセリフにしろパクリという言葉に対する反応が「怒る」って…。
「ぼくちゃんはビッグメタルンだよ!」
「……パクリだ」
反論した銀色御餅のセリフにドーベルさんはパクリを確信したらしい。
「もう! 好きに言えばいいじゃん! でもぼくのパーフェクトボディには傷一つつけられないよ! そのうちにぼっこぼこにしてやる!」
一人称が変わってる気が…。怒るメタルンとの戦いが始まる。
先手を打ったのはメタルン。
「とぉー!」
といってタックルをかましてくる。部屋のほとんどの面積を埋める巨体がタックルなんてしてきたら逃げ場がない。
と思っていたら舞浜君が盾で止める。ぽいんっとメタルンは弾かれ元の位置に戻る。
その隙にドーベルさんとコリーさんが攻撃。
キュイィィン!
甲高い音が響くとともに二人の剣を打ち付けたところに衝撃波みたいなエフェクトが現れる。
「へっへー効かないよー」
メタルンはあっかんべーをして主にドーベルさんを見ている。
「うぉあああ!!」
ドーベルさんがすごい雄たけびをあげるので視線を向ける。
「剣の耐久度が…残り1しかない、さっきまで余裕があったはずなのに!」
「んな!」
パクリだ、と言っていたとはいえ基本静かな方だったドーベルさんが慌てた様子で話す内容に舞浜君も驚いている。
「こっちも!」
コリーさんの方も大変なようだ。
「もしかして触れたら耐久度が一気に減るとかじゃ…ないみたいでよかった」
舞浜君の不安は的中しなかったようだ。もしそうだったら折角の破壊無効の盾が一瞬で使えなくなってしまう。
「いくよー」
戸惑う私達をよそにメタルンは再び攻撃態勢に入る。単調なタックルなので舞浜君の盾で防げる。
「むぅー!」
攻撃を防がれるとメタルンは口(?)をとがらせる。
それから膠着状態に陥る。まず攻撃してもダメージを与えられず却って武器の耐久度が削られてしまう。そしてメタルンの攻撃もその巨体に物言わせた単調な物理攻撃の身なので舞浜君一人で対処できる。
ドーベルさんもコリーさんも武器の耐久度を気にせず攻撃に出るけれど1~2度攻撃するだけで武器の耐久度は0になりロストしてしまう。二人パーティのボスを倒した後のアナウンスでカッスール公国の武器屋に破壊無効の武器が追加されたといっていたけど、これでは破壊無効の武器でも一瞬で壊れてしまう。
何か打開策がないか、とドーベルさんとコリーさんの二人は魔法を使うもダメージを与えられず、ブーメランは回収できないことになると困るので、ダガーで使えるアーツを私も使っているけど効果はない。
「埒が明かないなぁ~…えい!」
膠着状態にしびれを切らしたメタルンが口をとがらせて銀色の玉を複数吹き出す。斜め上に噴き出された玉は弧を描いて舞浜君の後ろにいた私のもとに落ちてくる。
「タックル―!」
「くそ!」
得体のしれない玉に対応しようとしていた舞浜君の動きを妨害するかのようにメタルンが攻撃態勢に入る。そしてそれによって動ける範囲がわずかに狭まり、いくつか避けたところで玉を受けてしまった。
「クナさん! ドーベル!」
私の視界に私とドーベルさんの名前を叫ぶコリーさんの姿が映る。コリーさんは全て避けきれたようで問題はなさそうだ。私もダメージは受けてないので、大丈夫、と言おうと思うということができず、返事がないドーベルさんの方を無効にも体が動かないことに気づいた。
「やったー! 成功! ブレイクー」
メタルンは喜んでいるみたいだ。麻痺か何かの状態異常だと高をくくった私はコリーさんが状態異常を治すために動いているのでそれを待った。
「解除できる!?」
「私の力じゃ無理かもしれません!」
え? なんだって。 コリーさんの力でも解除できない状態異常なのだろうか。
「でもアイテムなら…すいませんクナさん」
万能薬と思われる物を取り出しながらコリーさんが私に近づく。そしてそれを塗りこむように私の身体に手を這わせる。「すいません」というのはこれのことだろう。この状況で怒るつもりはない…もちろん相手が男性でないかぎり。
コリーさんに万能薬を塗りこまれた私の身体からコーティングしていたらしい何かが液状化して体から落ちていく。
「私、どうなって…」
私の治療を終えたコリーさんがドーベルさんの方に向かう。それを目で追っていた私は言葉を途中で止める。そこには銀色のオブジェと化したドーベルさんがいた。石化に似た状態といえばいいだろうか。
「くそー!」
思い通りいかなかったからなのかメタルンは悔しそうだ。
「こうなったらー…」
といって再び口から玉を噴き出しはじめた。
「またかよ!」
舞浜君の焦りにも似た声が届く。チラッとドーベルさん達の方を見ると、どうやらこっちも解除が終わったところみたいだ。
そして噴き出される玉を避け続ける。しかし一向にやめる気配がない。
「全員あの状態にするまで出し続けるのか?」
舞浜君も今は避ける方に徹している。彼があの状態になったら実際終わりだと考えた方がいいだろう。
ベチャッベチャッベチャッと玉は元から液状のようで地面に落ちると弾ける。それに少しでも当たるとその部分がよく分からない金属にコーティングされる。
「きゃははは」
やっと止まったかと思うとメタルンは楽しそうに笑い出す。
「必死必死ー、ぼくにダメージ与えられないからなにもできない~、きゃははは!」
なまじ幼い声が使われてるのでなんかむかつく。
「うるさい!」
イラついたのでせめてもの反抗と思って【石ころ】をメタルンに投げつけた。
「へへーん効かな…うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「え?」」」」
石ころがメタルンに当たると弾かれる時とは違う固い物同士がぶつかる音がして、直前まで得意げな顔をしていたメタルンが絶叫し、力ない表情へと変わっていく。御餅型だった身体は叫び声が弱くなるうちにその形態を維持できなくなり液状化していく。
液状化したメタルンの身体が腰の高さに来て、このまま溺れてしまうんじゃ、と不安になったところでメタルンが消える。
「……やった! 倒した!」
「「「……」」」
私が無理やり歓喜の声を上げると三人から冷たい視線が…私が悪いわけじゃないのに!
少ししてダンジョンの入り口に飛ばされる。そして
<ボス撃破報告>
破壊のダンジョンの四人パーティ専用ボス
「ビッグメタルン」の撃破を確認いたしました。
これに伴いましてカッスール公国領の防具屋に破壊無効の盾が追加されました。
それでは引き続き『○○記』をお楽しみください。
というアナウンスがされる。ダンジョンの前に並んでいた人達がその攻略法などを聞くために群がってきた。しかし、前回と違って今回は四人、人混みも分散され私は群がる人々にい放つ。
「石ころ投げれば勝てる」
それを聞いてきょとん、とする人たちを置いて私はビギに戻った。
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NAME:ナギ
【ブーメラン初心者】Lv19【STR増加】Lv40【ATK上昇】Lv30【SPD増加】Lv38【言語学】Lv41【遠目】L10【体術】Lv32【二刀流】Lv49【幸運】Lv50【水泳】Lv28
控え
【スーパーアイドル】Lv7
SP20
称号 ゴブリン族のアイドル 恋に惑わされる者 ホマレの惚れ人 ファルカナンドの救世主




