≪主要登場人物 (※挿絵注意):第1章~第3章≫
◎『女勇者』レイン・シュドー ♀
人々を脅かす『魔物』、そして『魔王』を倒すために立ち上がった勇者一行の1人にしてリーダー格。純白のビキニアーマーの大胆(かつ破廉恥)な衣装は、どんな敵が相手でも体に一切の傷を負わないという、彼女の優秀な剣の腕の表れであった。だが、旅の中で仲間割れを起こし、自分を尊敬する最後の仲間も失い、たった1人で魔王に立ち向かった結果、屈辱的な敗北を喫してしまう。しかし、絶望の淵にいた彼女を救ったのはその『魔王』自身であった。
『魔王』によって、心の中に芽生えていた他人への不信感、自分自身への盲目的な愛を煽られ、凄まじい魔術によって1人、2人、10人、そして数十、数百人と次々にその数を増やし始める。だが、レイン本人は怖がるどころか、むしろ自分自身が数を増す事を何よりも楽しんでいる様子。
今日もまた、レインは次々に増殖を続けていく……。
◎「魔王」
表情の見えない仮面で顔を覆う謎の存在。かつて大量の『魔物』を操って人々を脅かし、レインら勇者と敵対していた。だが、自らに敗北したレインを何故か保護し、心の中にある欲望を煽る形でレインを次々に増やし始めていく。
無限に増殖するレインを利用して世界を手中に収めるのが最終目標のようだが、その本心は一切不明。
○『浄化の勇者』ライラ・ハリーナ ♀
浄化の魔術を使って魔物から仮初の命を払い、元の姿に戻す戦法を得意としていた勇者。
年端もいかない少女だったが、世界を平和にしたいという強い思いから勇者の一員として旅を続けていた。
特にレイン・シュドーの頼もしさにあこがれを抱いており、仲間割れを起こした時も最後までレインに付き従っていたが……。
●『剣の勇者』トーリス・キルメン ♂
レインたちとともに旅を続けていた勇者の1人。金髪の美男子。
しかし裏で理想ばかり追い求めるレインに不平不満を抱き続けており、やがてそれが爆発したことで彼女と仲間割れをしてしまった。そして、その後……。
●『魔術の勇者』キリカ・シューダリア ♀
仲間割れを起こし、レインを見放した勇者の1人。
自身の利益を優先するなら仲間はもちろん自分が傷つくこともいとわない冷静沈着な性格。
それ故に、レインにこれ以上ついていくと破滅しか見えないと考えていたが……。
●『力の勇者』フレム・ダンガク ♂
自らの筋肉を武器に魔物を蹴散らしていた勇者の1人。
しかし、その裏で強い自己顕示欲と傲慢さを隠しており、トーリス同様日頃からレインに恨みを抱いていた。
その結果、レインを裏切ったばかりか復讐がてらとんでもない行動を起こし……。
●盗賊団の連中
魔物に荒らされていた街を襲い略奪を繰り返していた人間の悪党たち。
勇者とも対立関係にあったはずだが……?
○女性議長 ♀
世界各地の村や町の代表者を束ねる、世界の権力者の頂点に立つ老年の女性。
勇者であろうと関係なく、冷静沈着に中立の立場を保ち続けているが……。