≪主要登場人物 (※ネタバレ注意):第1章~最終章≫/あとがき
※一部中盤~終盤の展開のネタバレを含んでいます。閲覧の際にはご注意ください。
◎レイン・シュドー ♀
かつて『勇者』として人々に崇められ、そして良いように操られてきた女性。
純白のビキニ衣装を纏い、無名の剣と無敵の魔術を振るう。
すべてに裏切られた事がきっかけで自分自身への「愛」に目覚め、それ以降は自分自身の数を際限なく増やす事を優先した思考判断を取り続けている。
世界の真実を知った事をきっかけに『魔王』と結託し、幾多もの困難を乗り越えた末、『魔王』や『ゴンノー』の行動に隠されていた真意、そしてこの世界そのものの秘密を知る事となる。そして……。
◎『魔王』
表情の見えない銀色の仮面と、全身を纏う漆黒の衣装を擁する、この世界最大の脅威。
大量の『魔物』を操って人々を脅かし、レインを利用するような立場をとるも、一方でレインをより強くし、その数をより増やすよう仕向けていた。
その真意は、レイン・シュドーとの繰り広げられた最後の戦いの末に明かされる。
◎『ゴンノー』
かつて魔王を裏切った、立ち上がった骨だけのトカゲが服を纏ったような外見を持つ上級の魔物。
粘っこく気持ち悪い言動が特徴。
『上級』だけあってその実力は本物で、レイン・シュドーの模造品であるダミーレインを無限に生産する、幾ら倒しても蘇り続けるなど、幾度となくレインを追い詰めた。
だがその一方で「軍師」として人間たちに接近し、彼らの欲望を刺激し堕落させるという行動も取り続け……。
●ダミーレイン ♀
ゴンノーが創り出した、レイン・シュドーの模造品。
世界の果ての地下に広がる巨大な生産施設で数限りなく大量生産されていた。
レインに瓜二つの純白のビキニ衣装のみを身にまとう美女の外見を有するが、自らの意思を有しておらず、人間たちの指示に逆らうことなく従ってしまう。
また、生まれながらにトーリスヤゴンノーに対する忠誠心や愛情も埋め込まれている。
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○『浄化の勇者』ライラ・ハリーナ ♀
浄化の魔術を使い、魔物相手に立ち向かっていた勇者にして健気な少女。
特にレイン・シュドーの頼もしさにずっと憧れを抱いており、仲間割れを起こした時も最後までレインに付き従っていたが、それを疎んだ勇者たちの陰謀に巻き込まれ命を落としてしまった。
だが……。
○リーゼ・シューザ ♀
世界各地の村や町の代表者を束ねる『女性議長』として、世界の権力者の頂点に立っていた老年の女性。
勇者であろうと関係なく、冷静沈着に中立の立場を保ち続けていたが、それ故に自身の心を明かす権利を有していなかった。
その結果、トーリスやゴンノーの暴走を止められず、完全なる傀儡になってしまう。
彼女もレイン・シュドーの凛々しさや勇猛さに憧れを抱いていたが、実はかつての姿はレイン・シュドーと瓜二つであった。
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●『剣の勇者』トーリス・キルメン ♂
レインたちとともに旅を続けていた勇者の1人。金髪の美男子。
常人以上の剣の腕を誇る凛々しい存在として人々から慕われていたが、その本性はあらゆる嘘偽りで人々をだます口八丁。
しかし裏で理想ばかり追い求めるレインに不平不満を抱き続けており、やがてそれが爆発したことで彼女と仲間割れをしてしまった。
その後は仲間たちと共にレインの手柄を自分たちのものとした上、彼女を亡き者として処理し、贅沢な日々を過ごしていたが、倒したはずの魔王が蘇るという事態を目の当たりにした事で一時焦燥してしまう。
だが、裏切り者の魔物・ゴンノーを匿った事がきっかけで意気投合し、その力を借りて再び人間たちから尊敬を集める存在に変わっていく。
しかし、結局彼は地位も名誉も無ければただの我儘な男であり……。
●『魔術の勇者』キリカ・シューダリア ♀
仲間割れを起こし、レインを見放した勇者の1人。長髪の美女。
自身の利益を優先するなら仲間はもちろん自分が傷つくこともいとわない冷静沈着な性格。
それ故に、レインにこれ以上ついていくと破滅しか見えないと考え、トーリスの考えに従う事となったが、変わりゆく世界の情勢を見た彼女は信頼できる僅かな部下とともに彼のもとを去っていった。
だがその結果、ゴンノーによって『裏切り者』扱いされてしまい、長い逃亡の日々を過ごす羽目になってしまい……。
●『力の勇者』フレム・ダンガク ♂
自らの筋肉を武器に魔物を蹴散らしていた勇者の1人。
しかし、その裏で強い自己顕示欲と傲慢さを隠しており、トーリス同様日頃からレインに恨みを抱いていた。
その結果、レインを裏切ったばかりか、彼女への復讐と言わんばかりにライラの命を奪ってしまう。
平和になって以降は鍛錬を怠り続け、酒池肉林の贅沢な日々を過ごしていたが、その結果因果応報の結末を迎えてしまう事になった。
●『村』の人々
勇者トーリスと軍師ゴンノーが推し進めるダミーレインに対抗すべく集まった人々。一時はキリカや部下たちも仲間に加わっていた。
魔術や剣術に長けた者たちが集まったが、魔物やダミーレインの力には到底及ばず、やがて足並みは乱れていき……。
《あとがき》
『増殖』『分身』『クローン』――多くの作品においてネガティブな要素として使われることが多い部分を突き詰めるとどのようになっていくか、もっと端的に言えば『勇者が無限に増えるとどうなるか』、そんな何気ない気持ちで製作を始めたこの作品、最終的に200話以上にも及ぶ長編作品になってしまいました。
自分大好き、自分こそ理想的、そんな感情を最優先するビキニ衣装の勇者『レイン・シュドー』をどう増やしていくか、世界をどう蹂躙していくか、思いつくだけ様々なアイデアを盛り込み続けた結果、最早数の概念すら通用しないほどにまで増え続けていく存在になる――自分で言うのもアレですが、連載を始めた頃はここまで大量に増えていくとは全く思いませんでした。
そんなあまりにも異質かもしれない作品、多くの方々に目を通して貰い、感想まで下さいまして、作者として非常に嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
なお、次の話として番外編も掲載しています。
もう暫くお付き合い頂けましたら嬉しいです。




