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浄化の力
しばらく更新していませんでしたが、更新しました!
ふわり、と暖かく優しい風が頬を撫でる。
「そう…貴方は浄化を望むのね。
わかったわ」
サラの言葉に、光を発していた不思議な本は喜ぶようにさらに光を溢れさせる。
私は少し瞳に力を込めた。
すると、瞳に宿っていた金の光がさらに強く輝く。
「ありが、とう…」
サラの耳に、満足げな声がきこえたとともに、本は光を放つのを弱めはじめ、やがて跡形もなく消え去った。
「一件、落着ってところかな」
私は人息ついて、伸びをする。
「あぁ、お疲れ様」
そこに揺ったりとしたあるきで、アリシアがやって来た。
「この本の浄化、終わりました!!」
「やっぱり、貴方の浄化の力は特別ねぇ~」
アリシアの言葉はどこか含みがあって、私は首をかしげた。