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腹立てて混乱する厄病女神

 みんーなー! こーんにーちはー!

 皆は最近どーかなー? 元気かーい? 私はチョー最悪だよ?

 ふぇ? あんた誰かって? へいへーい冗談きついよジョニー。あ、ジョニーって言うと何でか猥褻なイメージがありますよね? え? ない? いや、ありますよー。男○器のことをジョニーって呼んだりしません? しない? いや、私が読んだ本ではそーいう比喩表現があったんですよ。

 あ、そうそう。それで、私は誰かっていうと皆のアイドル絹坂衣ですよー。何でか厄病女神なんていう迷惑な呼ばれ方もしてます。

 ところで、このわけわかんない文章は何かっていうとですね? つまり、私、混乱してるんですよ。滅茶苦茶。

 さて、状況を整理します。いや、皆さんは状況把握してるかもしれませんけど、私がもう一度整理したいんです。頭の整理も兼ねて。

 簡潔にいきましょう。


 Q ずばり、現状は?

 A 先輩が京島さんとちゅーしてる。


「な! な! なぁぁーっっ!?」

 私は腹の底から絶叫しました。そりゃします。しちゃいますよ! こーいうときに絶叫しないで他にいつ絶叫するっていうんですか!? 絶叫はこの為にあると言っても過言ではないくらいですよ!

「な! な! な! な! な! なんばしょっとねーっ!?」

 こりゃ何処の方言でしょうか? 少なくとも私の故郷では使われていません。思わず口から出たんです。そういうことってたまにありますよね?

 てか、先輩は一体、何をやっているんでしょうか? 本当にマジで。

 ちゅー? キス? 接吻? それは分かります。やっていることは完全に理解していますし、その意味も知っています。お子様ランチを食べてる年代ではないんです。チキンライスに刺さった旗で喜ぶ年じゃないんです。

 私が知りたいのは、一体全体、先輩はどーいうつもりで京島さんとキスをしているのかってことです。

 先輩は言ったじゃないですか。

「俺はお前と付き合うことはできない。永久に誰ともそーいう関係にはならない」

 そーいう関係ってさ。恋愛関係のことですよね? ですよねっ!? ここに解釈の違いはないですよね!? ねえ! 裁判長!? 異議なしですね!?

 それでですね!? キスってさ! 恋人同士がするもんですよね!? いや、勿論、恋人同士でもないのにちゅーちゅーする如何わしい人がいることは存じてますよ! でも、先輩はそんな簡単に接吻をするような人じゃあないのです。そんな人だったら私はもう100回くらいキスしてますよ!

 とにかく、先輩は身持ちが固い人(用法が合っているか自信がありません)なんです! 恋人でもない人と好きでもない人と平然とちゅーできるような人じゃないんです! じゃあ、何で、2人はキスしてるのさ?

 可能性としては2つあります。

 1つ目。体力に勝る(情けないことに先輩は非常にひ弱なんです。さすがに私よりは力ありますけど、運動系部活に所属する女子には負ける程なんです)京島さんが無理矢理先輩の唇を奪った。

 2つ目。2人は好き合っていて恋人同士で情事の最中。

 私的には1つ目を推挙したいと思います。断固としてそうであるべきです。てか、当然、そうです。そうに決まっているのです。もし、2つ目に該当するというならば、私は首吊りますよ。ええ、本当に。

 とにもかくにも、私はその場面に仰天して絶叫してしまったんです。絶叫するのだって、頷けますよね?

 私が叫ぶと京島さんはびくっと震え、先輩は私をちらっと見て嫌そーうなっていうか面倒臭いことになりそーだなーみたいな顔をしました。何でそんな余裕風なんですか? ムカついちゃいます。

「あ、あ、あああー、えっと、えーっと……」

 京島さんは素早く先輩から離れて両手を振り回してあたふたしています。それでも、表情だけは落ち着いてる風に見えるのが面白い……とかどーとかは関係ないんです。今はいいんです。マジどーでもいいです。

 そもそも、人のこと言えませんが何故だか、京島さんが先輩のことを好いていることは分かっていたんです。ええ、本当言えば初めて会った時からそんな気はしていたんです。てか、彼女、表情無いけど、言動が分かり易いですから。たぶん、先輩も気付いていたんじゃないかと思います。先輩はそこら辺のラブコメの主人公の例に漏れて鈍感ではなく勘が鋭く人の心情の機微に敏感な人なんです。

 ただ、先輩はわざと恋愛的要素を遠ざける為に分からない知らない振りをしていたのです。それはたぶんやっぱり例の亡くなった元彼女を想ってだと思います。先輩や周りの人は何だかんだ言いますが、たぶん、要するに先輩はまだその人のことが好きで、まだ付き合っている気分なんだと思います。付き合っている人がいるのに他の人と付き合うことはできないという理論なんだと想います。

 じゃあ、何で、京島さんとキスするね?

「せーんーぱーいーっ!?」

「何だ何だ? 俺が悪いのか? 悪いのは俺か?」

 先輩は嫌そーうな顔でぶつぶつ呟きます。その薄い唇はまだ接吻の名残で、濡れています。

 あはは、滅茶苦茶腹立ちます。


ちょいと短かったかもです。

あと3話で完結のつもりん!

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