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恋する乙女な厄病女神

お久し振りです。

今話より話の形態が大いに変更されます。

まあ、読めば分かりますが。


 私は先輩のことが好きなのです。

 私は友人が多い方ではありませんが、それでも、親しい友人が何人かいて、よくお話をします。その話の中で、たまに恋愛について話されることがあります。

 先輩は言いました。

「青春とは恋のことだ。恋をして、時間を浪費し、結果的に、糞のような恥を背負って、後で回想した時、悶え死にそうになる。それが青春だ。恋のない青年期を過ごした奴は、青春をどぶに捨てたと言って過言ではない。それが悪いことか良いことかは知らんがな」

 つまり、若い頃には色恋が付き物なのです。

 私と友人との間に恋愛についての会話があることは至極当然であると言えます。

 ところで、私はたまに嘘を吐く人間です。まあ、人は普通嘘を吐きます。社交辞令とかお世辞とかは殆ど嘘ですから。

 しかし、私は意味のない嘘は吐きません。

 ですから、ある時、友人に、

「コロは好きな人いる?」

 と、聞かれた時、正直に答えました。

 あ、ちなみに、コロっていうのは、私と親しい友人が使う私のあだ名です。 下の名前を短縮させたバージョンです。

 話を戻しますね。

 それで、私は正直に答えたんです。

「いますよー?」

「えー!? 何で!?」

 何故、そんなに驚かれるのか、私には疑問であり不満でした。

「あ、ほっぺ膨らんだ」

 友人の1人が私の頬を指で突きました。口からぷうっというマヌケな音が出ました。私は機嫌が悪くなると頬が膨らむ癖があるのです。

 たまに、わざとやっているだろうとか言われるのですが、これは無意識な癖なのです。第一、わざとやる意味が分かりません。

「私には好きな人がいたらダメなんですか?」

 私は疲れた頬を撫でながら言いました。

「いや、別に、ダメじゃあないけどさ。何ていうか」

「予想外だった」

 友人たちは一様に頷きました。

 何故、私に好きな人がいることが予想外なのか分かりません。私の不満と疑問はぷくぷくと膨らみます。

「まあ、それはいいや」

 1人が言いました。私にとってはそんな簡単なことではないのですが。

「それでさ。コロの好きな人って誰なの?」

 友人たちは、皆、好奇心に満ちた顔をしています。

 私は少し恥ずかしくて、照れながら、その好きな人の名前を素直に言いました。

 それは誰か?

 当然、先輩です。私は先輩ただ一人しか好きではないですし、今までもこれからも先輩以外の人を好きになるつもりはないのです。

 先輩は高校での特徴的な地位と独特の言動で、一際、有名な人でしたから、私の友人たちも先輩の名前は知っていました。

 彼女たちは吃驚びっくりするくらいに声を合わせて言いました。

「えぇーっ!? 何でっ!?」

 何でって……。


 何処かの誰かがいつだったか何でだったか言っていたような気がします。

「人が人を好きになることに理由はない」

 ですから、私が先輩を好きなことに理由は要らないはずです。

 それでも、人間というのは理由を付けたくなるものです。

 地球が回ろうが、虫が飛ぼうが、野球チームが試合に負けようが、テストで赤点取ろうが、それでいいじゃないですか。それなのに人は、そのことに適当な理由を付けようとします。何故でしょうね?

 まあ、そういう小難しいことを考えるのは先輩に任せておきましょう。先輩はこーいうことをうだうだと考えるのが好きなんです。

 今、私が考えるべきことは、何故、私が先輩のことを好きなのかということです。

 これは今まで、かなり質問されてきたことです。友人にも、先輩にも、先輩の友人・知人にも聞かれました。

 しかし、私は逆に聞きたいのです。

 どうして、あなたは先輩のことを好きにならないのですか?

 私は断言します。

 先輩はとても魅力的な人なのです。

 確かに先輩は短気で、偉そうで、自分勝手な言動が多くて、たまに暴力的な人です。

 それに好き嫌いは多いし、屁理屈だし、皮肉屋だし、口ばっかりで面倒臭がりだし、運動できないし、偏屈で頑固な人です。

 けれど、私は先輩が好きなのです。

 これはもう言葉で説明することはできません。

 かといって、文字でも説明できないのです。

 こう、何と言いますか。初めて会った時から、何かビビッと来たんです。私とこの人は一緒になるべきだと思ったんです。つまり、これは運命なんです! 神の定めです!

 ですから、先輩、速やかに私と交際し、できるだけ早くに婚姻届をお役所に提出しましょう!

 私、新婚旅行は国内で良いですよ。海外は何だか恐いですし、国内でも見てみたい所はまだまだありますしー。

「煩いわ! ボケナス!」

 先輩はそう怒鳴って私にキックしました。先輩のキックは私の腰辺りに命中し、私はぽーんと畳の上に転倒しました。

「先輩、痛いですー」

 私は抗議します。女の子を蹴るなんて酷いです。幼稚園の先生が言ってました。

「女の子に手を上げちゃいけません」

 って。先輩が上げたのは足ですけど。

「やかましい! 人が寝てる横で何をごちゃごちゃと言ってやがるっ!? 煩くて起きてしまったではないっ!?」

 先輩はカンカンに怒っています。

 ちょっと私が喋っていただけでこんなに怒るなんて、心の狭い人です。

「今、何時だと思ってるっ!?」

 私は時計を見ました。

「6時半ですー」

「6時半!?」

 先輩が叫びます。

「6時半から貴様は何をしとるんだっ!?」

 私は意味のない嘘を言わない人間です。正直に答えます。

「先輩が寝ている間にー、こうやって言い聞かせたら、こー、暗示みたいになって、願いが叶うかなーっと思いましてー」

 睡眠学習ってやつです。

 先輩は黙っています。口の端がピクピクしています。

 今までの経験で、私は、あ、怒鳴られると思い、そっと耳を塞ぎました。

「そんなもんは流れ星に向かってやれっ!!!」

 それは週一でやってますとは言いませんでした。余計なことは言わない方が良いのです。


やっとこさ更新できました。

読者さんが覚えていてくれているか甚だ不安であります。

これから更新が連続するかといえば、作者も社会人になってしまったので、そーもいきません。

これからも、読んで頂ければ幸いであります。

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