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全員が俺だ ~6666回転生した記憶過積載者~  作者: 雨音トキ


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第8章 封印呪文の開発

翌朝。

リオンは目を覚ました。

体はまだ重いが、動ける。

ベッドから起き上がる。

窓から外を見る。

村人が遠くを歩いている。

リオンの家を避けるように。

「やっぱりな」

リオンは机に向かった。

ノートを開く。

昨夜の反省を書く。

『黒狼戦:成功。だが暴走した』

『問題点:封印が不安定。時間がかかる』

『改善策:封印呪文の開発』

ペンを置く。

「戻れ」だけじゃ足りない。

もっと強力な言葉が必要だ。

リオンは本棚から古い本を取り出した。

村の図書館から借りてきたもの。

『言霊魔法の基礎』

ページをめくる。

言霊。

言葉に力を込める魔法。

「これだ」

リオンは読み進めた。

『言霊は、意志と言葉を結びつける。強い意志があれば、言葉は力を持つ』

『自分の名を使うと、効果が増す』

リオンは考えた。

自分の名。

リオン。

それを使う。

「我が名においてリオンに戻れ」

試しに唱えてみる。

何も起きない。

当然だ。今は誰も召喚していない。

実践で試す必要がある。

リオンは立ち上がった。

外に出ようとする。

母が心配そうに見る。「森に行くの?」

「訓練する」

母が眉をひそめる。「危ないわ」

「でも、制御しないと……もっと危ないことになる」

母は黙った。リオンの目を見る。真剣な目。

ため息をつく。「……わかった。でも日が暮れる前に帰ってきて。遅かったらお父さんが探しに行くから」

「ありがとう」

リオンは家を出た。

村人が横目で見る。

囁き声が聞こえる。

「また行くのか」

「怖いわ」

リオンは無視して、森に向かった。

木々に囲まれた空き地。

誰もいない。

深呼吸。

「試してみる」

まず、戦士を召喚する。

「戦え!」

視界が変わる。

戦士アレクが降臨。

アレクが周囲を見渡す。

「敵は?」

リオンの内側で叫ぶ。

『いない。すぐ戻る』

新しい呪文を唱える。

「我が名においてリオンに戻れ!」

意志を込める。

強く。

アレクが驚く。

「なんだ……この力……」

引っ張られるように、引いていく。

「くそ……」

アレクが消える。

リオンの体が元に戻る。

「成功……」

膝をつく。

疲労はある。

でも、前より楽だ。

「戻れ」だけの時より、スムーズだった。

リオンは立ち上がった。

「もう一度」

次は商人を試す。

「商え!」

商人グレイが出る。

「この木、金になるな」

すぐに呪文を唱える。

「我が名においてリオンに戻れ!」

グレイが驚く。

「え? もう?」

引いていく。

「せめて計算させてくれよ」

消える。

リオンの体が元に戻る。

「いい……速い……」

前より確実に速い。

リオンは笑った。

「できた……」

封印呪文の完成。

これで、暴走のリスクが減る。

次々試す。

「癒せ!」

治療師アンナ。

「我が名においてリオンに戻れ!」

即座に封印。

「隠れよ!」

忍者カゲロウ。

「我が名においてリオンに戻れ!」

封印。

「燃やせ!」

魔法使いリズ。

「我が名においてリオンに戻れ!」

封印。

全てスムーズ。

1時間後。

リオンは木に寄りかかっていた。

疲れている。

でも、満足感がある。

「これなら……使える……」

ノートに記録する。

『封印呪文:完成』

『「我が名においてリオンに戻れ」』

『効果:即座に封印可能』

『消耗:変わらず。1日1回が限界』

ペンを置く。

空を見上げる。

「まだ限界はある」

1日1回。

それ以上は体が持たない。

でも、大きな進歩だ。

召喚できる。

封印できる。

制御の第一段階は完成した。

リオンは立ち上がった。

村に戻る。

歩きながら考える。

『次は何を改善する?』

消耗を減らす方法。

複数の人格を同時に使う方法。

課題は山積みだ。

でも、一歩ずつ進んでいる。

村に戻ると、母が待っていた。

「おかえり。大丈夫だった?」

リオンは頷いた。

「うん。進歩があった」

母が微笑む。

「そう。よかったわ」

家に入る。

父はいない。

仕事に出ているのだろう。

リオンは自分の部屋に戻った。

ノートを机に置く。

ベッドに座る。

疲労が襲ってくる。

「少し寝よう」

横になる。

目を閉じる。

精神世界が見える。

6666人が座っている。

静かだ。

戦士アレクが立ち上がる。

「リオン、悪くなかったぞ」

商人グレイも頷く。

「封印が速くなった。これなら協力しやすい」

治療師アンナが微笑む。

「無理しないでね」

6666人が、それぞれ頷く。

リオンは心の中で答える。

『ありがとう。お前たちの力、借りるよ』

戦士アレクが笑う。

「当然だ。俺たちはお前だからな」

リオンは微笑んだ。

精神世界から離れる。

現実に戻る。

ベッドで横になったまま、つぶやく。

「次は……もっと強くなる」

目を閉じる。

深い眠りに落ちた。

夢の中で、6666の声が優しく囁いた。

「頑張れ」

「お前ならできる」

「俺たちがいる」

「一人じゃない」

リオンは安らかに眠った。


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